渇いた『共感力』〜凪のお暇を今更観て震えたお話
25,600円の昨日今日明日。変わりゆくわたし。
関東は長い梅雨。
海が好きなのに、海が似合わない風貌なのが悔しい今日この頃。
この記事を書くのに10日。
至極充実。
先月、長いリモートワークラストスパートしていたときに凪のお暇を観ていた。
とても今更。
凪のお暇
仕事、恋愛、いろいろ疲れてリセット=お暇する28歳OLとこじらせた元カレとメンヘラ製造機の愛すべき隣人、ワケありの住人たちのお話。
めんどくさいことを押しつけられたり、
手作りの節約弁当を持参しているのに、派手で要領のいい同僚にランチに誘われたら断れない、局アナ風なお洋服に身を包む気弱なOLの凪。
恋人が好きだと言ってくれるサラサラのストレートヘアは、涙ぐましいストパーとストレートアイロンの賜物。
正直、恋愛模様よりも、黒木花さん演じる凪の思考が刺さった。
凪メンタル
極端に嫌われることを恐れて、空気を読んでしまう。
違和感を感じながら空気を読む。
全てを捨てて癖毛全開のまま、自分の思ったように生きようとしても、新しい恋人に流されて、
また違和感を感じながら空気を読む。
本当は嫌なのにヘラヘラ『いいよ』って言う。
そして後悔する。
たぶん、そんな凪を見ていてイライラしてしまうひともいると思う。
そういうひとは、たぶん、自分にとても自信があるんだと思う。
わたしは、すこし前まで凪寄りだった。
嫌われたくなくて、空気を読んで、
あ、これは自分でやった方がいいなとか、言わない方がいいなとか、断らない方がいいなとか。
やっぱり違和感を感じながら。
渇いた『わかるー』
1話、局アナ風な凪が同僚とごはんを食べに行き、なにも共感しないことに『わかる〜』と弱々しく同調するシーンは、それこそ共感だった。
そこからのゆるやかなマウンティング。
女王タイプによるゆるやかなマウンティング。
生物の本能と言われるマウンティング。
男性と女性でマウンティングの種類や目的も違う。
女性のマウンティングってとかく複雑で。
自分自身によるものより、自分が誰かから与えられたものや外見に関して誇示する傾向がある。
とってもゆるやかに。
その中で、なんにも共感できないことに共感したフリをしなきゃいけないことがままある。
空気を読まなきゃいけない呪縛にかかったひとには避けて通れない。
よく言えば対人スキルが高い。
対人スキルだけは。うわべの対人スキルだけはね。
対人スキルと腹黒メンタル
自己犠牲の上に成り立つ対人スキル高い人種代表として、断言できるのは、このタイプの人種は総じて腹黒さを兼ね備えて生きている。
『言わせておけばいいか』『我慢しておけば波風立たないよね』という打算と、『わーわーよう言うわ』という小さな蔑みは日常茶飯事。
凪も後半でそんなことを告白する。
嫌われたくないけど、どこか自分から人間関係に一線をひいてしまう。
ひとりは嫌だし、まわりから『あの人ひとりなんだ』って思われたくないから、何かしらの派閥、組織に入っておこうとする。誰かといようとする。
恋人にたいしても、自分の気持ちを押し殺し、わがままなんて言ったことなかった。
向こうがラーメンと言えば、自分がうどんの口になっていても譲った。
どれだけあごだしが枯渇していてもとんこつを受け入れた。
ひとりになりたくなくて。
本当はひとりランチが気楽で好きだし、ひとり旅が一番好きだし、ひとりであてなき散歩をするのが至福だというのにも関わらず。
この思考はなにかのきっかけがないとなかなか変われない。
きっかけを、空気を読んで逃しちゃうんだから。一流になると。
自己嫌悪と覚醒
わたしは一流だった。八方美人ではなく八方超美人だった。
でも、あるとき、わたしにきっかけがやってきた。
資産家に嫁ぐことになった友人からの強烈なマウンティング。
これがまたヘヴィー級で。
2年に1度会う程度の仲の彼女のことば。
『わたしは○○(わたしの名前)と違うから貧乏しても笑ったり不幸っぽいのも耐えられないからさ』
え?貧乏?(確かに巨万の富はないけどさ)
え?不幸?(確かに佐藤健におはようって言われてバックハグされる人生ではないけどさ)
びっくりした。
そんなこと言うひといるんだ!と。
生まれて初めて、反論をした。
彼女の目じゃなくて、チラチラ光るハリーウィストンを見ながら反論した。
『わたし、別に不幸だと思ってないんだけど!』
そう口にしたとき、いろんなことがプツンとはじけた。
言いたいことをマシンガンのように吐き出して、わかった。
押し殺した感情って、どんな抗生物質も効かない3日目のニキビみたいに醜かった。
全身を自分の膿で覆いつくしてしまう。
でも、すべて言い放ち、その人間関係をリセットしたとき、憑き物がとれた気がした。
わたしのお暇だ。
いまは、むしろ彼女に感謝している。
ひとから見た自分なんて、どうでもいいやって思ったらラクになった。
自分がどうありたいかすらウソついて生きていくバカバカしさに気付いた。
同時にそう生きることは、自分を大切に思ってくれるひとたちに対して、ものすごく失礼なことだとも気付いた。
当時35歳。人生最大の自己嫌悪だった。
38歳目前。
八方超美人が、八方美人か八方ちょっと美人になった今、
とても生きやすい。
八方ちょっと美人くらいは、ひとに喜んでもらえる。
なんやかんやひとの喜ぶ顔はわたしには糧。
ひとに気を遣いすぎてしまうのはひとに気を遣わせてしまう。
ひとに頼れずにいたら、ひとも自分を頼れなくなる。
うまく生きて行こう。
GO TO キャンペーンの詳細がよくわからない今日この頃。
1月終わり、往復グリーン車でなかなかいいホテルのコミコミパックで京都に行った。
なんと25,600円。
破格。
あのときは日本がこんなことになるとは思わなかった。
落ち着いたらまた京都に行きたい。
どんなことがあれど、古都京都はブレない。
そこが美しい。
ブレないから四季の移り変わりが絵になる。
くるりを聴きながら京都を歩き、バスを待ちたい。
子供と美味しいお肉を食べる貯金にさせていただきますっ!!