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ファイル 綴じ方で検索

年度末の業務も大詰めを迎えておりまして、約一か月かけて作ってきた年間レポートをいよいよ印刷をする段になってきました。レポートにまとめるという作業もさることながら、それらを印刷して、ファイルに綴じて、テプラでラベルを作って貼って納品するというこの一連の単純作業が思いのほか骨が折れる作業でして、他の業務との兼ね合いもあるのと、それなりの数の印刷物が出ますからプリンターを一時独占する形になるわけです。なので、この作業に集中して取り組めるのは、夜みんなが帰ってから、またメールも来ない時間帯になるのが例年の感じとなっているんです。

今年度も御多分に漏れず、大方日中にやらねばならない作業を終えて、この作業に取り掛かったのが19時を回ってからでした。今年度は結果的に相当膨大なデータになりまして、軽く会社のコピー用紙を1パック2パック使うくらいの、つまり500枚とか1,000枚とかそのくらいのボリューム感になったわけです。

例年は100均とかで買えるチャチなファイルで事足りていたんですが、今年はこれだけの大作ですからそれだと賄いきれない。そしてせっかくの大作だからしっかりしたものでパッケージングしたいと思うわけですよね。それから、おれは生粋のエンターテイナーとしてやらせてもらっていますから?いつも以上に膨大な書類を綺麗にファイリングして納品すれば、一年間相当量一緒に仕事をしてきた実感とともに、お客さんはきっと感動するに違いない!というサプライズ&ジョイの精神がムクムクと湧いてきまして、今年は初めて某通販サイトで少しお高めのキングジムの大きなファイルを購入して、それでファイリングに取り掛かることにしたのです。

19時過ぎ、バラバラと社員が帰り始めるころ、いよいよ印刷工程へと進みます。500枚から1,000枚の書類を一気にプリンターにかけて、仕上がりを待っている間、テプラでラベルを作って丁寧にファイルに貼り付けます。普段は100均の安いやつに、同じく100均で買ってきたラベルに簡単に表題を書いて貼り付けていただけなので、しっかりとしたファイルにテプラでラベリングをすると、なかなか気分が良いものです。仕上がったファイルは、なんだかひとつの作品のようにも思え、なんだかかわいくも思えてきます。きれいにラベルが貼れたな!としばし見惚れてしまうほどでした。

30分ほどでしょうか。ちょうどラベルを貼り終わるころに印刷が終わりました。そして一気呵成に穴あけパンチで書類の左端に穴をあけて、ファイリングの準備が整いました!

それで今回購入したファイルというのが、キングジムのいいやつ。両端にクシ状の止金具がついており、これを取り外してパンチで二カ所穴を開けた書類を綴じこんでいくというものでして、500枚、1,000枚規模の書類を一気に綴じこんでいったわけです。

今回初めてキングジムのファイルを使ったわけなんですが、さすが天下のキングジム、直感的な操作で、なんかボタンみたいなのを押すだけで簡単に金具を取り外すことができました。そしてクシに丁寧に穴あきの書類を通してゆきます。

書類も綴じ終わり、金具をファイルに戻して完了…のはずだったのですが、なかなか金具が戻らない。そういえば、金具が元々どのように止まっていたか確認をしないまま取り外してしまいました。外すときは直感的な操作でできたのですが、取り付けるときはそうはいきません。ファイルの構造を理解したうえでないと当然元に戻せるはずもありません。

しばらく格闘をするのですが、どう頑張ってもハマらない。ふとファイルの最終頁、雑誌とかでいうところの「表3」にあたる部分を見ますと、「止具の脱着方法」という説明書きがあります。これを見れば元通りにできる!と思って試してみたのですが、さすがキングジムというべきか、ファイルの両側の表紙はあくまで「ガワ」にすぎず、書類を綴じこむ止め具は、大元の留め具ごと表紙から取り外しができるタイプだったようです。この説明書きにあったのは、その大元の止め具の脱着方法だったというわけで、いまのおれの悩みとは関係のない部分だったということなんですが、これ文章で伝わるんですかね?下のURLのタイプのファイルです。最初から貼ればよかったですね。

金具に加えて大元の止具まで取り外してしまったおれ。当然、大元の金具の戻し方に対してもしばらく格闘をした末になんとか元に戻すことができたんですが、肝心の金具の部分が全然戻せません。この時点で時刻は21時。最後の社員も帰宅してしまったので誰かに聞くこともできず、さりとてわざわざこの時間にスラックで「ファイルの綴じ方が分かりません…」なんて聞くわけにもいきませんから、一人でなんとかしない局面となりました。

サラリーマンとして生きるということは、時に孤独と戦いながら仕事をこなさなくてはいけない場面があります。これまでのサラリーマン生活の中でも何度か訪れた孤独な戦いが、まさに今再び訪れているのであります!!

しかし、私も令和を生きるサラリーマンのはしくれ。分からないことがあればすぐにGoogleが教えてくれる時代です。「ファイル 綴じ方」で検索をします。この時代にこのワードで検索をする人などいるのかと思ったのですが、Googleは素晴らしいですね。すぐに上記のページにたどり着きました。

早速見ながら止めようとするのですが、おれは数学で2を取ったこともあるくらいには空間認知能力が低い人間なので、当然いまいち理解ができないわけです。それでもファイルの綴じ方が分からないのはさすがにゆとりすぎる。いや、この世間知らずは、もはやゆとりという言葉では片付けられません。オフィスにガチャガチャと金具がこすれる音だけが虚しく響く中、段々知恵の輪をやっているような気分になってきました。

知恵の輪が苦手な人はおそらく一度は感じたことがあると思いますが、「もしかしておれは一生このままこの問題が解決できないのではないだろうか?」などの不安がよぎってきました。さらに、ふと故郷の情景や家族、大切な友人の姿が瞼の裏に浮かんできます。もう走馬灯が見えちゃってんじゃん。おしまいのやつじゃん、と感じ始めたころ、ふと思い出します。

「そういえばおれはファイル2冊買っていた気がする・・」

そうです。万一の時のためにおれは予備のファイルも購入していたのです。もちろんこれは手つかずですから、金具が取り付けられたようすを見ることができます。早速予備のファイルを倉庫から引っ張り出してきてどのように金具が止まっているのかを確認します。

構造を理解して、まずは片側をしっかりと止めてから、もう片方を固定すればうまくいくような気がしてきました。また、最初から片側を取り外すだけで十分書類を綴じこむことができたのだと同時に理解をするわけですが、そんなこたあ構っていられません。一刻も早く金具を止めて帰りたい一心でなんとか元通りにすることができました。時計を見ると22時を回っていました。

約2時間にも及ぶ格闘の末、綺麗に綴じこんだ紙は2,3枚傷んでしまいました。さすがにこれで納品するわけにもいかず、改めて印刷をして綴じこむわけなんですが、今度は片側だけ取り外して、効率的に書類を綴じこむことができました。これが学習ですよみなさん!

それで戸締りして帰ろうと思ったんですが、この格闘のこと、おれが感じた不安と興奮とをいち早く誰かに共有したい!という気持ちになりました。当然会社には誰もおりませんですから、こうしてnoteに綴っているわけですよね。時刻は23時を回っています。たぶん明日は会社に遅れて出社をいたします。そんな感じです。

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