いぬのおまわりさんは困らないでください
☆ぴちゃんとまえくん155話目☆
ぴ『テンテンテテーン♪ テンテンテテーン♪』
ま『お、久しぶりのお歌の時間』
ぴ『まいごのまいごの♪ こねこちゃん♪』
ま『「いぬのおまわりさん」か。童謡好きやなぁ』
ぴ『あなたのおうちはどこですか♪』
ま『親切なね、犬のお巡りさんが子猫ちゃんに聞いてますね』
ぴ『おうち〜をきいてもわからない♪ なまえ〜をきいてもわからない♪』
ま『答えてくれないんですね』
ぴ『にゃんにゃんにゃにゃ〜ん♪ にゃんにゃんにゃにゃ〜ん♪ なーいてばかりいる♪ こねこちゃん♪』
ま『子供は泣きじゃくりますからねぇ』
ぴ『いーぬーのーおまわりさん♪ こまってしまって♪ わんわんわわーん♪ わんわんわわーん♪』
ま『あ〜、お巡りさんもお手上げで泣いちゃいましたね〜』
ぴ『・・・・・』
ま『ん? どうしたのぴちゃん?』
ぴ『ぴぎゃあぁぁー!!』
ま『え! なになになに!?』
ぴ『あー! なんてストレスのたまる歌なんや!!』
ま『えー!!自分で歌っておきながらー!!』
ぴ『まえくん!こいつらどうにかしてくれ!』
ま『なになに。何が気に食わんの』
ぴ『まず「こねこちゃん」よ! お前、泣きやめ!』
ま『いやいや、それは土台無理な話で。よく見るやろ、スーパーとか行っても泣き止まないお子さん。お母さんがいても泣き止まないのに、ひとりぼっちの状況で泣き止むことなんてないでしょうに』
ぴ『拳銃突きつけて泣き止ませばいいやろ』
ま『どんな泣き止ませ方! 実力行使も甚だしいわ。余計泣くしそんなん』
ぴ『次に「いぬのおまわり」よ! 泣くな! お前も泣いてどうすんねん!』
ま『まぁ、泣いてるのか、困ってうなっているだけなのかは定かではないけど』
ぴ『これらを踏まえて、ぴちゃんが一人二役で、正しいお歌にしてあげます』
ま『ほう、何を言ってるのかよくわからないけど、一度聴いてみようか』
ぴ『では歌います。テンテンテテーン♪ テンテンテテーン♪』
ま『さて「いぬのおまわりさん(改)」がどうなるのか』
ぴ『まいごのまいごの♪ こねこちゃん♪ あなたのおうちはどこですか♪』
ぴ『はい、私のおうちは、3丁目のコンビニの裏にある赤い屋根の一軒家です』
ま『普通に話しだしたぞ』
ぴ『おうち〜をきいてもわからない♪』
ぴ『答えましたよね?』
ぴ『なまえ〜をきいてもわからない♪』
ぴ『名前ですか? 猫田猫子です。名前は聞かれなかったので答えなかっただけですよ?』
ま『おおっと〜。めんどくさい〜』
ぴ『にゃんにゃんにゃにゃーん♪ にゃんにゃんにゃにゃーん♪ なーいてばかりいる♪ こねこちゃん♪』
ぴ『泣いてばかりじゃないですよ。ちゃんと質問には答えましたよ』
ぴ『いーぬーのーおまわりさん♪ こまってしまって♪ わんわんわわーん♪ わんわんわわーん♪』
ぴ『どうしたんですか? 何で困るんですか? もしかして私、泣いてた方が都合が良かったですか? そもそもあなた本当に警察の方ですか? 警察の格好をして子供を誘拐しようとしている悪い大人じゃないんですか?』
ま『ハイ、ストーップ。引くわ。幼稚園でこれをクラスみんなで歌ってたら、確実に引くわ』
ぴ『あと、この歌さぁ、2番も大概やで。「このこのおうちはどこですか? からすにきいてもわからない すずめにきいてもわからない」やで。いや、鳥限定! 迷子猫なんやから、まずは他の猫なり犬なりに聞けよ。匂い的なヒントもあるやろうに。「あぁ、この子の匂いは川の向こうで嗅いたことありますよ」みたいな情報あるかもしれんやん』
ま『まぁ、鳥さんたちは上から見てるから、その分知ってることも多いやろうって考えやろ?』
ぴ『小さい子がこの歌詞を知識にさ、近所の人に「うちの猫ちゃん知らない?」って聞かれた時に、「カラスやスズメに聞きました?」って答えたらどうするんよ』
ま『それを言われて「いや、いぬのおまわりさんか!」ってツッコめる人はいないし、人間がいる世界はバランスが壊れるのでNG』
ぴ『この歌は何を言いたいのかわからないんだけど?』
ま『それは「泣いていたらお巡りさんでも解決できないので、もし迷子になった時は、悲しいのは我慢して、名前とお家の場所を伝えようね」ってことやろ』
ぴ『「お巡りさんは困っても泣くなよ」ってことじゃないんか』
ま『まぁ、「大人はしっかりしましょう」ってことも、もしかしたらあるかも知れんな』
ぴ『まえくん! しっかりして!』
ま『うわー、なんか昔よく言われた言葉だわぁ』
ぴ『どこの子猫ちゃんに言われたんだよ』
ま『わんわんわわーん』
#3分間の暇つぶし #ぴちゃんとおはなし
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