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砂の惑星


現在、地球上の陸地の3分の1が森林です。ところが、5000年前には、3分の2が森林であったと考えられています。つまり、5000年で、なんと半減してしまったのです。

世界の森林減少速度(森林・林業学習館)によると、2000年〜2010年の10年間で減少した世界の森林面積は年平均で約521万ヘクタールで、1時間に換算すると、東京ドーム127個分にもなるそうです。

現在の砂漠化の現状(未来を作るテクノロジー)によると、サハラ砂漠では毎年150万ヘクタールもの勢いで砂漠化が進んでおり、このまま進めばアフリカ大陸は砂漠大陸になってしまいます。また、中国では砂漠化が北京にまでおよんでいて、砂漠の砂が風で運ばれてきて、この大都市に砂を降らせています。

サハラ砂漠は大昔、緑に覆われていたという事実が調査により確認されています。しかし、長い年月の間に気候が変わり、雨が降らなくなり、乾燥によって砂漠化が進みました。

そして、人工が爆発的に増加した中国でも砂漠化が深刻化しています。数年前まで緑豊かな土地だったところが、突然砂漠化していく原因に、この人口増加が挙げられます。人が増えると野菜や肉といった食料を供給するための広大な農地や放牧地が、また住まいを建てるため大量の木材が必要になります。このように人口増加が原因で農地の拡大や森林伐採が行われ、砂漠化が進行しています。



毎年、わが国にも飛来する、黄砂の旅の出発地点である黄土に覆われた中国 黄河中流域も、7000年前は森林に覆われていたことが分かっています。

中国の歴史上、森林伐採のチャンピオンといえば、文句なしに秦の始皇帝です。壮大な宮殿建設や大運河などの公共事業に伴っての伐採は言うまでもありませんが、なんと言っても驚くべきは、陵墓の副葬品である 8000体にも及ぶ等身大の兵馬俑です。これを焼くための燃料となり、またこれらを納めた兵馬俑坑を覆った巨大な木造の天井に使用された木材は半端なものではなかったことでしょう。それが皇帝とはいえ、たった一人の人間のために浪費されてしまったのです。

人類の文明は、大量の資源、そして大量の木材と引換に、発展を遂げてきました。しかし、いつまでも続くものではありません。このままでは、この地球は砂の惑星となり、海面に近い多くの地表が海に沈むでしょう。

一人の人間が生きている間、使用してもいい紙や木材の量に基準を定められる日が、いつか来るかもしれません。



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