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音楽との距離


僕は、スマホに音楽をいれてない。
もちろんAirPodsなどは持ってない。 
移動中は環境音で過ごしている。
常に曲を聴いてる状態でいたくないのだ。


大学生の時、誕生日プレゼントで、
SONYのウォークマンをもらった。

好きだったaikoの曲を入れた。
カラオケで歌うアニソンも入れた。
好きな曲を、好きな時に、
好きな場所で、聴くことが出来た。

しかしそれは、
どんな時、どんな場所でも、
世界を「好き」に変えてしまうモノだった。


素晴らしいモノに間違いない。

ただ、自分には合わなかった。

世界が自分の都合よく回るとは限らない。
好きな音楽が常に存在していては、
それを楽しむことが出来ないのだ。

不都合を楽しむ。
不便を楽しむ。
今の状況から環境を好転させようと、
自分で何かを生み出そうとしなくなるのだ。

好きな音楽を聴いて満足してしまったら、
世界がどうであろうが、
世界がどう変わろうが、
自分が悪い意味で変わらないままなのだ。

文章を書くのが好きな僕は、それに気づいてからウォークマンを持ち歩くのを辞めた。
自分の文章が書けなくなる方が嫌だった。
新しい表現を自分が生み出したいと思った。

だから、音楽を流し続ける環境を、
自分から切り離した。


そうしたら、
好きな曲がより好きになった。

歌詞の意味を考察したり、
メロディラインを深く聴くようになった。


何より、音楽を聴けることに喜びを感じた。


現代、音楽は僕たちと共存する。
だけど、この音楽をより深く楽しむには、
音楽と適切な距離をとることが、
僕たちにとって重要なのかもしれない。

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