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もしぴちゃんが占い師だったら

☆ぴちゃんとまえくん194話目☆


ぴ『はいどーもー! ぴちゃんです!』

ま『まえくんです』

ぴ『まえくん! ぴちゃん占い師になりたい!』

ま『どうしたんやいきなり』

ぴ『まえくんが無職になったから、ぴちゃんのヒモライフもここまでや! これからは、ぴちゃん1人でも生活出来るように、収入源を作らなあかん!』

ま『ヒモの自覚はあったのね』

ぴ『だから、ぴちゃんが占い師さんとしてやっていけるかどうか、まえくんはお客さんとしてお店に来て、占いが当たってるかどうか判断して欲しい!』

ま『備えあれば憂いなし』



ま『あ〜、仕事も見つからないし、体調も優れない。株価も上がらないし、女性とのご縁もない。人生ここまでかぁ〜。あれ? こんなところに占いの店があったのか、気分転換に入ってみよう』

ぴ『こんにちは。占いですか?』

ま『はい、おねがいします』

ぴ『では、ここにフルネームと生年月日、出身地と分かるなら生まれた時間の記入を』

ま『了解です。スラスラと』

ぴ『なるほど、なるほど。星と精霊は分かりました。あー、なるほどねー、そうだよねー』

ま『え、もう何か分かるんですか』

ぴ『そりゃあ、広末も不倫するわねー』

ま『いや! 僕の出生でそんな未来出てほしくないわ!』

ぴ『シェフもシェフだけど、ジュンもジュンよねー』

ま『占いしてます!? 僕いまオカンと茶の間にいるんですか? あと、なんか嫌だからジュンって呼ばないで!』

ぴ『コホン。もう少し、お兄さんのことを知りたいので、色々聞いていきますね。今の気持ちに「YES」か「NO」で正直にお答えください』

ま『分かりました』

ぴ『大人数より少人数の方が好きだ』

ま『まぁ、YES』

ぴ『好きなものは先に食べるタイプだ』

ま『うーん、どちらかといえばNO』

ぴ『宿題をよく忘れる』

ま『NO?』

ぴ『出ました! Dタイプのあなたは生徒会長タイプ! 周りに気を遣う優等生!』

ま『いや! 女子小学生が読む占い本か! 図書室で異常に借りられてるやつ!』

ぴ『担任との不倫に注意!』

ま『書いとるかぁ!』

ぴ『シェフとの不倫にも注意!』

ま『Dタイプなんか!? 広末はDタイプやったんか!?』

ぴ『コホン。では、こちらにある水晶を覗き込んでください。』

ま『はい』

ぴ『水晶の奥に、小さく赤色の丸い物体が見えますか?』

ま『えーっと。あっ! ぼんやりとですが見えます!』

ぴ『はい、両目視力1.2』

ま『眼科!? もしかして奥に見えるの気球でした!? あと、両目視力って何!?』

ぴ『コホン。次はタロットを使っていきます。よくシャッフルし、机の上に広げます。では、ここから3枚直感に従って引いてください。1枚目を左、2枚目を真ん中、3枚目を右で』

ま『はい、じゃあ、コレとコレとコレ』

ぴ『左が過去、真ん中が現在、右が未来。タロットは正位置と逆位置で意味が変わります』

ま『あー、ようやくそれっぽくなってきた』

ぴ『めくります! 過去が「スペードのエースで正位置」現在が「クラブの3で逆位置」未来が「ダイヤの8で逆位置」です!』

ま『トランプ!! これタロットカードじゃなくてトランプ!! 修学旅行でとりあえず持ってくでおなじみのトランプ!!』

ぴ『「ダイヤの8の逆位置」が示すのは〜』

ま『「ダイヤの8」に正位置も逆位置もないんよ! 何回転しても同じ絵柄!!』

ぴ『コホン。最後にお兄さん自身を見ていきます。まず、手相見ていきますね。机の真ん中に、両手の平を上にして広げてください』

ま『こうですか』

ぴ『はい、なるほどなるほど、手首少し触りますね〜』

ま『?』

ぴ『そうですね〜。人相学も見ます。お兄さん私の目を見て〜』

ま『はい』

ぴ『では、体から出るオーラを見ます。その場に立ってもらって、ゆっくり一回転してください』

ま『分かりました』

ぴ『はい、ありがとうございます。お座りください』

ま『ど、どうでしょうか?』

ぴ『そうですね〜、一般男性に比べてかなり痩せてるので、ちゃんと食事摂りましょうか』

ま『いーや! ただの診察! 脈測って、瞳孔見て、体型見ただけ!!』

ぴ『今日保険証お持ちですか?』

ま『疑念しか持ってねぇわ!』

ぴ『はい、ちょうどタイマーなったのでね、お時間です。延長しますか?』

ま『ちなみに、延長したら他にどんな占いで見てくれるんですかね?』

ぴ『えー、「くじ引き」や「あみだくじ」ですね』

ま『席替え希望してるんとちゃうんやぞ!』

ぴ『まぁ、お兄さん両目視力1.2だから前の席じゃなくていいもんね』

ま『それ先生が最初に聞くやつ! 視力悪い子への配慮! そんで、延長無しで!!』

ぴ『本日はありがとうございました〜』


ま『ちょっと! ぴちゃん! 全然占い出来てなかったやん!』

ぴ『やっぱ無理やったわ。だって、お客さん役がまえくんやったんやもん』

ま『どーゆーこと?』

ぴ『ぴちゃん、良い男しか見えんから』

ま『はぁ、どうか僕の未来が末広がりでありますように』


#3分間の暇つぶし #ぴちゃんとおはなし

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