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『むき出し』 兼近大樹著

※ネタバレに当たる要素が含まれますので
ご覧になられる方はご注意ください


何を書いても稚拙な文章、感想になってしまいそうですし
何から書こうか迷うほどですが

まずは石山少年、いや、大人になった彼ごと
ぎゅっと抱きしめてあげたくなりました
優しすぎて、不器用で
そんな彼や世界中みんなが幸せな世界になればいいのにと。


小さい頃から傍にある自然や
優しいものにたくさん触れてきて
自然はどんな環境にいても
万物に平等に思いを馳せる権利をくれる。

自然にそんなことを感じていたのかなと思います
だからこそ、いつだって根底にあるのは彼なりの優しさ

正義のために拳が動くことは
ジジから受けていたことが原体験となって
石山くんを創り上げていったのだろうと思います


私はどちらかといえば私は委員長、学級代表をしていたような子どもで、ちゃんとしてよ!と怒っていたほう。
怒られて尚先生にも盾突く子の気持ちがわからず苦手だと思って
それこそ私の正義なりにそんな子に言葉で向かっていっていたほう。

その時にその子達なりの"悪いことをした人"と捉えるものを知れていたら何か当時の私でも違った感情を抱いていたのかな?
少なくとも、この作品に出会えた今なら
もっと寄り添えていた気がします。

石山くんの正義が自分の為を軸にしたものから
他者のためを軸にしたものにどんどん変わっていく様子に
人から頼られることが、求められることが、感謝されることが、行動の決定により色濃く重要なことになっていたのを感じ、
だからこそ、身近な誰かを救う方法がわからず
願うことしか出来なかったシーンでは共に憤りを感じました。

道徳で習うような優しさや正義だけが正解だと思っていた私は
むき出しを通じて1人1人、十人十色
それぞれのバックボーンでの優しさがあり
それぞれの正しさがある中で無我夢中に生き
それぞれの今があるのだと強く感じました。

そして自分が見ているつもりだった世界なんて
本当にちっぽけで、正解を選んでいるふりをした優等生を演じていただけで、相手の気持ちを考えていられなかった選択も多かったのだろうなと思います。

今まで別の媒体で近しい言葉を拝見や拝聴し
素敵な考えをされる方だなと感じていた


P234
適当って言葉の本当の意味は、目的や要求にピッタリと合っている、相応しいということ。これからは、適当に楽しく生きよう

P239-P240
人を羨むな。今を恨むな。自分にあるモノを数えろ。過去なくして今の俺にはなり得なかったと、自分を受け入れろ。

これらの言葉も
より深く自分の中におちていく気がしました。

この『むき出し』
というフィクションともノンフィクションともとれる著書で
知らなかった世界と、その世界でのリアルを知れ
大切に寄り添いたくなったことが一番の収穫です。


稚拙で伝えたいことをうまく言葉にできずもどかしいですが
ファンのみならず
子供たち、学生さんたち、子育てに悩む親御さん、
社会に出て悩む人達、今を良しとしている人たち
本当にたくさんの人の手にこの著書が触れられればと思いました。


改めて、辛かったこともあったかと思いますが
過去を振り返り向き合い、ご自身の言葉での小説をありがとうございます。
芸人さんでいてくれてありがとうございます。
応援させてくださってありがとうございます。 

これからも大好きで大切な方です


こんな長々とした文章を
最後までご覧くださった方もありがとうございました

ぜひみなさんと感じたことお話したいです



〜ふとした疑問〜

6年生から
おれ→俺
に表現が変わっているけれど
大きくここから何か心情の変化があったのかな?

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