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松戸市議会事務局に情報公開請求をしました②

お疲れ様です。あいなです。

 思わぬハプニングがありましたが、追加の情報公開請求をすることになった松戸市議会事務局からの資料が届きました。
 お忙しい中対応していただき、担当の方には恐縮しまくりです。
 本当にありがとうございます。(松戸市に向かって五体投地)


 こちらは当時Twitterで呟いていたものをまとめたものです。

 申請内容については、過去の記事をご参照ください。

2022年9月16日、申請

申請内容

2021年6月定例会から2022年9月定例会までに郵送にて提出されたすべての陳情書。

説明

 前回申請して取得した書類は、事務局に直接持ち込まれた陳情書の文書表(事務局側が作成した清書)でした。
 これでは郵送分が確認できないので、郵送で届いた陳情書を見たい旨をお伝えし、改めて申請内容をきっちりと書いた申請書をお送りさせてもらいました。
 (再請求ではなく別の請求として申請書類を出しました)

2022年10月9日、受領

交付された公文書の写しについて

今回の開示請求で交付された公文書の写しは、以下の通りです。

  • 2021年6月定例会から2022年9月定例会までに郵送にて提出されたすべての陳情書 34枚

 なかなか興味深い内容でしたので、その一部をさっそくご報告したいと思います。


戸定梨香(トジョウ リンカ)出演の交通安全啓発PR動画削除に関する陳情

※URLアドレス等は【】で伏せてあります。
<陳情書>
年月日 2021年9月12日
陳情者氏名 【黒塗り】
住所 【黒塗り】

件名
戸定梨香(トジョウ リンカ)出演の交通安全啓発PR動画削除に関する陳情

・対象動画
【動画タイトル】
 下記URLは戸定梨香のVtuber(ブイチューバー以下略)事務所が自身で掲載したものです。
 本書は千葉県警がこれを掲載後に削除したことを問題としています。
【YoutubeのURL】

・経緯及び要求
 先日9月10日、大田区議会議員おぎの稔氏のTwitter(*1)で事態を知りました。
 全国フェミニスト議員連盟からの抗議文(*2末部)を読みましたが、動画削除を要求する根拠として適切とは思えません。動画内容の適切さの確認と、その結果適切と判断されたら動画削除の撤回要求を希望します。本件は表現の自由と行政手続きの問題と考えています。

・全国フェミニスト議員連盟からの抗議文(*2)について
 戸定梨香の容姿について問題にしていましたが、現行の法律・条例・出版物の基準で問題になるものでしょうか?容姿については主観が入るため、私見を参考として後述します。
 許容される表現の幅は、我が国では対象年齢を分けたり業界の自主規制等することで可能な限り広く取ろうとしています。抗議文が根拠にしている国連女性差別撤廃委員会の勧告とは、これらより優先すべきものでしょうか?
 「性による固定化された役割」については、戸定梨香が性に関係なく松戸市と縁がありVtuberという動画出演に適した存在であることから選ばれたのであれば、問われる理由がありません。
 全国フェミニスト議員連盟が抗議する相手は、この動画が現行に照らし合わせ適切である限りは松戸市および千葉県ではないと考えます。我が国での現行を改めようとせず局地的に抗議する姿勢はおかしいです。
 この抗議文の後で動画削除になった時間軸上、戸定梨香のみでなく、これと7月16日に交通安全啓発活動のために協力することを決めた(*3)松戸市も、圧力団体からの抗議文で否定可能であるとみなされかねません。

・戸定梨香について
 戸定梨香は、松戸市ご当地Vtuberとして少なくとも1年は活動しています。この肩書と実績を持って市・警察との協力関係が結ばれた(*3)ものだと思っています。この信頼関係を覆すならば、市は今後本件の関係者のみではなくVtuber・自治体や企業へキャラクターを提供できる人・表現規制問題に関心のある人からの協力は得られなくなると思います。

 なお、おぎの稔氏は全国フェミニスト議員連盟へ、2日足らずで集めたネット署名2万筆とともに本件についての公開質問状を発送しました(*4)。
 戸定梨香のような我が市とのかかわりを持った架空の存在に対しても、市外の議員からだけではなく我が市でも存在を認め、圧力団体からの抗議による動画削除という不適切な要求には応じないでほしいです。

参考)戸定梨香の容姿についての私見
 まず、私は現行のアニメ・ゲーム・本は成年向けを含めある程度嗜んでいます。その上で見た戸定梨香のデザイン(容姿・音声・立ち振舞い)は今風で、現在放送・出版されている全年齢向けアニメ番組・マンガ等と比べて突出した要素はありません。胸が揺れることは現実の女性にも起きうる程度でした。この容姿が性的で不適切となると、大半の全年齢向けアニメ・ゲーム・本は販売されている事実と矛盾しますので、法や各業界の表現規制を直ちに改める必要が生じます。

 抗議文では「Vtuber」を「アニメキャラクター」と説明していますが、それは誤りでかつキャラクターをアニメーション作品に限らず様々な媒体で用いられるようになった今では使われていない言葉です。Vtuberならびに現在のキャラクターの容姿を含めたあり方を理解したうえで抗議しているかは疑問です。

引用URL
*1
 大田区議会議員おぎの稔Twitter
 【URL】
*2
 おぎの稔 公式HP
 【URL】
*3
 PR TIMES
 千葉県松戸市Vtuber「戸定梨香」が、松戸警察、松戸東警察の交通安全啓発活動に協力。
 【URL】
*4
 大田区議会議員おぎの稔Twitter
 【URL】

≪考察≫
 
まず最初に、あくまで私自身はこの陳情の写しを取得しただけであり、この陳情を支持する/しないという立場にはないということを申し添えておきます。

  これって、明らかに文書中に登場して頻繁に引用されている某区議の(熱心な?)支持者で、この陳情書を提出したのも某区議が『地元の方がいれば松戸市議会に陳情してみるとか』とTwitterで勧めていたことがきっかけだと思うのですが、陳情書が提出された当時に、なんでSNS上で話題にならなかったんでしょうね…?

 陳情出しましたーって報告していた記事などが見つからなかったのですが、ご存じの方、何か情報ありましたら教えていただけると大変ありがたいです。

 個人的な感想ですけど、この陳情は事件当時のVtuber支持派・表現規制反対派・表現の自由派の意向に沿ったものであると思いました。
 某区議が先陣を切ってSNS上で支持者をとりまとめて動いている事のアピールと、フ議連(の共同代表の一人である某松戸市議会議員)の抗議という『圧力』に対する反発感情の表明をしているので、大変分かりやすい内容になっています。

 ただ、陳情で要求している主旨は『動画が適切かどうか確認し、もし適切であれば削除の撤回要求をしてください』なので、「なぜ動画の内容のジャッジを松戸市議会がするのでしょうか…?」とか「それは警察側や千葉県庁に言った方がいいのでは…?」と思わないでもありません。

 結局この陳情は議会では付託されずに終わっている(郵送なので恐らく議員へ回覧も配布もされていない…)ので、それはそれで松戸市議会への批判材料になると思うのですが、現在のところSNSで誰かが指摘した様子はありません。

 また、某区議やVtuber事務所に許可を取らずに行っているであろう陳情ですので、Vtuber支持派はもうちょっとこの陳情のことを大事にしても良さそうな気もするのですけどね。

 署名支持派・Vtuber側が議会に対して大きく働き掛けをしなかったのは、様々な事情があるのでしょうが、個人的にも過去note記事で(雑ですが)下記の推測をしています。

動画が削除されたのは9月頭で、当時の地方自治体は丁度定例議会の最中だったこともあり、12月の松戸市議会や千葉県議会は、本来であれば『千葉県警の動画がフ議連の抗議の結果、不当に削除されたことに対する適否』を議論してもらう場としては一番早い舞台でした。

 しかし、芸能人にとっては、この時期はイベントが目白押しの『書き入れ時』。
 Vtuber側も、あえてなのでしょうか、政治的な動きをおおっぴらにはせずに、イベント告知や営業を行っていました。

 付け加えて言うと、まだ2021年12月の当時は、署名運動の熱が残っており、『フ議連は7万筆の署名の声を無視するな』という主張がVtuber支持側のメイン批判でした。
 むしろ『フ議連に対しては抗議文を出しているので、その回答を待っている状態』であることを肯定していたように思えます。

 また、署名運動を主導していたひとりが『議員』という役職の人間であったこともあり、「政治的な駆け引きや根回しはこの某区議がやってくれるんだろうな」という楽観視がVtuber支持者側にはあったのかもしれません。
(実際、議員同士の繋がりで、2021年秋には松戸市議会議員宛てに書面での説明がされたり、2022年3月末に正副議長と面会をしています。)

 ですが、その12月の議会でこの動画削除の件が全く取り上げられなかったことを受けて、一部の有志の市民が勇気を出し、声を上げて陳情をしてくれていたのだと思います。
 有志の方、声を上げてくださってありがとうございます。

千葉県議会事務局に情報公開請求をしました①
緑愛那note記事より

<疑問点>
 疑問という疑問ではないのですが、署名支持派の人たちは、令和4年3月の請願書にはやたらと絡んで文句を言ったのに、この陳情書には『某区議のプランを無視して勝手なことをした』と文句を言わないのが疑問といえば疑問ですね。

 あと、今まで、署名支持派もVtuber支持派もフ議連支持派も、誰も陳情が出ているかどう知りたくなかったのでしょうか…?えっ本当に…?
 もしや知ったとしても『付託されなかった』もしくは『無かった』という報告をしなかっただけなのでしょうか…?


アニメ・ゲーム・漫画・女性を活用した地域振興・広告に対する「修正・取り下げ要求」について毅然とした対応・啓発を求める陳情

 こちらは、千葉県議会に郵送された陳情と同一のもののようなので、下記リンクも併せてご参照ください。

≪考察≫
 この陳情、恐らく全国の自治体に届いていると判断してよいと思っているので、ご自身がお住まいの自治体の議会を調べている方がもしいらっしゃったら、この陳情書が届いてどういう対応をされているかどうか、というのを調べてみると面白いかもしれません。


結論

 松戸市議会に対して出された動画削除に関わる陳情書は2件ありました。(2022年9月現在)
 いずれも表現規制反対派・反フ議連派からの陳情です。
 『松戸市のご当地Vtuber』と肩書を名乗るVtuberの『名誉回復』の後ろ盾は『松戸市』であれ…という願いもあるのかな、という気がしました。

 逆に、フ議連支持派からの陳情等はありませんでした。
 これはV動画削除とVtuberに対する認識の違いだと思われます。
 フ議連支持派の意見・問い合わせ等はむしろ千葉県庁や警察側の方に届いていたことからも、フ議連の想定する戦場は松戸市議会ではないのでしょう。

 個人的にも、現状では、『一人の松戸市議会議員が関与している』『松戸市の企業のトラブル』という事情があるだけで、わざわざ予算計上も公認もしていない松戸市議会に持ち込む案件では無いだろうなとは思っています。
 松戸市役所が、今後の広報や公式イベント等で、当該Vtuberを起用する事になったらまた話が変わってくるのだと思いますが…。

 みなさんはどう思われますでしょうか…。

 今後、松戸市議会周辺では、11月の市議会議員選挙に向けて、表現規制反対派やフ議連関係者の動きが活発化すると思うのですが、そちらのほうも注目していきたいと思います。

<疑問点>
 選挙に関連して、またVtuber関連のアジビラが出回るんでしょうか?
 (できればやめてほしいですね…マジで…)

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