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オーダー試作品 ラウンドファスナーペンケース

こんにちは。
Aiboh leatherworksです。

先日のイベントでお会いしたお客様からペンケースのオーダーをいただきました。
大まかに言うとラウンドファスナータイプのペンケースなのですが、お話を聞いていくうちになかなかなこだわりをお持ちなことがわかってきます。

お客様がイメージに近いものとして見せていただいたのがこちらの写真↑

まず、内部構造が2階建てであり、それぞれ15mmの高さを確保。
1階部分はペン同士が干渉しないような仕切りをつけ、そして2階部分はペンの太さにあわせてサイズを変えられるペンホルダーを装着。
天井部分には定規を収納できるように。

ざっくりこんな感じなのですが、ここまででかなりの強敵であろうことがビンビン伝わってきますw

まずは試作品を作り、それをじっくり見ていただくということで本日の打ち合わせを終えました。

ということで、まずはラウンドファスナー財布なんかで定番の、木型をつくってみることにしました。
床革で作ったので木型じゃなくて革型なんですけどねw
マヤベリーの床革を13枚貼り合わせてあるんですが、強度的には十分だしアール部分の加工は少しずつなら革包丁で削っていけます。

それではテキソンをベースにとりあえずファスナーを貼っていこうと思います。
一番悩んだのは内部15mm+15mmの高さ確保という部分。
30mmあればいいんじゃないの?じゃないんですよ。
この時点で、底の厚み+仕切りの厚み+天井の厚みまで考えとかないといけないんです。
しかし、実際は計算通りにならないというのも事実。
「とりあえずこんなもんでやってみるか」の精神でいかないと何も進められなくなっちゃうんですよね。

そんなとりあえず精神で進めてここまで来ました。
底の部分はスエードは使わず、その他の内装は基本スエードで制作していきます。

今回最大の難関はこちら。
厚めに作った上下の仕切りに1mmくらいの切込みを入れて、0.5mmくらいに漉いた革を波縫いのように通してあります。一番右にある端の革で引っ張って調整するようなイメージですね。
強度的に少し心配な部分があるんですが、今回のオーダーの肝になる部分なのかなと思いましたのでなんとか形にしようと頑張ってみました。

そんなこんなでどうにか完成した試作品がこちら。

ファスナーを開くとこんな感じ。
天井には定規入れ。
1階と2階の仕切りがあって、更に上部の蓋は180度しっかり開くように。

1階部分は仕切りが立ち上がっていて、これで2階部分を支えるようになってます。
実を言うと2階部分は15mmの高さを確保できなかったんですが、そこは試作品ということで正規品ではしっかり修正していきますのでご心配なく。

試作品としてこれはご依頼主さまにお送りします。
果たしてどんな回答をいただけるんでしょうか。
修正や変更などあれば遠慮なくどんどん言っていただきたいと思います。
正規品はダークブラウンの革でお作りする予定ですので、後日機会があればご報告したいと思います。

それではまた。

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