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愛に溢れた映画『ジョジョ・ラビット』

Twitterでジョジョが可愛いと見かけて鑑賞を決意。
歴史もの戦争もの好きなので絶対好きだわな、こりゃ。と思ってフラッと観に行ったけどめちゃくちゃによかった、本当に(語彙)
ヒトラーは本当に世界的なフリー素材とでもいうべきか、とってもたくさん作品があるね!
コメディなので戦争もの無理・・・って人にも割と気軽な感じで観れると思う、きっと。でも結局は戦争ものなのでしんどいけれど。しかし愛に溢れているので観るべきである!と胸を張ってお勧めする!
なるべくネタバレしないようには書いてるけど敏感な人は回れ右!

第二次世界大戦中、孤独なドイツ人少年のジョジョは周囲からいじめられており、イマジナリーフレンドのアドルフ・ヒトラーのみが救いだった。ある日、母親が屋根裏にユダヤ人の少女を匿っているのを発見したことから、政治的な考えが変わり、ヒトラーのナショナリズムに向き合うことになる。

イマジナリーフレンド

↑このシーンめっちゃ最高です。
タイカ・ワイティティ扮するアドルフ・ヒトラー。主人公ジョジョの空想のお友達なんですよね。これがめちゃくちゃに良い。タイカ・ワイティティ本人は「孤独な少年のヒーローの最高のバージョンであり、彼の父親のような存在。」と言ってるんですが、まさにその通り。
いつもそばに居てくれて困ったときには助言をしてくれる。ジョジョは父親が家に居ない為、こうやって空想のお父さんを作り出したのかもしれない。この2人の関係性がすごく可愛くて見ててニコニコしちゃう。
しかし、所詮は10歳の男の子の空想に過ぎないエア・アドルフなので、物語が進むにつれてジョジョのヒトラーに対する気持ちが変わっていってしまうので、関係も変わっていって見ていて切なくなります。

劇中音楽

時代を全く無視した音楽がこの映画を更にいいものにしていると思う。
いきなりビートルズの「抱きしめたい」更にはデヴィット・ボウイの「ヒーローズ」がドイツ語Ver.で流れ出す。
それだけで心がウキウキしてしまう、ヒトラーという絶対的な支配者を崇拝してやまない人たちの見え隠れする不気味さを引き立てている。
見終わった後はビートルズ聴きまくった。

母親という存在

母親がすごく素敵に描かれている。息子のことが大好きな強い母親。女手一つでジョジョを育てて、時には父親のような役割も一生懸命こなす。
そんな愛情に包まれてジョジョはすごい幸せに生きてきたんだなってひしひしと感じた。
ナチスであるジョジョ、しかし母親は密かに反ナチ。でも決して自分の息子を否定する事なく、10歳の子供として伸び伸びと生きて欲しい。という気持ちが伝わってくる。
「靴紐」を通してジョジョの成長が垣間見えるこの作品だけど、「母親の足元」にも十分注目して欲しい。
最初はなんでこんなに足元映すのかな?ジョジョ目線かな~って何の気なしに観ていたけど、意図が分かったらもう胸がわしづかみにされてました。あの演出は本当にすごい。
そんな強い母親を素敵な演技で魅せてくれたのが、スカーレット・ヨハンソン!もう最高にかっこいい女が似合うよ…大好き…
それとスカヨハのファッションが最高に可愛い。色鮮やかな緑や青など戦争中だけれど女性のファッションがとても可愛くてそっちにも目がいっちゃう。

クレンツェンドルフ大尉の存在

個人的にこの作品で一番好きなのは、やはりサム・ロックウェル演じるクレンツェンドルフ大尉(K大尉)。サム・ロックウェルの人たらしな顔が最高に合ってる。
役所としては、「片目を失ったヒトラーユースキャンプを運営するナチスのキャプテン」パッと見やる気ない感じの大尉だけれど、もうなんだかめちゃめちゃ良い奴すぎて辛抱貯まらん。本当に良い奴。少年漫画とかで出てきて1位かっさらってくようなスーパーかっこいいおじさん!最高!今までナチスとしてお国の為に戦ってきたけど、きっとそれを心の中では良しとしていなかったのかな。ユダヤ人だからという理由で迫害するのが当たり前になっている世の中で、どのように自分の心に折り合いつけて生きていたのかな。ジョジョの事を気にかけて、助けてくれるお茶目でどこか憎めないスーパーかっこいいヒーローだよ、本当に。あとK大尉と部下のフィンケルのやり取りが最高に可愛い結婚しろ。

ヒトラーとは

私は戦争を経験したこともないし、なんだったら祖父がかなり終戦の終わりかけに産まれたので詳しい話も聞いたことがない。知識としても、映画や教科書などありふれた知識しかない。それでもヒトラーがダメってことはわかる。別に肯定する気はさらさらない。だけれどもこの映画のすごいところは、少なくとも、主人公のジョジョにとってはヒトラーが救いだった。紛れもなく、ヒトラーに救われていた。ワイティティはヒトラーをコミカルに描いていったので、独裁者のヒトラーというよりかはもっと、なんか身近なヒトラーとして感じられた。(なんと言えばいいのか・・・)
ヒトラーを親友としてイマジナリーフレンドとして描いていくのは、なんともすごい魅せ方だと思う。
10歳の男の子にとってヒトラーなんてアイドル的憧れの存在。その中でジョジョは周りの環境で、色々な事を学んで自分の考えが徐々に変わっていく。思考が変化していく様は観ていて本当に感動的だった。全てのマイノリティーと現代社会へのメッセージが込められた、色んな人たちの「愛」がとてもよく伝わる、素晴らしい映画だった。

きっとこの映画は私の2020年ベスト10に入るでしょう!!✌️✌️✌️✌️✌️✌️✌️

ピノのアーモンド味をたらふく食べたいので何卒・・・