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太陽×月=本当の自分


この話の続きです。

2024年4月1日月曜日

さくら、いつもの時間にお店に到着。
店内探し回ったけれど、マダムがいない。

後ろから当然現れたのは、昨日の津軽三味線のひろひろ。
「マダムは昨日で引退したわ。
今日からはわたしがマダムの後を引き継ぐことになったの」

さくら
「ということは、もうマダムに会えないのですか?」

ひろひろ
「そうよ。きっとさくらちゃんとお別れするのが悲しくて何も言わなかったのね」

さくらは、悲しくなった。
「マダムに教えてもらいたいこといっぱいあったのに…」

ひろひろ
「マダムの代わりに、わたしが知っていることなら、全部さくらちゃんに伝授するわ」

さくら
「ひろひろ、ありがとうございます!」


11:59
開店1分前に入口の扉が開いた。
さくらの目は大きく見開いた。

「ひろひろ、ありがとう。
さくらちゃん、お疲れ様」
マダムがにっこりと微笑んで立っていた。

さくら
「えっ!?マダムが帰ってきた?
私にお別れを言いにきたのですか?」

マダムは苦笑いしながら
「さくらちゃん、ひろひろのエイプリルフールの嘘、信じちゃったのね」

ひろひろ
「さくらちゃん、ごめんなさい。
今日はマダムのお嬢さんが午前中5つ星ホテルで入社式だったの。
マダムがこの用事だけは出席したいから、替わりにお店に出てくれない?と頼まれたの」

さくらはホッとした顔で
「もう、嘘で良かったです」

マダム
「ひろひろは2年前、さくらちゃんと同じように開花カフェを手伝ってくれた仲間なの」

さくら 
「豊穣の女神の生まれ変わりが私の先輩って、素敵です!」

マダム
「さくらちゃん、お店はひろひろに任せて、裏の部屋で講義をしましょう。
ひろひろ、忙しくなったら呼んでね」


マダムとさくらは、別の部屋に移動した。

そこは外国の図書館みたいな部屋だった。
本棚には洋書がぎっしり詰まっていた。


マダム
今日のテーマは、月星座で素(ナチュラル)の自分を知ろう

さくら
「月星座?
私は星座占いはおひつじ座だと思います」

マダム
「おひつじ座はさくらちゃんの太陽星座ね。
生まれた時に太陽系がどの星座にあるのかが太陽星座。
月がどの星座にあるのかが月星座。

ほとんどの人が、太陽と月星座は一致しないものよ」

さくら
「だとしたら、私の月星座はおひつじ座じゃないと思います」

マダム
「その通り。さくらちゃんの月星座は、魚座よ」

さくら
「星占いの性格診断に違和感を感じたのは、月が違う星座だったからですね」

マダム
太陽星座が顕在意識で、月星座が潜在意識なの。
さくらちゃんは、おひつじ座の要素と魚座の要素、両方ともあるの」

さくら
「家にいる時と学校にいる時で性格が変わってしまうのも、それが理由なんですね」

マダム
「さくらちゃんを一言で表すと『ロマンチストの戦士』

女性的な受容性と男性的な強さ。
しなやかさと大胆さ。
自己犠牲と利己的な気持ち。
夢想に逃避することと危険を冒すこと。

これらがさくらちゃんの抱えるジレンマなの」

さくら
「ズバリ当たっています。
いつもその間の葛藤で悩んでいます」

マダム
「その葛藤を乗り越えたいなら、自分にふさわしい仕事を見つけることよ。

さくらちゃんのキャリアがきちんと評価される仕事でありながら、他の人や人生そのものと情緒の部分でも深く関わっているという感覚を与えてくれる仕事よ」

さくら
「マダム、就職先のアドバイスありがとうございます。

自分と向き合って、やりがいのある仕事に就けるようにがんばります」

マダム
「さくらちゃんなら、きっと大丈夫。上手くいくわ」

つづく




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