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■埼玉県の撮影会の事件を埼玉県議会の議事録に記録した市民の挑戦の紹介

お疲れ様です。あいなです。

先日、埼玉県の水着撮影会の件で公園緑地協会のHPに検討会の提言と開催許可条件が公開されましたね。

それとは別に、埼玉県議会の議事録を検索していた時に、去年の12月定例会でちょっとした動きがあった事に気づきました。
今回は、それについての記事を書きましたので、よろしければご覧くださいませ。

〇12月定例会で報告された審査請求の却下

ネットで埼玉県議会内での水着撮影会についての発言が無いか調べていたところ、一件のPDFファイルが偶然ヒットしました。

それは、12月定例会の『付議予定議案件名表』というタイトルになっており、どうやら事務局側で議案タイトルや内容を要約し一覧にまとめて見やすくした目次のような非公開のドキュメントのようでした。

このドキュメントは、ほかの自治体の事例から類推して、おそらくですが、議会に参加している議員さんや、議会に直接傍聴しに行かれた方は確認できる資料なのではないでしょうか。

その13ページ目の部分に、『審査請求の却下に関する報告』という見出しがつけられていました。

初めて聞く書類名でしたので、一瞬何をしたものなのか理解が出来なかったのですが、その概要欄には確かに『しらこばと公園』や『水着撮影会』、『6月11日の行為許可申請の不許可処分』という文字があったのです。

〇審査請求とは?

簡単に、審査請求について分かったことを書きます。

審査請求とは、地方自治法で市民側に認められている権利のことで、
自治体やそれに関わる団体が行った行為に対して、市民の側が損害を被ったり、行為に不服があったときに申し出ることができるようです。

そして、その請求を受けるかどうかを判断するのは知事というきまりのようです。

本来ならば知事はその審査請求の内容を確認しなければならないのですが、組織の担当者に「これどういうこと?」という確認をしないままに、知事が直接この訴えを却下したいときは、議会にその旨を事後報告するルールになっているようです。

今回のこの『審査請求の却下の報告』が議会の議案一覧に掲載されたのは、そういうルールに則ったもののようでした。

(参照リンク:地方自治法)

〇審査請求についての公式記録

私の見つけた『件名表』のPDFは、埼玉県議会の議事録には掲載されていないものですので、まずは埼玉県議会の公式HPや議事録に掲載されているほうの記録を探してみようと思いました。

●12月定例会の議事録を確認した結果は以下になります。

参考リンク:令和5年12月定例会 審査請求の却下に関する報告(1)


文字が潰れて読みにくいのですが、以下に内容をわかる限り書き出してみます。

審査請求の却下に関する報告

次の通り公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求を却下したので、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の4第4項の規定により報告します。

1 審査請求人 埼玉県さいたま市居住
2 処分庁 公益財団法人埼玉県公園緑地協会
 代表理事 安藤 宏
3 審査請求年月日 令和5年8月31日
4 審査請求の趣旨 しらこばと公園において水着撮影会を開催予定であった主催者に対して、処分庁が令和5年6月11日付で行った行為許可申請に係る不許可処分の取消しを求める。
5 却下採決年月日 令和5年10月23日
6 却下した理由 審査請求人は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第2条に規定する行政庁の処分に不服がある者と認められず、同法第45条第1項の審査請求が不適法である場合に該当するため 

リンク先画像の文字起こし

●令和5年12月定例会議案一覧ではこのような表記になっています。

参考リンク:令和5年12月定例会付議議案件名

公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求を却下したことについて、地方自治法第244条の4第4項の規定に基づき議会に提出するもの

リンク先該当箇所引用

私が素人だからそう感じるのだと思うんですが、これだけ見せられても普通の人は何を報告されているのか分からないですよね…

〇審査請求の却下理由について

知事がこの審査請求の却下をした理由は、『処分に不服がある者と認められず』『不適法である場合に該当する』ためということです。

また、6月11日の許可申請取り消しに全体に関してというよりも、11日の許可申請取り消しが『その後取り消しされていない』ほうの17日と24、25日に開催されるはずだった水着撮影会のどちらか(もしくは両方)についての話なのかな、という印象です。

参照リンク:読売新聞オンライン記事

この読売新聞オンライン記事に記載されている『許可申請取り消しが撤回されていない理由』によると、『「過激な露出の水着やポーズ禁止」という許可条件に反する行為が、過去のイベントで認められた』とあります。

このことから考えると、審査請求人が処分を求めている撮影会に関しては、県側の中止要請が適法か適法でないかという以前の『お互いに決めたルールを守れていなかった』ということだと考えられるので、この部分に対して不服申し立てをして通すのは難しいでしょうね。

そして、審査請求人は処分に直接関係した人(主催者)ではなさそうなニュアンスのような気がしています。

もしかしたら請求人は、当日の出演料を貰えなかった出演者やチケットを購入した参加者なのかもしれません。
件名表に『水着撮影会への参加の機会を奪われたと主張する者』って書いてあるから余計そんな感じに見えるんですけど、実際はどうなんでしょうかね。

今回の請求は却下されてしまいましたが、個人的には埼玉県議会の議事録の中に保存されているということが既に社会的なアクションだなぁと思っております。
このように動いてくださってありがとうございます&お疲れ様です、というお気持ちです。

〇おわりに

この話についてSNSで検索してみたんですけど、話題にしている人がいなかったので記事にしてみました。

検討会の提言や新しい許可条件も気になるところですが、まずはその前までに起きていた一般市民の活動のひとつとしてこういうものがあったよというのも紹介したかったんですよね。

次回は検討会でどんなことが話し合われたのか、どういう話題が議題にのぼっていたのかというのを感想を交えて記事にしたいと思っています。

もしよろしければこのアカウントをフォローいただき、次回の記事を気長にお待ちくださいませ。

ではでは。

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