過去の貴女がいたからこそ


「なんか気持ち悪いなぁ…」
それは中2の夏、夏バテだと思った。
生理痛も酷く腰がすごく傷んだ。

でもみるみるうちに食べられなくなり
どんどん痩せていった。

当時の彼氏にやっぱり可笑しいからと
放課後に会い、渡られたのは妊娠検査薬。

「まさか妊娠なんてする訳ないよ!
だって毎月生理来てるよ?」
とは言ったものの、制服のスカートが
キツくなっていたことには薄々気づいていた。

渋々やってみると、、、陽性。

「産みたい」その一択だった。
とりあえずお互い家に帰り、親に報告。
母も戸惑ったものの賛成してくれた。

自分の中で19歳に結婚・妊娠するのが夢だった。
なのに14歳で母になるなんて…
いろんな感情が私の中を駆け巡った。

後日、彼氏の自宅へと母と共に向かうと
「下ろして欲しい」とのこと。
涙が止まらなかった。

一緒に住んでいた祖父と祖母にも
強く反対された。
母がシングルで育ててくれた事も
関係して居たのだと思う。

産院で産まれて初めてエコーを見た日のことは
今でもよく覚えている。
ちゃんと赤ちゃんの形をしていた。
「産んであげたい」そう強く思った。はずなのに
周りには反対されてしまった。

その夜、母に震える声で
「あーちゃん、こんな中で産まれてきてくれた子は幸せになれるのかなぁ..」と言われた。

初めて産む選択が出来ないと思った。

後日別の産院でもう一度エコーを見たとき
産んであげたい!と強く思った
でも仕事をしている訳でもなければ
社会を知っている訳もなかった。
後悔ばかりが頭の中を駆け巡った。

中絶手術をして、陣痛も経験した。
すごく悲しい出産を経験した。
涙を流すと同時に雨が降りはじめた。

自分が憎くて仕方なかった。
火葬の時も毎日毎日目が覚めては
自分が居なくなればいいのにと強く思った。
泣き叫んでばかり居た。

それから月日は流れ、
今は当時の彼と5人の子宝に恵まれました。
10年前貴女が願った19歳で奥さんになり、
そして母になりました。

ところが4年前、
最愛の次女とお別れをしました。
神様はなんて意地悪なんだろう?と
空を見上げて泣きました。

そして、そのすぐ後に妊娠。
心拍確認後に流産。

心の中にポッカリと大きな穴が空いたようでした。

そんな私を正当化する訳でもなければ
悲劇のヒロインになりたい訳でもない。

ただ、
生命はかけがえのないものなんだと
声を大にして言いたい。

自分が経験したからこそ
沢山の人に伝えなきゃいけないと
強く思えたのです。

自分が憎くて仕方なかった12年前。
もう生きる意味を失ったとさえ思えた4年前。
神様なんて大嫌いだと泣き叫んだ3年前。

でも安心して。
今の私はすごく幸せです。
過去の貴女が辛い経験を乗り越えてくれたからこそ
子供達が命を賭けて教えてくれたからこそ
今の私は「生きてて良かった!」と
胸を張って言えます。

だからこそ私は、
生きられなかった子供達の分まで
人生を全うして、どんなに遠く離れてても
「ママはここに居るよー!」って
誰よりもキラキラ輝こうと心に決めました。
子供達にお空から自慢して貰えるように。

そして、ずっと支え合ってきた彼と
大きな目標が出来ました。

今はその目標に向かって全力で走り続けてます!
貴女が居たから今の私が居るよ!ありがとう!

そしてお空に居る3人の子供達!
本当にごめんなさい!
でも、ママのところに来てくれて
本当にありがとう!
いつかこの余生を全うした時、
そっちの世界のこと教えてね!
沢山遊ぼうね!沢山お話しようね!約束だよ!

#十年前の自分にかける言葉

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