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Nahuel Note #061 "Si tu voyais son cœur"〈Costel〉(2017)

映画『イフ・ユー・ソー・ヒズ・ハート(Si tu voyais son cœur)』フランス、2017年、86分
公開日:2017年9月10日 (Toronto International Film Festival, Canada)
日本では2020年3月7日に横浜キノシネマにて上映予定予定が、コロナ感染拡大による臨時休館により中止。その後3月26日に1回のみ上映。
言語:フランス語、スペイン語

監督: Joan Chemla
脚本:Joan Chemla、Santiago Amigorena
一部原作:Guillermo Rosales ”Boarding House”
音楽:Gabriel Yared

出演: Gael García Bernal... Daniel
Marine Vacth ... Francine
Nahuel Pérez Biscayart ... Costel
Karim Leklou ... Michel
Mariano Santiago ... Lucho
Wojciech Pszoniak ... le Polonais

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受賞
・Warsaw International Film Festival (ワルシャワ国際映画祭)2017
(ポーランド)
最優秀監督賞: Joan Chemla

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Trailer

監督インタビュー

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概要

フランスに住むスペイン系ジプシーのコミュニティで暮らすダニエル(Gael García Berna)が、新婚の親友、コステル(Nahuel Pérez Biscayart)を事故で失ったことをきっかけに、コミュニティーを離れ、マルセイユの怪しげなホテル「メトロポル」に1人暮らしながら、自暴自棄な暮らしをしていたところ、ホテルに隔離されている病気を抱えた女性、フランシーヌ(Marine Vacth)と出会い、互いに癒し合える存在であると気づき、逃亡するも…。

映像の美しさを際立たせるガブリエル・ヤレドのピアノ音楽が印象的。

冒頭はコステル(ナウエルさん)の結婚式の回想シーン
結婚式で組体操…
ホテルの怪しいオーナーと、怪しい従業員Karim Leklou。彼はジャック・オディアール『預言者』で注目されてから、色々な映画で爪痕を残しており、個人的には『熱風』が印象的。
儚く美しいMarine Vacth。


この作品は結局キノフィルムズがちゃんと公開してくれなかったため、私は日本語字幕付きでは一度も見ておらず、英語字幕DVDで鑑賞。ナウエルさんの出番は少ない!そして映画自体、あっさり短い。映像も音楽も、雰囲気はたっぷりあって面白いのだけど、あまり展開していかないのが残念。ヤレドのサントラはすばらしい。→youtube
全体的に夜、室内の色調ながら、赤が効かせてあり、コステルの結婚式の花の色はそのまま血の色につながっている。

原案とされているのはキューバ出身の亡命作家Guillermo Rosales(1946-1993)が、自ら半生を過した「絶望した者が行く限界集落のためのシェルター」としての場所を描いた小説、『Boarding Home(「The Halfway House」)』。

ドイツ語訳版。

肩透かしなところはあるものの、ナウエルさんの結婚式シーンが見られという貴重な映画。しかもガエル・ガルシア・ベルナルとの共演!

メキシコとアルゼンチンを飛び出て、世界的に活躍する俳優2人。
タイトルの「君に彼の心が見えたなら(Si tu voyais son cœur)」は、結婚式で親友同士ビールを飲んでいると、ダニエル(ガエル)に「綺麗な瞳ね」と声をかけてきた女性にコステル(ナウエルさん)が言うセリフ。つまり「君に彼の心が見えたなら(それはもっと美しい)」と。そして彼女を追い払う。2人の友情を表す言葉として、ダニエルに強く印象に残ったのだと思われるけれど、その後の彼の心の中を覗き続けるのはとても辛く、原案になっている小説を書いたGuillermo Rosalesのことに思いを馳せてしまう。


舞台挨拶



おそらくもうキノさんは公開してくれないと思うので、DVDで見るしかないです…。
フランスのアマゾンで購入可。
こちら


#NahuelPerezBiscayart
#GaelGarciaBernal