金杯はパワーアップしたダビメトで臨めるかも？学習モデル上では適合率が目標の75%に限りなく近くなってきました。

現状のダビメトはしきい値0.5で適合率0.671、再現率0.335、しきい値0.55で適合率0.714、再現率0.258と結構良い数値を叩き出しているのですが、2023年版はしきい値0.5で適合率が0.704、再現率0.404、しきい値0.55で適合率0.741、再現率0.331とAI的には飛躍的に数値が伸びています。※しきい値＝AIスコア
簡単に説明すると見送りレースが減って、かつ3着以内に入る確率が高くなっているという事ですね。

何を変えた結果として数値が伸びたのかの詳細は勘弁して下さい。
ただ今回の改修は昨年度後半に頻発したトラブルを解消する過程で気づいたとだけ言っておきましょう。
私たちのAIで起きるトラブルは2種類ありまして、一つはJRA-VANから提供されるデータを取得、加工する上でのトラブルとAI自体が動かなくなるようなトラブルです。
12月27日に起きたトラブルはAI自体が動かなくようなメジャートラブルでしたが、解消する過程で「もしかしたら？」と思う点が見つかり幸運にもパフォーマンスを上げることに成功したという訳です。トラブルが原因でAIへの理解が深まった結果、道筋が見えたと言ってもいいかもしれません。

以下基本的にAI素人の私たちが、どの様に開発に取り組んできたのかお話したいと思います。そこからこのAIの活用方法についてご理解頂けたらとも思っています。

アルゴリズムはごく一般的なモノ
実はダビメトで使用しているアルゴリズムはオープンソースの一般的なものを使っており、私たちが思うに他の競馬AIでも必ず使われているハズなので、他の方のAI予想などをよくチェックしていますが、どうも同じような出力をしている方はあまり目にしないのが不思議でした。
最近ではアルゴリズムは一緒でも、学習させているデータの項目や加工処理が少し違うのだと気づき始めています。
この件に関しては、開発当初は私がTARGETで血統や厩舎データを駆使して予想していた各項目をもうガバっと読み込ませていて、「AIってのは何でも読み込ませれば何とか考えるだろ」程度の浅い認識しか持っていませんでした。※私が「競走馬は経済動物だから、獲得賞金をぶち込んでみよう」といったほとんど思い付きのデータで飛躍的に成績が改善したなんて事もあるぐらい、まだまだ雑なことをしていましたね。
ただこの数年このデータクレンジングや加工については何度も議論と試行錯誤を重ねながら改善してきましたので、開発を始めた約5年前とは雲泥の差があると思いますし、ここだけは譲れない特徴であり、強みであると思っています。

断然1番人気馬を信じて良いか否かを判定するAI？
ダビメトは穴は狙わせていません、何故ならば3着以内に入ることを最優先で考えさせているので、どうしても人気馬中心になってしまいます。
これは何度も申し上げていますが、１～5番人気の馬が1頭も3着以内に入らないレースは非常に少ないので、AIの最終的な出力が人気上位馬中心になるのは仕方が無いことだと思っています。※そこをチューニングして結果的に穴を炙り出そうとは全く考えていません。また出走条件や馬場状態。トラックバイアスによって個別のチューニングをすると指数としての標準的なAIスコアの出力の仕方が妨げられて、スコアの分布による馬券の組合せ傾向も掴めなくなるのは嫌だと思っています。
私個人の事情ですが昨年の有馬記念はAIスコア1位のイクイノックスが非常に信頼できましたので馬券の組み立ては非常に楽でした。私が求めているダビメトの指数としての役目はココにあります。
イクイノックスに対する私の不安は、コース特徴がまったく違う東京の天皇賞秋を余りにも鮮やかに勝利した姿が2019年のアーモンドアイと重なっていたことです。ただイクイノックスのAIスコアの高さと、この3年間のダビメトの進化を信じて馬券はイクイノックスを外した馬券は買いませんでしたので無駄な点数も減り回収率は良くなりました。
「イクイノックスが勝つなんて誰でも解っていたよ。」と思う方はダビメトのAIスコアなんてチェックする必要は無いと思います。
私は不安だからAIの裏付けが背中を押してくれることを望んでいるのですね。
ダビメトは極端な表現ですが断然1番人気馬の取捨を選択するAIと思って下さい。

今年の東西金杯は？
どう考えてもハンデ戦ですし、AIスコアが0.6を超える馬が出てくるとは皆無だと思いますし、0.55さえ超えないんじゃないかと思います。
ただ0.5を超えさえすれば、適合率が0.704と非常に高いので馬券の中心にしても良いのではないかと思っています。
ＡＩに取り組み始めた頃は学習データ上の適合率通りに実際のレースの3着以内率が成らずに苦労しましたが、最近は適合率＝実際の3着以内率に限りなく近くなってきましたので、私は短いタームでの上振れも含めて期待しています。

以上