開発秘話2:使いやすさの追求
さて、前回の記事でご紹介したとおり、ノリと勢いで開発に至ったわけですが、基本的な仕様を固めるところで、分かる人には分かる「大きな問題」にぶつかりました。
それは「入力項目が多すぎる」です。
一般的なカレンダーアプリが「日時」、「内容」、「場所」、「備考」と4~5つ程度の項目で構成が概ね完成しているのに対して、AirBowzはこれ以外に「誰が」とか「施主は」とか「故人は」とか。で、「誰」や「施主」は住所や連絡先を持っているはずですし、「故人」には命日や戒名などの情報を持たせなければなりません。法務管理アプリですし。
※「誰」はお坊さんのことです。
使ってもらえて初めて完成
どんなシステムも「ユーザーが使わない」と動きません(動くものもあるの?スイッチとかいらないの?)。
そもそも紙媒体で動いていた情報をデータ化して、業務フローから距離や時間、場所という制限を取り払い、結果として「効率化」を目指すのがシステムの存在意義だと思っています。
ところが、入力項目があまりにも多すぎるとユーザーは使ってくれません。入力した結果が便利になるとしても、入力が不便ではダメなんです。
普段は企業の業務管理系システムを(趣味で)作っているので、10や20の入力もあまり気にならない(?)のですが、はてさて、スマホ利用が前提で個人が使うアプリとなると、画面いっぱいに広がる入力欄はいかがなものかと。
苦戦
一般的なカレンダーアプリと比較してどうしても必要な項目は多く、いくら考えてもこれらが減ってくれることはないこと(当たり前)に気が付くのに数日。
なので、「普段お坊さんが使ってくれているだろうシチュエーションを想像して、操作性を工夫するしかない」ことになりました。
当たり前ですね💦
UIの検討
システム開発では当然、UI(ユーザーインタフェース)を設計するわけですが、パソコンのディスプレイとスマホでは全く画面の大きさが異なります。
たった5つの入力項目も、パソコンなら「これだけ?」となるものが、スマホだと「面倒だな」となります。
その時、本当に必要な情報に絞る
入力をステップに分ける
入力欄の配置を工夫する
必要に応じて入力欄を表示するようにする
などなど、先駆者の皆さまのお知恵をGoogle先生から賜りつつ、試行錯誤することになりました。
利点を作る
また、画面の構成や動きを工夫することも大切なんですが、現在使っている(だろう)カレンダーアプリの手が届かないところをカバーできることも、ユーザーに使ってもらえるようになることに繋がります。
今一度、AirBowzがユーザーであるお坊さんに提供できるメリットを大きく3つに絞ってみました。
複数の日にまたがる予定を一つの予定として管理できること。
お坊さん同士でスケジュールの共有ができること。
登録する内容に一貫性を持たせられること。
結果
登録時は「これでもか!」というほど厳選した最小限の入力のみ
登録されている内容を確認できる画面で、修正したい項目をタップすることで「そこだけ修正できる」
作っては壊し、壊しては作りを何度も繰り返して、結果としてたどり着いたのが現在のAirBowzです。
是非一度お試しいただき、使い勝手についてのご意見などがいただけたら跳ねて喜びます。
AirBowzはこの「note」で使い方記事をご紹介しています。
※取扱説明書が不要になるほど洗練されたUIを実現されている世間のアプリ開発者様たちには頭が上がりません。
AirBowzを使ってくださるお坊さん方々のお声をいただいて、少しずつ、より使いやすいアプリに成長させたいなと思う今日でした。