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訓示

実家にかえったら、家中に、炭で書いた言葉が溢れ、隙間なく、貼ってあった。

母の認知を保つ為、生きるために必要なことなのだろう。

体の根っこに、どうにもならない痛みを抱え、なんとか生きている母の、帰るたび、老いて、小さく細くなってゆく体をみていると、切なくなるより、もっとちゃんと生きて、たびたび帰り、たくさん話そうと思う。

親不孝な私だが、母の懸命に生きる姿はとおとく、学びがある。

母の奮闘がわたしの生きるかつげんになっている。

誰でも老いる。

わたしもだ。

老いて、なお、花を咲かせ続けたい。

母の生き様は私の教訓。

やがて、わたしも、母のように、部屋中を文字でいっぱいにするのかも知れない。

じゅね。

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