留学のススメ

私は二十歳のときに、オーストラリアへ留学していたことがある。
現在35歳だから、もう15年も前のこと。

小さい頃から「外国に一度は住む!」って決めていたので、
いつ行くか、ということだけが問題だったのだけど、
結局は、中学卒業後も、高校卒業後も行かず、
専門学校卒業後に、満を辞して?日本を旅立っていった。。

海外に興味を持ったのは、正確にいつからだったかは覚えていない。
我が家には当時、海外出張の多かった父のお土産の置物や食べ物が、
棚に飾られていたり、冷蔵庫に入っていたりしたので、
なんとなく日本じゃない国があるようだ、
みたいなことは分かっていたのかもしれない。

ただ、決定的に「海外だっ!!!」って思ったのは覚えてる。

私には、8つ年上の女性のいとこがいる。
彼女は私が10歳のとき、18歳。
私が太い三つ編みおさげをしたちんちくりん小学生だった頃、
彼女はアメリカの大学に留学していった。

お正月など、いとこの家(母方の実家)に遊びに行くと、
たまに彼女が帰省しているタイミングとあって、会えるときがあった。

私はその彼女に会えるのが、いつも楽しみだった。

彼女の部屋からは、嗅いだことのない香水の香りがしたし、
見たことのないアートが壁に飾ってあって、
棚には、銀色のかっこいいアクセサリーがずらりと並んでいて、
聴いたことのない音楽のCDが床から高く積み上がっていた。

その頃、携帯電話なんてもんはなくて、
家の電話ですら、ぐるぐるのコードがついていた時代だった。

いとこの家は、食卓のすぐ横に電話があって、
しかもコードレスじゃないもんだから、会話はすべて丸聞こえ。

みんなが食卓でおしゃべりをしているとき、
その横で彼女が誰かと電話越しに話しているのだが、
いつだって、ぜんぶ英語。

着ている服も、着こなしも、全部日本じゃ見ない感じ。
そういう彼女の感じに、思いっきりヤラレたのは覚えてる。

「彼女みたいになりたい!!」
そういう憧れがずっとあった。

で、そのあと、ハタチでオーストラリアに留学した。

って、なんだかワクワクなストーリー展開を予感させる?感じですが、
留学のススメの訳は以下の通りです。

留学して何が日本と違ったって、「モテた」ってことです。
あ、全然自慢じゃないですよ。聞いて聞いて。

私は、高校の部活もラグビー部のマネージャーだったし、
進学した専門学校も女子率1割くらいの海洋系の学校だったので、
基本的に男性の中にいることが多かったんです。
女性の集団が苦手っていうのもあるんだけど。

そういう場にいると、マドンナ的存在になるかっていうと、これは逆で、
むしろ同性になる。

いや、人によりけりだと思います。
浅倉南みたいな子がいたら(時代が古い)そらみんな釘付けでしょうが、
私は、同性扱いされる系の人だった(彼氏以外)。

まぁみんな優しいし、
なんだかんだで女の子だと思ってはいてくれたはずですが、
こう「モテる」的なことはまっっっったく無縁だったんです。

チヤホヤされるとか、荷物持ってくれるとか、
いやそれ以前に、何か褒められるっていうことが、そもそもなかった!!!
(あ、いっこ言われたのが「人は外見じゃないよ(お前はいいやつだよ)」みたいな!それ褒められてる気が!せん!!)

んが。

渡豪したとたん、モテた。
(あ、多分めちゃモテる人のモテ指数からしたら大っっした指数じゃないと思うんですけど!!)

あ、これ私を気に入ってくれる人の特徴。
比較的暑い国の人(→ブラジル、メキシコ、アフリカ系など)。
ヨーロッパの人は皆無だった気がする笑。
暑い国の人のほうが、ふくよかの人を好む傾向があるからねって言われたかな!!ま、いいけど!

で、私が発見したこと。

日本は、女性が「女性としてもうすでに素敵な存在である」ってことが
感じにくいってこと。


男性がエスコートする文化もない。
私は外国に行って、下心なしに、「今日の髪型とっても素敵だよ」とか
「その服、君にすごく似合ってて魅力的だよ」とか褒められて初めて、
「あ、自分もこんなに女性として褒められるもんなんだ」
って知ったくらいだった。

荷物を持ってくれたり、ドアを開けてくれたり、肩を抱いてくれたり。
そういうのを経験して、
「そうか。女性ってこんなに大切にされる存在でいいんだ」って知った。

もちろん男性でも誰でも、
大切にされる存在であることには変わらないんだけど、
女性がこういう経験をすることって、
肩肘はって頑張らずに、
ふんわり生きるためにとても大切なエッセンスだなと思う。
(ふんわりって抽象的だけど、意地になって頑張る必要ないってことかな)

日本では分からなかった(もしかしたら永遠に発見されないかもしれない)魅力を、海外に行くと、誰かがストレートにスパっと教えてくれる。
それは、日本の外に出ないと分からない魅力かもしれないし、
行ったほうが早く知ることができるものだとも思ってる。

でも、最近新たなことを発見した。
育てられるとき、「かわいいね」「それだけで素敵だよ」
って言われて育った女性は、かわいい。内面が(=外見も)。

わざわざ海外に行かなくても、そうやってお姫様みたいな存在である
ってことを伝えられて育っている女性は、素直できれいだ。
(お姫様だからって、なんでもしてあげるっていう意味じゃなくてね)

それって、「愛され上手」だ。

褒められるとつい、
「いやいや、私なんて」ってオートマチックに言ってしまうような女性も
多いんじゃないかなって思う。
私もそうだった。
「お前なら大丈夫だろ〜〜」って言われたこともいっぱいあったからな〜
そら「へんっナメんなよっ!!」って言っちゃうようになる。

女性は生まれたときから、
ずっと可愛がられてお姫様のような存在でいいと思うんです。
(また言うけど、好き放題のわがままってことじゃなくてね)

その安心感とか、愛され上手感っていうのが、
結局は男性も幸せにすることだと思うし、
子供がいるなら、子供も幸せになるキーなんだと思う。

留学とか海外に住む経験って、私はできるなら絶対したらいいと思うけど、
特に女性はしたらいいだろうなって思う。

そんな経験ができるであろうと思っている私の
「留学のススメ」その①でした。

その②も、乞うご期待(未定)。


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