僕がグラウンドフォールした時に行った「セルフトリアージ(緊急度自己判断)」について
こんにちは。たごさくです。
今回はクライミングをしていれば誰しもが起こす可能性があるグランドフォールについてお話しようと思います。
そして僕は過去にグラウンドフォールをしました。その時の事も書いております。
自己紹介
僕は趣味でクライミングをしています。
そして普段はとある総合病院の救急外来で看護師をしています。
通常、救急車で搬送されてくる方や歩いて受診される方を診ます。
その勤務の中で常に患者さんの様態や検査の必要性など優先順位を考えて行動するのが仕事です。
歩いてこられる患者さんには「トリアージ」をして診察や治療の優先順位を考えます。それは患者さんや家族から聞いたり見たり感じたりして様々な事を判断をしています。
言語の統一
まずは言語の意味を統一してみます。
「グラウンドフォールしてセルフトリアージした」ということは簡単に意味を言い換えると「クライミングして落ちて地上に叩きつけられた。けど、そこから自分で緊急度がないか判断をした」と言う事になります。
「そんなもん地上に落ちても歩けてたり、怪我してるように見えないんだから大丈夫だろ。」って思いがちですが、僕がグランドフォールした時は「マジで死ぬ」と思いました。
結果を言えば何事もなかったのですが、普通に重症な怪我、死んでもおかしくなかったです。
トリアージとは
トリアージとは災害現場で行われる一次トリアージ(START法)、二次トリアージ(PAT法)と災害とは別に何らかで怪我した時や体調が悪くなって救急外来を受診時に行われる院内でのトリアージがあります。かなりざっくりな説明になるので「ふ〜〜ん」程度に思ってください。
一次トリアージ(START法)とは
START法はよく医療系のドラマや映画にも出てきて一般的にイメージしやすいかと思います。「災害現場などでこの人は緊急なのかどうなのか」をすぐに判断しトリアージタグを体に装着してきます。
このような表を使用しておおよそ30秒で判断するのがSTART法です。
START法によって判断された緊急度によってタグを手や足につけて他の人が一眼で見てもわかるようにします。
二次トリアージ(PAT法)とは
二次トリアージとはSTART法でいわばざっくり評価された中に重症は隠れていないか。また重症に評価されるぎていないかを再度トリアージしていきます。
例えば、「どこも怪我はないけど歩けない。でも物事にびっくりしちゃって過換気(呼吸数30回以上)になっちゃってる。」って言う場合でも「赤(緊急)」の評価になってしまいます。
※過換気だから!と決めつけずに他に何か重症な物は隠れていないか観察する必要はありますが・・・
また、「手はもげてるけど、歩いける」みたいな場合でもSTART法だけでは「緑(待機)」になってしまうんです。
そんな事が起こらないようにするのがPAT法で僕が今回自分に行ったトリアージもPAT法に近いものだと思ってください。
PAT法とは「Physiological and Anatomical Triage」の略で
要は「生物学的、解剖学的に評価する」と言う事です。
生物学的とは簡単に言うと「バイタルサインに異常はないか」です。
解剖学的とは「骨は折れていないか、麻痺はないか」などを見てきます。
これらを基本的に「頭から初めて足先まで見る」のがPAT法です。
院内トリアージ
基本的には救急外来に受診する全ての方々にトリアージを行います。
問診を行い緊急度・重症度を判断し優先順位をつけ、診察・治療へと進めて行きます。
普段、救急外来では・・・
「頭が痛い」では脳内出血を起こしてないかな?
「胸が痛い」では心筋梗塞を起こしてないかな?
みたいにやばそうで急いで治療を始めたい病気を考えていきます。
そのため救急外来で「私の方が先に来たのに、なんであの人が先に診察呼ばれるの〜」みたいなのはこう言う事なのかもしれません。
※一概に全部がそうとは言えませんが。
どんな状況のグラウンドフォールだったのか
まだクライミングを初めて1年ちょっとの頃。
経験も知識も技術もないのに、いわば「イケイケ(?)」な時でした。
今思うと高望みしていたルートだったのかもれないし、準備不足だったのかもしれない。
甲信越のとある山の中にある岩場でマルチピッチクライミングをしていました。
数ピッチ終えてそのルートの核心ピッチを僕がリードする事になりました。
6mほど上がり、すでにプロテクションは2つほど取っていましたが、そこで何らかのミスによるフォール。
岩のテラスになっていた所に背中から叩きつけられました。
つまり仰向けの状態になりました。
そして仰向けに倒れた自分に行ったのが「セルフトリアージ(緊急度自己判断)」
つまり「俺は今やばいのか、やばくないのか」を判断しないといけなくなりました。
幸いなのか、ザックを背負っていてそのザックがクッションになってくれたのか大事(右肘1針だけ縫った)には至らず(痛みで悶絶しながら)下山する事ができました。
ただ衝撃は大きかったようで、叩きつけられた時めちゃくちゃ大きい音がしていたと聞きました。
俺は今やばいのか、やばくないのか。
6m落ちて岩に叩きつけられていて身体に相当なダメージを負っているんだから医療機関受診するのは当たり前。
山や岩場で「やばいのか、やばくないのか」は
自力で下山できるかどうか・・・よりも
「ヘリや救助を呼んで早く医療機関に見てもらった方が良いのかどうなのか」ではないかと個人的には思います。
自分に起きていたら嫌だった「最悪なケースの怪我」を想定
そこで仰向けに倒れている自分に起きていたら嫌だった最悪なケースを考えていきます。
脊髄損傷
腕や足の開放骨折
骨盤の骨折
肺が破れていないか
体内で臓器が破裂して出血していないか
が今回実際にパッと想定された最悪な怪我です。
上記のこれらがあったら「やばいな=ヘリ(救助)呼ぼう」でした。
中でも1番起こしていたら嫌だったのが脊髄損傷です。
脊髄損傷では体が自分の意思で動かす事が出来なくなってしまったり、最悪の場合、自分で呼吸することも出来なくなってしまう怪我です。
どうやってセルフトリアージしたのか
そもそも「セルフトリアージ」なんて言葉があるのか微妙なところではありますが・・・
先ほど箇条書きで挙げていた怪我をどうやって確認していったのか説明していきたいと思います。
ここから先は有料とさせていただきます。
上記に挙げていた項目の詳細の内容を記載していきます。
ここまでだけでも読んでいただいて大変ありがとうございます。
これ以降はチップ程度や「よく生きてたな〜!良かったな!」程度に思って購入していただけると幸いです。笑
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