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遊園地の記憶

思いっきり穴が空く 今日がもうすぐ終わる
時間よ止まれ 時間よ止まれ
二度と行けないあの場所 何回目を閉じれば
消えていくのだろう あなたのいる遊園地

イヤホンからaikoが歌う。
私は大人になってから、遊園地にちゃんと行ったことがない。

1度目は、大学4年の卒業旅行で高校時代の友人たち8人ほどで現地集合で、各地から集まった。3月で、前の週には人気アイドルグループがその遊園地でロケをしていて、天気も悪くなかった。
はずだったのだけれど、当日は朝から雪が降り、電車で山を越えて到着した頃には積もった雪を見ることと、食堂でご飯を食べながらようやく動き出したコーヒーカップやメリーゴーランドに乗ることしかできなかった。
せっかく絶叫マシンの集まる場所に来て、なんにも動いてないなんて逆に思い出だよね、そう笑った。

2度目は、リベンジすべく社会人1年目の初めてのゴールデンウィーク、当時付き合い始めた彼と一緒に行く初めての遠出だった。
彼はゴールデンウィーク前から、喉が痛いと言っていて、そのまま2,3日実家に帰っていた。連休で病院に行けなかったと言って戻ってきて、心配してレンタカーを借りたあと病院に行った。彼は、遊園地には行くと言って譲らなかった。
なんとか到着して高飛車という絶叫マシンに並んで乗った。けれど、動き出した瞬間、乗るんじゃなかったという顔をしていたし、私も私で結構怖くてあまり覚えていない。
降りてすぐトイレに直行してしばらく戻ってこなかった彼に抱きついて、とりあえず宿に帰るよ、と言った。
私は宿にいた白い犬と戯れて、夜は温泉に入るつもりだったけれど疲れて眠ってしまい、ただ富士山の見える自然を満喫して帰った。もう。笑

だから、この遊園地に私が行ったら、なにか良くないことが起きるのかもなって、勝手に考えてしまっている。3度目は無いよ、考えすぎだよ、と友人は笑うけど。

ちなみに、そのあと三重県の絶叫マシンに乗りに行ったときも2,3つは乗れたけれど、途中から土砂降りで運休、明るいうちに近くのアウトレットにびしょびしょのまま移動することになった。

どうでもいいけど、なんとなく覚えてることを、aikoの声で思い出した、っていう話。
写真は、宿の犬。彼は翌朝、犬に吠えられてびびってた。元気かな。


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