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もしぴちゃんが新しい飲み物の開発をしたら

☆ぴちゃんとまえくん126話目☆

ぴ『はいどーもー! ぴちゃんです!』

ま『まえくんです』

ぴ『まえくん! いっぱい抹茶オレが届いたね!』

ま『これすごい好きなんだぁ〜。前飲んだ時ものすごい美味しくて感動してさ。再販かかってくれてめちゃくちゃ嬉しいよ』

ぴ『ぴちゃんもこんな美味しいもの作りたい! もし、商品開発部とかに就職した時のために、今からイメトレしてくで!』

ま『備えあれば憂いなし』



ま『うーん。社長から「世界がアッと驚く新しい飲み物を作れ」と言われて色々試しているけど、何を作っても今まで飲んだことのある味になるなぁ』

ぴ『失礼します! 今日から商品開発部に配属されましたぴちゃんです!』

ま『おー、キミがぴちゃんか、期待してるぞ。聞いていると思うが、今うちの部署は一大プロジェクトの真っ最中だ。時間もない、早速だが何か案を出してくれ』

ぴ『はい! いくつか試作してきましたので、まえくんに見ていただきたいです』

ま『素晴らしい、やる気満々じゃないか。どれ、まずこれはなんだ?飲んでみてもいいか?』

ぴ『はい! ご賞味ください!』

ま『どれどれ? ゴクゴク。うん、悪くはない。でもぴちゃん、これはなんだ?』

ぴ『豚汁です』

ま『美味いわけだ! ぴちゃん、それじゃダメなんだ。絶対売るわけにはいかないよ』

ぴ『まぁ、味噌の配合や具材部分はもっと研究するとして。目玉として隠し味にアレを使っております』

ま『ん? 何か変わり種でも入れていたか?』

ぴ『ハンバーガー』

ま『飲めるかぁ!』

ぴ『大丈夫です! 形はそのままだから! お馴染みの形だから!』

ま『お馴染みの形のハンバーガーが入ってちゃダメなんだよなぁ! 他は? 他の試作品ある?』

ぴ『じゃあ、これはどうでしょうか?』

ま『どれどれ? ゴクゴク。んー? これは不味いなぁ。ぴちゃん、これは何で作った飲み物なんだい?』

ぴ『イマイチですか? 運気は上がると思うんですけどねぇ?』

ま『運気?』

ぴ『富士山の湧き水に、鷹の爪とナスを混ぜたものです!』

ま『一富士! 二鷹! 三茄子!? よくチャレンジしたな! うっすい味なわけだ!』

ぴ『アレンジレシピとして、ご家庭ではこれに味噌と豚肉を入れると』

ま『豚汁だね! 何? 豚汁飲ませたいの? お袋の味目指してるの?』

ぴ『ダメですかぁ?』

ま『もっと子供から大人まで幅広く、手軽に持ち運べて、どんなシチュエーションでも飲める商品にしたいんだ』

ぴ『では、これとかどうですかね?』

ま『どれどれ? ゴクゴク。は!? なになに! これなに!?』

ぴ『白魚の踊り食い』

ま『真逆の発想! ピチピチしてる! 聞いてた? 俺の話聞いてた?』

ぴ『炎天下の水分補給として最適かと!』

ま『聞いてないね! そんな回答してくるってことはね! 俺の話3秒も聞いてないね!』

ぴ『お気に召しませんかぁ?』

ま『これを商品化できたら、味どーこーよりもその技術に感服だわ』

ぴ『続いてはこちらを! これは自信ありますよ〜!』

ま『どれどれ? ゴクゴク。おぉ、スッキリしてるね。これはアリかも』

ぴ『本当ですか!』

ま『レモンとオレンジと多少のミントか。他にも色々入ってそうだけど、あとは何が入ってる?』

ぴ『青龍の鱗と朱雀の羽と白虎の牙と玄武の心臓です!』

ま『んーいや! 入手方法!! 神獣勢揃いじゃねーか!』

ぴ『商品名は「麒麟」で』

ま『急にビール感が出たなぁ! いや、それよりも世界中のハンター雇っても商品化は無理やろ。どこで手に入れてきたその素材』

ぴ『え? ダイソーです』

ま『100円なの!? 玄武の心臓が100円なの!? ダイソーの仕入れ先にとんでもない業者おるぞ』

ぴ『良いでしょ? 自信作です!』

ま『黒魔術感が濃いので却下。他はある?』

ぴ『なかなか厳しいですねぇ。はいまえくん! これが最後の試作品です!』

ま『どれどれ? ゴクゴク。ブッフォー!!』

ぴ『ぴぎゃ〜! まえくん汚い!』

ま『ゲホゲホ! なんやこれ!?』

ぴ『そんな大袈裟な。ぴちゃんとまえくんの好きな物をミックスしたんやで。絶対イケると思ったんやけどなぁ』

ま『とてもじゃないが飲めん! 体が拒絶した! あと3ml飲んだら死ぬ気がした!』

ぴ『え〜ほんと? ゴクゴク。ブフォー!!』

ま『ほら! ぴちゃんもじゃん!』

ぴ『なんだこれ? どーしてこーなった?』

ま『ぴちゃん! 何から作ったん!?』

ぴ『え? サーモンと抹茶オレ』

ま『合うかぁ!!』

#3分間の暇つぶし  #ぴちゃんとおはなし  

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