長崎訪問3船は良いね
長崎空港に着いた私は、予め航空会社に伝えていた通り、時津船着場まで行く船が出ている場所まで誘導してもらった。
そう、今回の旅は陸海空すべてを使っての移動なのだ。
事前に長崎県視覚障害者協会のN会長に連絡し、盲学校までのアクセス方法を聞いていた。
その時N会長から提案されたのが船での移動だったため、ロマンを感じた私は迷わずこのルートに決めたのだった。
地方での場合、視覚障害者の単独移動では時々、乗り物に乗る際に扱いが雑になったり、過剰なサービスを受けてしまうことがある。
今回の船での移動でもそういったことがあるかと覚悟していたのだが、良い意味で裏切られた。
スタッフの方々がとても慣れた感じで誘導してくれ、その所作も声掛けの仕方も私が恐縮しない絶妙な距離感だった。
考えてみれば、盲学校への移動なのだから、多くの生徒たちもこのルートを辿っていたりするのだろう。
その中で船のスタッフさんたちは視覚障害者への対応に慣れて行ったのに違いない。
こういった経緯を考えると、普段からのコミュニケーションの大切さ、つまり信頼関係を築くことの重要性を思い知らされる。
その後、波が穏やかだったこともあり、全く揺れを感じない快適な船旅ができた。
時津船着場には30分ほどで到着し、そこから車で5分足らずで長崎盲学校だった。
確かにこのルートは早い。
みんなこのルートを使うのも納得できる。
盲学校到着
盲学校に着いた私は、早速事務所に繋いでもらい、校長室へ向かった。
出迎えてくれたのは、S校長とI教頭だった。
囲碁体験会は、5限目が小学部生徒4名、6限目が中学部高等部生徒10名だと事前に連絡を受けていたので、念のため確認させてもらった。
確認は早く終わり、授業開始まで時間が余ったので、S校長と二人で色々お話しさせてもらった。
どうやらS校長は以前にこの盲学校の教員をされていたことがあり、好調になってまた戻って来たそうだ。
今ではその時の教え子が教員になっているらしく、先生冥利に尽きる喜びがあるようだった。
私もいつか囲碁を教えた仲間たちが碁会所を開いたり、囲碁教室を開いたりするとS校長の気持ちを実感できるのだろうか。
そんなことを考えていると、いよいよ教室への移動の呼び掛けが掛かったのだった。
次回、小学部生徒への囲碁体験会に続く。
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