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簪って意外と試しやすい、という話

当初、小話忘備録だけ挙げていこうかなと思っていましたが
いろんな人がいろんな事を書かれているのに触発されたので
ちょっとだけ日常話を。

簪≪かんざし≫



●飛ばしてもいい前書き

 簪って聞くと、なんか呉服の高いお店…とか、舞妓さんのでかでかしゃらしゃら…とかが出てくると思います。高いし派手だし日常にはちょっと……感がありますよね。
 夏場になれば浴衣用な風情で売られていることも多いですが、好みのものが無かったり、どうしても涼し気・純和なデザインが多くて通年としては使いづらいということも。
 後私の実体験として、金属軸の簪を雑貨屋で購入したのですが、しばらくすると明らかに軸が「く」の字に曲がっていました。なんということでしょう、金属が髪圧に明確に負けていました。

●簪の代用品「木製箸」

 でも結構簡単で安い代替品があるんですよね。
 「箸」です。それもできれば「木製」の。
 髪の長さや量にも寄りますが、子供用の20㎝弱位の長さの箸で十分です。(というか、長い箸を使ってみたら首に刺さりかけました……)
 「木製」はしなりがあるので、先に言った「髪圧に負けて曲がる・戻らない」ということがないんですね。
 今時かわいらしい木箸なんて100均にいくらでも(しかも2本セットで)売られてます。気に入るデザインがなくても好きにアレンジして(例えそれが失敗でも)大きな問題はないですし。

 後、案外「箸」って気付かれないです。(実証済み)
 私がつけていたのは
  箸の頭にヒートン(環のついた小さいねじ)
  +そこから細いチェーンを垂らし、
  +つまみ細工の小花をチェーンの先につける
 という所謂落ち物系だったのですが、「可愛い」は言われても箸だと気付いた人は居なかったです。(なんなら引っこ抜いて全長みせてやっと納得する人が多かった)
 数か月くらいで髪に刺す方の先が縦に割れてしまい使えなくなりましたが、上記の通りネジ式の飾りなので、もう一本の箸にくっつけて2回目チャレンジができます。

●どうでもいい後書き。あるいは、簪に手を出した訳

 簪といえば、和装に興味があれば、あるいは和風バトルキャラなど多分大体の人が知ってる髪飾り。
 髪ゴムやピンに比べればあまり店頭に並んでいることは少ないですし、一般的には使うとしても七五三・成人式等和装での冠婚葬祭、あるいは精々夏の浴衣くらい……。
 私も、和装というものが幼いころから好きではありましたが、純粋に憧れ止まり、年一の浴衣が唯一の楽しみといったレベルでした。当然そんなお高い装飾品など夢のまた夢。いつかそんな粋な人になれたらなあという程度でした。

 話が変わったのはヘアードネーションの為に髪を伸ばし始めてから。

 人毛の鬘を製作する為に、元となる髪を寄付する活動なのですが、これが思った以上に大変……。
 30㎝以上の長さの髪が必要なので、私の場合約2年かけて背中の中程まで髪を伸ばしています。
 芸能人とかキャラクターには普通にいる髪の長さじゃないか、と思いますよね。思いました。いやこれが結構つらい。
 洗うのは大変、乾かすのも大変、手入れ(どころか櫛すら)とっても大変。寝起きに腕が髪を踏んで痛いし千切れるし、地味に頭は(物理的に)重たい。……いや、髪の長さと重さって本当に舐めちゃいけないんですよ。頂点でポニテしてすら首肩に掛かる。団子は二つ折りでは盛大にはみ出す。ネットやクリップなんて当然無理、何なら髪の圧に負けて壊れるって具合です。いや酷い。
 そして暑い。本当に暑い。肩から背に広がる髪の幕はそれだけで肩掛け一枚分くらいあるんじゃないかという熱を保持します(主観)。あと汗でベッタベタになりますしね…。2023年酷暑は髪を切った翌年だったので、まだそれほど(とはいえ、十分縛れるほどの長さはありました)でしたが、今年の夏も酷暑とかなんとか噂が聞こえるような……。予定長さに届くの、晩秋なんですよね……。(死の予兆)

 巷で見かける綺麗な長髪って、本当に見たまま努力の結晶なんです本当に……(努力の犠牲者)

 ともあれ、重量の問題だけはカバーできないですが。簪だと結構髪が長くても問題なく留められる+上手くいくと全然痛くないし落ちてこない(慣れが必須ですが……)+中々壊れない+そのままならシンプル・粋、可愛い・綺麗は作れるので汎用性高い、と。結構いいじゃないと。仕事もプライベートもいけますしね。
 そういうことで簪を普段使いできるようになりました。

 とはいえ安価で簪が試せるといっても、ちゃんとした簪に憧れがあるのも事実。
 いつかThe Ichiさんの「神楽鈴一本簪」に手を出したい……。というか此処の系列の簪が本当に滅茶苦茶素敵なのが多いので…本当に憧れる……。

 

 という訳で、個人的にお試し的日常書きでした。(多分続かない)


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