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Nahuel Note #053 "Becks letzter Sommer "〈Rauli Kantas〉(2015)

映画『Becks letzter Sommer』

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Becks letzter Sommer(ベックの去年の夏)』ドイツ、2015年、98分

公開日:2015年6月29日  (Munich International Film Festival)
言語:ドイツ語

監督: Frieder Wittich

出演:Christian Ulmen ... Robert Beck
Nahuel Pérez Biscayart ... Rauli Kantas

Eugene Boateng ... Charlie Aguobe

Friederike Becht ... Lara


1984年生まれの小説家、Benedict Wellsが24歳の時に書いた小説の映画化。タイトルになっている主人公Beckは30歳。かつてメジャーバンドで活躍していたものの、仲間とのトラブルなどでバンドをやめ、いまは高校の音楽教師をしている。その鬱屈した日々の中で、リトアニア出身の生徒、Rauli Kantasの音楽的才能を知り、彼をデビューさせ、自分はソングライターとしてもう一度音楽活動を始めようとする「中年の再生」物語。タイトルの「letzt」は英語の「last」と同じなので、日本語だと「去年の夏」あるいは「最後の夏」に出来るけれど、おそらく両方の意味が含まれている。

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小説(パラパラ読んだだけなのだけど…)の方は1999年という設定だったのが、映画では2014年になっている。映画には皆無だけれど、小説にはたくさんバンド名が出てくるし、BeckとRauliは一緒にOasisのコンサートに行ったりもする。

ストーリーは後半、友人Charlieが病気の母に会いにイスタンブールへ行くという車の旅(ブダペスト、ブカレストを経由)にBeckとRauliも付いて行き、ロードムービーぽくなる。

さて、不思議なことはこのナウエルさんの役。すらすらドイツ語を話すも、リトアニア人という設定はともかくとして、高校生…。小説では「14歳くらいに見える16歳」となっているのだけれど、当時ナウエルさん、28~29歳。なぜ一回り以上若い役をわざわざ?と不思議だったのだけど、ナウエルさん(Rauli)の歌はすべてこの映画の音楽を担当しているTobias Jund(Bonaparte)が吹き替えており、この人の声がやたらナウエルさんに似ているからじゃないかと推測。→サントラ

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左がTobias Jund、右が原作者のWells。

ナウエルさんはヒゲなしなので、全然余裕で高校生に見える。

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さてこの映画…ドイツ版DVD(聴覚障害者用にドイツ語字幕は付けられる)で見たものの、映画としては…うーん、微妙。まず「音楽」の描き方が……なんというか…ダサい!ナウエルさんのギターテクと歌が凄い、という設定のハズで、どちらも吹き替えだろうに、なんだろう、この物語的な説得力のなさは。1st Liveで急にデビューが決まるというのもかなり謎だけど、うーん、ライブってこういうもんだっけか??と色々と気になる。

とはいえ!!ナウエルさんの最初のドイツ語映画。それだけでまず嬉しい。そしてとっっっっっっっっても可愛い。KYというか、天然なキャラは、何を考えているのか分からなくてエトランジェ感。DVDの特典映像ではDeleteシーンとして、ナウエルさんのフィギュアスケートや撮影の合間にじゃれ合う様子も見られるし、本人はとてもこの撮影が楽しかったんだろうなあ。

Trailer

演奏シーン

最初はナウエルさんが歌ってる?区別が…

BONAPARTE - WHISTLEBLOWER (Official - Film Version)