AKQゲームを拡張して考察してみた

こちらの記事を読んでいただきありがとうございます。
airriderjpという名前でプレイをしています。

今回は暇だったのでPioSOLVERでAKQゲームをして遊んでいたのですが、レンジを変えて遊んでいたら、言われてみれば当たり前のことだけど考察していたら確かにそうだなと納得できた部分があったので記事にしてみようと思います。

ここでの考察はあくまで僕の考察・予想であり、確実な理論に基づいたものではないということをご了承ください。
(強い人、詳しい人、間違っていたら教えてください)

また、今回の記事ではポット100に対してスタックが100という前提で検証しています。スタックを200にするとオッズが変わるため当然変化します。
(良かったと思ったら投げ銭してください(乞食))


通常のAKQゲーム

通常のAKQゲームは以下のレンジでプレイをします。
ボードは22233です。

IP

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OOP

画像2

ここで
「SPRが1でOOPは必ずチェック、IPはベットする場合はオールイン」
のとき、IPが適切にブラフを混ぜてベットすることによってOOPのブラフキャッチのハンドはエクイティがあるにもかかわらず、EVが0になってしまうというものでした。

IP

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OOP

画像4

画像5

解説はすでに他の方が十分すぎるくらい詳しくしていらっしゃるのでここでは記述しません。


AKQゲームを拡張してみる

次にAKQゲームを拡張してみます。

結果や理由を予想しながら読み進めていただけると幸いです。

IPのレンジを以下のようにしてみます。OOPは変わらずKKのみです。
ボードは22233です。

画像6

さて結果はどのようになるでしょうか?

画像7

AAは100%ベット、99~QQが12.5%ずつになりました。

これはブラフが99~QQなので、99~QQの部分を合わせて50%の頻度で打てば先ほどのAKQゲームの時と変わらない状態というわけです。

なので別に99で50%、TT~QQは常にチェックといったレンジ構成でもハンドごとの役割が変わらないので問題はありません。

IP

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OOP

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注意点(※2020/11/26 追記あり)

ここで注意しなければいけないのは
「じゃあどのコンボでブラフしても変わらないんだったら頻度だけ見てブラフしていればいいんじゃないの?」
という疑問が間違いであるという点です。

今は単純なモデルで考えているので問題がありませんが、実際のポーカーはボードやハンドが複雑に絡み合っているため、ブラフするにも適切なコンボや頻度が存在します。

例えば先ほどのIPのレンジから99を消してAKsを加えてみると

画像10

AKs、TT~QQの各頻度がほぼ15%(14.97%)になりました。

ここで注目してほしいのは、バリューコンボとブラフコンボの比率です。

AKsを加える前のベットレンジはバリューのAAが6コンボ、ブラフは99~QQの中から3コンボの比率でした。

AKsを加えると、ベットレンジはバリューのAAが6コンボ、ブラフのAKs、TT~QQの中から3.3コンボの比率に変化しています。
(9.3combo - AA分の6combo = 3.3combo)

ここで登場するのがブロッカーです。

レンジで見た時にAKsを持っているので、相手のレンジのKKをブロックしている可能性が上がります。

相手がブラフキャッチできるハンドが減ります。

ブラフ頻度上げても良い
(※ここは間違えているかも)
ということになります。

つまり、役割の変化はなくても頻度が変化しているということです。

AKQゲームって簡単そうに見えて難しい。

※2020/11/26追記

AKsを追加した例の話でOOPはKKしかないため、IP側のAKsは常に相手のKKをブロックしています。

逆に、KK側は相手のAKsを常にブロックしています。
ここで、OOPはIPのブラフコンボを2コンボブロックしています。

そしてIPから見ると、相手のレンジにはKKしかないとわかっているので、常にこちらのブラフコンボがブロックされているのがわかります。

つまり、ここでAKsは2コンボになり、残りのTT~QQは6x3コンボで合計18コンボ、合わせてブラフコンボが20コンボになります。

ポットベットに対してのバリュー対ブラフの比率はAAが6コンボなので、頻度的には3コンボの頻度でブラフをするべきなので、

(3÷20)×100%=15%

となり、ブラフコンボ全体から15%を選んでブラフをすると2:1の比率になるということでした。

つまり、ブラフの頻度は上がっていないということです。
大変失礼いたしました。

OOPのレンジをQQ、KKにして、IPのレンジを以下のように設定するとこうなりました。頻度は変わらないけれど、ブラフするコンボを選んでいるのが分かります。

画像20

(追記ここまで)


AKQゲームをさらに拡張してみた

最後に、AKQゲームの役割は変えずにレンジだけをさらに変化させてみました。

レンジを以下のようにして検証してみます。

IP

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OOP

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単純なハンドの強さで勝負をするため、ボードを22234に変化させました。

AQs>KTsQTsJ9s>T8s>87s
(太字がOOP側)
ここではあえてKJsではなくKTsを採用しています。

それでは結果を見てみましょう

IP

画像13

まずIPです。さきほどのAKQゲームではAAが6コンボに対してQQが3コンボでバリュー対ブラフの比率は2:1でした。

今回のAKQゲームの拡張ではAQsが4コンボ、T8s、97sが2.2コンボでした。
注意点で述べたように、相手のブラフキャッチのレンジをブロックしているので少し頻度が上がっています。

※2020/11/26追記

上の注意点の追記で述べたように、ブロッカーの関係から頻度が上がっていると記述しましたが、ブロッカーの関係で頻度が上がっているように見えるだけでした。つまり、ここでもバリュー対ブラフが2:1の割合でブラフしています。

(追記ここまで)

OOP

画像17

次にOOPです。コール対フォールド頻度に変化はほとんどありませんが、コンボが大きく変化しています。

役の強さ的には
KTs>QTs>J9s
です。

コール頻度で見ると
QTs>J9s>KTs
になりました。

役では一番強いはずのKTsがほぼフォールドという結果になりました。
いったいなぜでしょう?

ここでまた登場するのがブロッカーです。

QTsは相手のバリューコンボであるAQsをブロックしています。

レンジで見た時にブラフの頻度が上がる

ブラフの可能性が上がる

コール寄りになる


といったところでしょうか。

次になぜKTsではなくてJ9sでブラフキャッチするほうが良いのかという話です。
考えやすくするためにNodeLockを使って頻度をいじってみます。

IPのレンジをいじってみます。
変化前

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変化後

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IPのT8sの頻度を2%下げ、J9sの頻度を2%上げました。


OOPのレンジはどのように変化したでしょうか。

画像17

J9sのレンジが変化しました。フォールド寄りになっています。

ここでもブロッカーについて考えてみます。

まずKTsです。

KTsは相手のレンジにあるブラフコンボであるT8sをブロックしてしまっています。

相手のブラフが減る

バリューの可能性が上がる

フォールド寄りになる

といったところでしょうか。

次にJ9sです。

J9sは相手のレンジにあるブラフコンボである97sをブロックしてしまっています。

相手のブラフが減る

バリューの可能性が上がる

フォールド寄りになる

相手のブラフ頻度の高いT8sをブロックしていない

少しコール寄りになる

といったところでしょうか。

ここで
「なぜT8sの方が頻度が高くて97sの方が頻度が低いの?」
というIPの計算結果に疑問が出ますが、これも先ほどと同じように順を追って考えていくと、

OOPは相手のバリューコンボをブロックしているQTsでブラフキャッチをしてくる

IPはそのブラフキャッチをしてくるコンボをブロックしているT8sがブラフ頻度が上がる

といったところでしょうか。

確かに、97sはJ9sでブロックしていて、T8sはKTsでブロックしているという関係にはありますが、QTsが絡むことによって複雑にベット頻度が変わることになります。

なので、T8sと97sの頻度を逆にすると

画像18

画像19

こうなります。コール頻度が下がっているのはブロ(ry
ということになります。

ここで結論として何が言いたいのかというと

コールする側の優先順位が高い順に並べると

・相手のバリューコンボをブロックしている
・相手のブラフコンボをブロックしていない
・相手のブラフコンボをブロックしている

ということになります。

これ、言われてみると結構当たり前のことで
そもそもバリューに対してブラフの数が多くなることはあり得ない(ブラフの方が多くなると何でコールしても利益が出る)ので、当然バリューコンボの方が増えます。

なので、バリューコンボをブロックしているのとブラフコンボをブロックしているのでは、バリューコンボをブロックしている方がブラフコンボをブロックしている場合に比べてレンジの比率で考えると大きく変化するのでバリューコンボをブロックしている方が優先順位が上がるというわけです。

ん~難しい。(※あくまで考察です。)

さいごに

ポーカーの単純な例であるAKQゲームを例に考えてみましたが、いかがだったでしょうか。

NLHではベットする回数がプリフロップからリバーまであるわけなので、今回のように単純に考えることはできませんが、ソルバーが示す解がどのように導かれているのか、どうしてそのコンボでブラフキャッチをするのかといったところが少しは解消できた!というのであれば幸いです。

僕もまだまだ知識が足りないので説明不足な部分はあるでしょうが、AKQゲームをつかってある程度は説明ができたのではないかと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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