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AI PC/Copilot+PC/Windows on ARM(期待と株価と)

私の調べたところによりますと、AI PCやCopilot+PC/Windows on ARMはセットで覚えた方がいいです。
なんなら、前に書いたCISC vs RISCの延長にこの流れはあるので、その歴史を学んだ上で、今のAI PCの流れを考えるとより分かりやすい。

まずAI PCという用語ですが、これは端末側で処理できるAI機能(例としてRecallや同時翻訳等の)とそれ専用のNPUというAI専用プロセッサーを搭載したPCの総称と思ってもいいと思います。

<CPUベンダー3社の明暗>
ここは、QUALCOMMのSnapdragon X Elite 一択です。
まぁクアルコムの株価を見れば、一択なのはわかります。

https://finance.yahoo.co.jp/quote/QCOM/chart

AMD社もRyzen AI 300シリーズでAI PCを出す予定ですが、CISC陣営のプライドなのか出遅れた感、オワコン感がぬぐえません。(主観)
株価も見れば納得
CISCテクノロジーの延長で生成AIを処理するという果敢な挑戦も見えますので将来再びゲームチェンジャーとなる何かを作り出す可能性はまだあります。

https://finance.yahoo.co.jp/quote/AMD/chart

Intel社に至っては、GPU方面(SoC方面でも)最もCISC色だったというか、AIに対して鈍感すぎた感があり、Lunar LakeでAI PCに対応するといってはいますが。市場は正直です。(主観)
強すぎる巨人はなかなかその商売を転換させるのは難しいもの、ただ言うても現在の覇権を取っている天下のIntelなので、今後の戦略には注目です。AI向けのLunar LakeはTSMCに委託生産するという割り切り戦略(自社でも作れるが。。。自社でつくるのは既存CPUの新モデル)
ついにIntelが3nm相当のプロセスルール「Intel 3」での大量生産を開始 (msn.com)

https://finance.yahoo.co.jp/quote/INTC/chart?styl=cndl&frm=dly&scl=stndrd&trm=6m&evnts=volume&ovrIndctr=sma%2Cmma%2Clma&addIndctr=

さて、Copilot+ PCという「コンセプト」でいきなりでてきた40TOPSという単位、、、あれ?これまでAIの演算性能をFLOPSで計測してたのに、どうした??と思うわけなのですが、これは別に世界に認知された値というわけでもないし、最低40TOPSは欲しいという「基準」もマイクロソフトから明確に示されてはいません。

FLOPS (Floating Point Operations Per Second)

  • 意味:FLOPSは、1秒間に実行できる浮動小数点演算の数を表します。浮動小数点演算は、科学計算やグラフィックス処理などの高精度な計算に使用されます。

  • 単位:一般的に、MFLOPS(Mega FLOPS)、GFLOPS(Giga FLOPS)、TFLOPS(Tera FLOPS)などで表され、これらはそれぞれ10^6、10^9、10^12 FLOPSを意味します。

  • 用途:CPUやGPUなどのプロセッサの性能評価に使用されます。特に科学技術計算やシミュレーション、3Dグラフィックス、機械学習のトレーニングなど、高度な数値計算が必要な分野で重要です。

TOPS (Tera Operations Per Second)

  • 意味:TOPSは、1秒間に実行できる演算操作の数を表しますが、ここでの「演算操作」は必ずしも浮動小数点演算に限りません。特に、整数演算やビット操作も含まれることがあります。

  • 単位:一般的にはTOPS(10^12 operations per second)で表されます。

  • 用途:主にAIアクセラレータ(NPUなど)の性能評価に使用されます。AIモデルの推論やディープラーニングの処理において、整数演算や簡易な演算が多用されるため、これらの性能を示すためにTOPSが使われます。

実はマイクロソフトは生成AIの風雲児であるOpenAIへの最大の出資者ではあるのですが、Appleとはライバル関係です。Mac vs Windowsみたいな。
なのに子分だと思ってたOpenAIがいきなりApple製品にバンドルされるっていうので飼い犬に手をかまれた気持ちでしょう。
なぜこんな当たり前の話をしたかというと、Copilot+ PCに求められる40TOPSに戻ります。
Appleの高性能プロセッサーであるMシリーズ(M1/M2/M3/M4)ですが、、、なんとCPUではなくNPUであることが分かっています。どんだけ先見の明があるんでしょうね。。Appleは。
MシリーズはNPUでありながら、弱点とされるCISC系処理(シングルススレッド)をしっかりカバーできる作り込みをしており、AI処理に強いが、普通の処理も早い!というのが実態となっている。
これがなければ、AI処理は早いが、普段使いのExcelとかWordとかがめちゃ遅い。みたいな残念なプロセッサと言われて終わりだからです(さすがApple)

今回満を持して登場したQUALCOMMのSnapdragon X Eliteに関しても、NPUばっかりに目が行きますが、ちゃんとシングルスレッド対策のCPUも搭載(oryon)していて、AppleのMシリーズ同様に、ちゃんと早い、しかもAI対応という立ち位置を確立しています。
QUALCOMMにしたら、もはやライバルはAppleのMシリーズだけと言わんばかりに、まぁいろいろ画策した。の結果の40TOPS推奨なのです。
Appleのライバルマイクロソフトの「コンセプト」であるCopilot+ PCの要件は、こうしてできあがりました。
答え合わせは以下のApple最新チップM4の記事の中にあります。

https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2405/10/news093_2.html

M4はなんと38TOPSなのです。
なぜマイクロソフトとクアルコムが最低40TOPSという所に線引きをしたか。これでお分かりいただけましたでしょうか?

さて、とはいえマイクロソフトに軽くいじめられたAppleですが、その部下のOpenAIと手を組むというウルトラCをやってのけます。
株価を見てみましょう。起死回生の1手を打った日から株価が再上昇しているのが分かります。

https://finance.yahoo.co.jp/quote/AAPL/chart

そしてあの手この手で生き残りをかけ、CISC陣営からRISC(ARM)陣営にも足を出しているマイクロソフトの株価も見てみましょう。

https://finance.yahoo.co.jp/quote/MSFT/chart

まぁ必死な分だけ、それなりに株価も上昇しています。

AI-PC とりわけCopilot+ PCが流行るかどうかは、Recall機能、同時翻訳機能が流行るかどうかです。
ユーザのPC上の操作を全て理解しながらスナップショットを取ってくれる。最高・最強の機能ですが
いつ何時にどんな操作して、どんな文字をPCで打ち込んでいたか、が記録されるPCとも言えます。会社から支給されたらいろいろ怖い。

これらノートPC界隈、OS界隈の争いをよそに、唯我独尊、完全独走状態なのが時価総額でなんと世界1位にまでなってしまったNVIDIAです。
ライバルがいない。。。まさに無敵モードです。
NVIDIAは開発者さんみんなが使いやすい、GPUをうまく使う為の並列処理の命令をよろしくやってくれる下駄「CUDA」を無償でばらまき、みんなはCUDAありきでAI開発をしたので、いまさらIntelやAMDがAI対応のGPUを作ったとて。。。手遅れなのです。それは株価に顕著に表れています。

さて、そんな勝ち組のNVIDIAさんのコバンザメとして、そのGPUを委託で一手に作る台湾のTSMCですが、こちらも株価を見てみましょう。

https://finance.yahoo.co.jp/quote/TSM/chart

当然ながらこちらもうなぎ上りです。
NVIDIAが他の会社samsunとかに委託したり、自社で作り始めたらコバンザメおわりなのですが、3nmというめっちゃ細かい基盤でプロセッサ作る技術、、、これが他社にないのです。https://www.tsmc.com/japanese/dedicatedFoundry/technology/logic/l_3nm

なんなら、NVIDIAの逆に弱みを握っているといってもいいくらい。むしろコバンザメではなく共生関係であるといってもいいでしょう。

3nmでの基盤という観点だとGPUの命令を真横で処理するAI専用メモリHBMの担い手は、サムスン、SKハイニックス、マイクロン
サムスンだけまだ市場は信じてないみたいです(まだNVIDIAから委託受ける試験は途中との事)

https://www.google.com/finance/quote/005930:KRX?hl=ja&window=6M

https://finance.yahoo.co.jp/quote/MU/chart

https://www.google.com/finance/quote/000660:KRX?hl=ja&gl=JP&window=6M

さて、CPU陣営が沈没し、GPUやHBM、AI関連技術企業の株価が大躍進しているところまでわかりましたが、実際にそれを組み立ててサーバとかPCにする組み立てやさん達はどうでしょうか?
まず組み立てや(サーバメーカー)はおそらく生成AIブームがなければ、かなりの確率で撃沈していたでしょう、市場はもはや冷め切っていて、オワコンになるところでした。

DELL/HP/スーパーマイクロ

組み立て屋は、NVIDIAとの強力なパートナーシップを持つDELLが一歩リードです。
次にGPUの高熱をうまく排熱する為の液冷技術で、スーパーマイクロが続きます、スーパーマイクロはこの分野で確固たる技術を持っています。
HPは。。。ちょっとうまく波に乗り切れていないようです。
イーロンのスパコンにも、DELLとスーパーマイクロが半々で指名されたようです。(HPは?)
デルとスーパー・マイクロ、xAIスパコンにサーバーラック提供へ (msn.com)
どちらにしてもハード関係はNVIDIAとの関係、距離の近さが市場の評価に影響を与えているようです。

ここまで振り返りますと、生成AIのブームはもはや実態度外視でだれも無視できないほどの巨大なうねりとなっています。
最初のCISC vs RISCの戦争にもどりますと、カニパリズム(共食い)をおそれAIにかじを切れなかったIntel/AMDのみがこの変革で割をくっており、みんながみんな王様が裸だな、とかわかってても「AI対応」を声高に主張しないといけない空気が生まれています。

私はAIを研究していますので、これが真に人類に革新をもたらすとわかってはいますが、程度もわかっています。
今の株価は完全にバブルです。

ここまで書いててすごい自爆ネタですが、私のこの記事の100倍くらいわかりやすいNPUってなに?Copilot+ PCってなに?っていう記事を見つけましたのでご紹介します。

「Copilot+ PC」登場でもう「AI PC」も時代遅れ!? “NPU”、“40TOPS”など要件の疑問に迫る【イニシャルB】 (msn.com)


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