マガジンのカバー画像

ライフストーリー インタビュー

4
1時間、いちどきりのインタビューでのお話を、一人称(ひとり語り)の文章による「人生の物語」として全文公開しています。 主人公にもなれる、短編私小説集。 名前表記は本名(通称名)、…
運営しているクリエイター

#私小説

「すごくいい環境にいるんだ、って気づいて真剣になり始めたし、火がついた」-『ライフストーリー インタビュー』

「すごくいい環境にいるんだ、って気づいて真剣になり始めたし、火がついた」 貴内 ひかり(46) 確かに私の書いたものって自由ですよね。文章を書くというよりは、湧きあがってくるものをただバーッと…書くことで発散している、というのもある。文章として、みたいなことを言われるとだからすごい恥ずかしいし困っちゃうんだけど。粗削りのそのままだから、分かる人には分かるし分からない人にはなにこれ?ってなるのも仕方ないんだろうなあ、と思います。もし私のブログやSNSから自由や強さを感じても

「持って生まれて今まで抱えてきたからには、ぜったいに意味がある」-『ライフストーリー インタビュー』

「持って生まれて今まで抱えてきたからには、ぜったいに意味がある」 鈴平 諒子(50) 小さい頃はとにかく泣き虫だったんです。あなたは泣き虫ね、って幼稚園の先生からいつも言われていて。すぐ泣くところを直さないと、みたいなことを、小学校低学年くらいまでずーっと連絡ノートに書かれてました。なにをそんなに泣いていたのかは…シチュエーションや自分の感情は覚えてなくて、ただ泣き虫だってずっと書かれていたことは覚えている。だから泣いてたこと自体は自分でもあんまり覚えてないんですよね。普

「電話だよ、って苗字を言われていたけれど、誰?って」-『ライフストーリー インタビュー』

「電話だよ、って苗字を言われていたけれど、誰?って」 渡辺 サヤ (43) 私の旦那さんって基本的に、何かを決めるとき私にまったく相談しないんです。 結婚することになってすぐ、ここに決めた、って勝手に家を買おうとしたんですよ。急にそんなこと言われてびっくりですよね!お金もないのに。まあローンはちゃんと組めたんですけど。それで彼が勝手に決めたその家を買って、今も住んでいます。 旦那さんとは高校の同級生なのでもうすごく長いんです。同じクラスになったことはなくて、1年生のときは

「そのときに今の私ができあがったんです。ぐうたらで適当な私」-『ライフストーリー インタビュー』

「そのときに今の私ができあがったんです。ぐうたらで適当な私」 浅川 真紀 (51) 仕事を辞めてから1年3ヵ月、復帰も転職もせず働いていないけれど、生きていけてるんですよね。 以前なら「食べていけなくなる」と思って辞めるなんてこわくてできなかったし、実際に病気にならなければ今も働いていたと思う。でも病気になって辞めざるを得なくなって、辞められて。しかも生きていけてる。フタを開けたらできた、っていう話なんですが、やっぱり病気というきっかけがなければ開けられないフタだった。