Nahuel Note #051 "Je suis à toi"〈Lucas〉(2014)
映画 『Je suis à toi』
『Je suis à toi(All yours/ FÜR IMMER DEIN)』ベルギー/カナダ、2014年、102分
公開日:2014年7月(Pink Screens Film Festival, Belgium)
言語:フランス語、英語
受賞:Chéries-Chéris 2014にてJury Prize 受賞:David Lambert
Karlovy Vary International Film Festival 2014にてBest Actor受賞: Nahuel Pérez Biscayart
the 8th Angouleme French-Speaking Film Festival, 2015にて脚本賞受賞:David Lambert
LesGaiCineMad, Madrid International LGBT Film Festival 2015にてJury Prize Best Actor受賞:Nahuel Pérez Biscayart
Milan International Lesbian and Gay Film Festival 2015にて Grand Jury Award受賞:David Lambert
Queer Lisboa - Festival Internacional de Cinema Queer 2015にてJury Prize Best Actor受賞:Nahuel Pérez Biscayart
監督:David Lambert
出演:Nahuel Pérez Biscayart ... Lucas
Jean-Michel Balthazar ... Henry
Monia Chokri ... Audrey
ついに登場!"Je suis à toi"。
120BPMでナウエルさんにハマッた私は、なにはさておき、作品としてもナウエルさん演じるキャラクターに関しても120BPMに一途なのですが、次点を選ぶなら、「Glue」と悩みつつ、この作品です。120BPM見た人こそ本作を見て欲しい。セットで。
冒頭、インターネットの画面から髭面で細身の男性(ナウエルさん)が片言の英語でこちらを誘惑しながら呼びかける。「航空券を送って!仕事も友達もいないし、すぐに君のとこへ行くから!」(私が送りたい…)
そうしてたどり着いたのはベルギーの田舎町。迎えるのはパン屋を営む巨漢の中年男性Henry。彼はLucas(ナウエルさん)と愛し合う生活が始まると期待していたのだけれど…
という設定で始まるこの映画。アルゼンチン人の主人公Lucasは、片言の英語と少しのフランス語しか話せないので、彼の心の内を語るのは大きな瞳。この映画は、120BPMよりも主人公の心に寄り添う濃度が高いので、切なさが半端なく伝わってきてしまう。その悲しそうな瞳の理由は後半明らかになるのだけれど、これがなんとも唸ってしまう設定。(私は本気でこの映画を日本でも普通に上映して欲しいと思っているので、ネタバレは避け、書かないでおきます。)
もう一人の登場人物はパン屋に勤めるシングルマザーのAudrey。演じるのはグザヴィエ・ドランの『胸騒ぎの恋人』で私の共感をさらいまくったモニア・ショクリ!
確かにLucasはいわゆるSex Workerなので、きわどいシーンもあるのだけれど、コミカルなシーンも多く、そしてとてもせつない。
この映画は色々な映画祭にも参加していたようで…
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭
記者会見(映画の中とは見違えてフランス語が流ちょうなナウエルさん)
2015年8月28日 第8回アングレーム・フランス語映画祭(the 8th Angouleme French-Speaking Film Festival)
予告編
監督インタビュー
プレミア上映(ベルギー)
ナウエルさんインタビュー
監督とナウエルさん
DVDはアマゾンでは現在、英語字幕のUK版が品切れ中(US版はリージョン1なので日本では再生しにくい)。なので、フランス語字幕の付けられるフランス版か、ドイツ語字幕のドイツ版が入手しやすいです。そもそもこの映画の中での会話は主には簡単な英語なので、字幕に頼らずともほぼ意味は分かるかと!私が持っているドイツ版は監督インタビューの収録された4頁のブックレット付き。