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私のセンス遍歴〜センスの勉強、とても楽しいです

私はセンスがありません。

これは育った環境が大きいと思います。
父も母もおしゃれとかインテリアとかに興味がなく、洋服はおしゃれになるものより安いもの。インテリアはおしゃれどころか片付けがままならない。
これじゃあ、良いセンスは身につきません。

だけど、子どもの時にセンスについて一度だけ嬉しかった記憶があります。

小学6年生の時に家庭科の授業で、毎日自分で着る服は自分で決めているかという質問があり、当然のように私は自分で決めていると答えました

そうしたら「やっぱりおしゃれな人は自分で服を決めているんだ」みたいなことを言われて嬉しかったのです。

私の小学校は私服登校だったので、おしゃれな子はどんな服を着ているかよく観察していました。

そしてこだわりを持って明日の気分はコレ!と服を組み合わせて選んでいました。

だけど、中学に入り制服になったら、自分はいったい何を着ればいいのかわからなくなってしまった。

私は決して自分に確固たるセンスがあるわけでも、自分に似合う服がわかるわけでもなく、マーケティングおしゃれだったのです。

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昔、S cawaiiという雑誌で、センスの塊だった植田みずきさん(あの頃のSLYは凄かったよね)が、

好きな映画を聞かれて「踊る大捜査線」と答える人はセクシーじゃない、もっと色んな映画を観ないと…的なことを言われていたのを今でも覚えています。もう10年以上前のことだと思います。(昔の雑誌のことで手元になく、ちゃんと引用できないのが残念)

それが根本な気がしています。

それからファッションの専門学校に行くものの、自分がファッションで表現したいものもなく、なんと空っぽな人間なのかと気づきました。
先生達にはともかく「感性を磨きなさい」と何度も言われました。

その感性を磨いた後に答える好きな映画はきっとセンスがあるのでしょう。

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その後、私は感性を磨くために美術館、観劇、映画など様々な芸術作品になるべく触れるようにしてきました。
流行りものもそれなりには見てきたつもりです。

でも私を1番鍛えてくれたのは読書だと思います。

去年読んで1番面白かったのは柚木麻子さんの『その手をにぎりたい』。
これが今の私の感性のレベルなんだと思う。
でもこの小説は高級寿司店が舞台なのだけど、性的な描写はあまりないのにとても艶っぽくてバブルの頃を描いているのに静謐な雰囲気を漂わせるとても素敵な作品です。
何より、私はお寿司が大好きなのだけど、冷やす食べ物だからか、お寿司を食べた後は何だか淋しくなる。その無意識も気づかせてくれた小説。

ついでに言うと一昨年の1番面白かった本は川上未映子さんの『すべて真夜中の恋人たち』。

はあちゅうさんの『通りすがりのあなた』も好き。

3冊とも読んだことがある人なら、あぁ、そういう系か、と思うかもしれませんね。
うん、私、そういう系なんです。ってこういう風に自分の感性に気づけたことでちょっと、自分にちょっと一本筋が通った気がする。

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ただ、感性を磨こう、センスを磨こうとして色々見ているうちに、何を自分にどう取り入れればいいのかがわからなくなってしまった部分もある。何を選択すればいいのかわからなかった。

センス迷子でした。

そんな時、ひとつの基準になる言葉を見つけた。
松浦弥太郎さんの『センス入門』に書いてあった

『「あっ、センスがいいな」と思うことは、清潔に保たれていることだったり、きちんとしていることだったりすることが多いのです。』

という文章が今の私の選択基準となっています。

(この『センス入門』はタイトル通りの本でセンスが良くなりたい人にとっては全編が金言です)

この「清潔」というキーワードを得てから服選びも物選びもだいぶ楽になりました。

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こういう風にセンスって学べるものだと私は思っています。
センスの勉強、とても楽しいです。

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