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命の期限。

ははの体には命の期限がついている。

歩けず、痛みは常にあり、方には大きな腫瘍があり、ぶよぶよにはれている。

食欲はなく、やっと生きているという感じだ。

だが、1日三回、懸命に大量の薬を飲む姿をみていると
命への渇望がみえてとれ、わが母ながらあっぱれ!と、思う。

いきるは痛みを伴い辛いものだ。
修行のように耐え立ち向かう母に強さを学んだ。

我が家はみな揃って体が弱い。

妹たちも、それぞれ腫瘍を体内に宿し、金属で繋がっている奇形の体で仕事をしている。

あちらこちらを痛めながら生きている。

決してとれない痛みや不具合と戦いながら働き生きている。

私は自分が生っちょろい中途半端な生き物に思えてきた。

こんなにも苦しい状況で生きることにしがみついている血族のなかで、わたしが一番健康で恵まれていて、好きな仕事ができている。

凍える大地で戦うようにして生きている家族をみていて、自分、もっと、ちゃんとしろ!しっかり生きろ!と、活をいれるきもちになった。

指が曲がり奇形になってゆく手で力を必要とする仕事についている妹たちをみて、わたしはあまちゃんだな!と、反省した


もっと、しっかり生きねば!働かねば!

わたしは恥ずかしい。

母と妹たちに申し訳がたたない生き方をしてはならない!

明日から気合いを入れ直し、立ち向かうべきと。

わたし自身に。

北の鋭く冷たい風に晒されて、背筋が伸びたような気がした。

生半可な私でも、本気で戦えるきもちになった。

北の寒さは生半可を許さない。

気を抜けば死が目の前に迫るから。

腹を括って挑まねばマイナスの世界では生き延びられないのだ。

わたしがいま生きていられるのは、この家族があったから。

感謝してやまない愛しい母と妹たちがいてくれたから。

明日も頑張ろうと決意出来たのだ。

じゅね。

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