ミルクティー

ミルクティーまであと5分
絶望ごっこを過ぎて10分
雨の音は気のせいです
邪魔な自転車は投げ捨てます

遊びに行ってもいいかなって聞かれても
プレステないし性欲ないし
することなんてありません
オセロぐらいしかありません

君のトレンチコートのボタンになりたいと
白の石が3つ並んだところで僕は言う
意味が分からないといった顔をする君の
細胞の中を進んでいくと宇宙へ辿り着くとしたら
隣の部屋との境はなくて
自分の爪を切るってことは誰かの爪を切るってことだから
さっき投げ捨てた自転車は僕のかもしれない

行かなくちゃ
自転車を拾いに行かなくちゃ
その前に石を並べなくちゃ
宇宙を完成させなくちゃ
壁に掛かったトレンチコートはベージュで
ネコの鳴き声みたいな響きのブランド

あれは何ていう名前だっけと考えるいま
ミルクティーまであと5分
絶望ごっこを過ぎて10分
雨の音は気のせいです
ぜんぶぜんぶ気のせいです

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