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Celosphere Live 2020 レポート [事例編:独ドイツテレコム]

こんにちは!
AiritechでCelonisを担当しています。エンジニアの大町です。

本稿では Celosphere Live 2020 のセッション「Deutsche Telekom - How They Gained Significant Value by Becoming a Data-Driven Company Using Process Mining (データドリブン企業にふさわしいプロセスマイニングによる重要価値の獲得方法)」についてレポートしていきたいと思います。

独Deutsche Telekom Service Europe AG(DTSE)[ドイツテレコム サービス ヨーロッパ]は、2016年に設立された独Deutsche Telekom AG[ドイツテレコム]の100%子会社です。従業員は3800名に上り、26社175,000名以上の顧客を抱えています。

DTSEのデジタル化と自動化の取り組み

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DTSEでは、上図や以下に記載している様々な取り組みや製品の利用によって、調達から支払等あらゆる業務をEnd to End』でデジタル化・自動化する取り組みを行っており、非常に高いレベルでの価値創造を実現しています。

▪︎データ分析
▪︎機械学習
▪︎プロセスマイニング
▪︎SAP S/4 HANAへの移行
▪︎SAP ERP製品の展開
▪︎SAP HR製品による雇用から退職までのプロセス管理
▪︎SAP Aribaによるサプライチェーン管理
▪︎Salesforce Service Cloudによるチケット管理でのカスタマーサポート
▪︎ロボットによる自動化
▪︎チャットボット
▪︎デジタル署名
▪︎モバイルインタラクション

そして、その取り組みにおいては、Process Bionicsという考え方が重要とのことでした。

Process Bionics とは?

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Process Bionicsは企業のプロセス最適化に、生物の自然進化の過程(生物工学)を当てはめて考えるアプローチです。
ビジネスプロセスの360度の透明性を実現し、トップダウンとボトムアップの両方の視点からあらゆるプロセス最適化対策を可能にするものとのこと。

Process Bionicsについて詳しく知りたい方は、こちらのDeloitte(デロイト トウシュ トーマツ)のサイトに論文等が掲載されていますので、ご覧ください。
Process Bionics、私は初耳でしたが、非常に面白い考え方だと刺激を受けました。

それでは、Process Bionicsの3ステップを1つずつ見ていきます。

ステップ 1 - Reporting

最初のステップで全ての関連情報を一目で確認できるような仕組みが整えます。
End to Endのプロセスから、以下のようなKPIをマネージャーやビジネスエキスパートに提供する体制を整えています。

▪︎ノータッチレート
▪︎リードタイム
▪︎自動化率
▪︎現金割引

ステップ 2 - Process Mining

次のステップはプロセスマイニングの実践です。
医者がレントゲンを使って病巣を突き止めるように、プロセスマイニングで業務プロセスをリアルタイムで可視化し、弱点を発見、改善していきます。
その結果、DTSEでは以下の効果が得られたとのことです。

▪︎現実世界で発生しているプロセスの認識
▪︎効率化の成功による時間と金銭的なコスト削減
▪︎逸脱プロセスの根本原因の理解

ステップ 3 - Alerting

最後のステップでリアルタイムなアラーティングを実現します。
DTSEで通知しているものの一例として、以下があるとのことです。

▪︎3ウェイマッチ(ICS)=現場指揮システム(Incident Command System)
▪︎義務違反
▪︎不正防止
▪︎ビジネスコントロール

これらを実現するため、以下のような定義を事前に活用しています。

▪︎無料で利用できる既存のカスタマイズ可能プロセスアラート
▪︎リアルタイムアラートハンドリング
▪︎Salesforceのワークフロー管理

DTSEのCENTER OF EXCELLENCE

さて、こういった取り組みをスムーズに行うには、CoEが必要になります。
CoE(Center of Excellence)
とは、企業や企業グループなどで部門横断的取り組みを継続して行うために、人材やノウハウ、ツールなどを結集した組織やグループのことです。
DTSEは以下の図に示すCoEの体制を構築しており、様々なスキル保有者を結集して事業の改善にあたっています。
ビジネスサイドとCoEの橋渡し役はビジネスアナリストが担っており、ビジネスサイドから見ると、1つの窓口であらゆる問題を解決可能となっている点がポイントです。
非常に先進的な取り組みと言えます。

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DTSEは、新たにCelonisに実装・強化された機械学習・予測分析機能の利用も考えています。
今後それらをどのように活用していくのか、非常に興味深いです。


最後までお読みいただきありがとうございました。
今後もCelonisに関する情報を発信していこうと思いますので、よろしくお願いします。

Celonis(プロセスマイニング・タスクマイニング)の他にも、トラブルシュート&システム性能サービス等、様々なサービスを展開していますので、詳しくは以下の弊社サイトをご覧ください。


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