
CTOインタビュー アカデミアから企業へ転身して感じた「大切だったこと」とは
こんにちは、AIメディカルサービス(以下AIM)採用広報です。今回は、当社のCTO(Chief Technology Officer)であり、研究開発部門の責任者でもある富安(とみやす)にインタビューいたしました。
長らくアカデミアの世界で研究をおこなっていた富安が、どのような経緯で実業の世界に飛び込み、当社への入社に至ったのかについて話してもらいました。ぜひご覧ください。
簡単にこれまでの経歴を教えてください。
学部は理工学部で、修士課程では表面張力の物理学研究に取り組みました。当時は表面張力の研究は深くまで進んでいない中、新しい定式化を行うなど理論家を志していました。
しかし理論家でいると、実験で証明することができなかったため、自分が作った理論が正しいことを実験で確かめたくなり、博士課程に進むタイミングで実験家に転向しました。
博士号の取得後は、アカデミアの研究職に進み、約15年間、研究職に従事したのですが、一定の成果を出せたと感じることができたタイミングで、企業の研究職へキャリアチェンジしました。具体的には製造業の研究職を経て、FRONTEO社の研究所副所長、その後当社(AIM)というキャリアです。
そもそもどうして科学者の道を志すようになったのですか?
子どもの頃から他の人がなかなか思いつかないことを考えるのが好きで、私はこの”アイデアマン”的な強みを生かせる仕事がしたいと考えていました。しかし、企業に進むと、その企業の方針に沿った研究に取り組むことになります。
私はアイデアが先に生まれるタイプだったので、それだと性に合わないのではないかと思い、「企業に進むなら研究者として一定の成果を出してからだ」と考えていました。
どのような研究者だったのですか?
アカデミアの研究職はまずポスドク(任期付き研究員)としてキャリアをスタートするのですが、実はそこでかなり苦労しました。仕事として研究者を続けるためにはとにかく予算と人脈が重要で、それは与えられるものではなく自ら獲得しにいかねばならなかったのです。そこがうまくいかず、5年ほど芽が出ない日々を過ごしました。辛かったですね(苦笑)
転機となったのは、3回目のポスドクで就いた研究室の教授との出会いです。今も感謝している恩師の一人です。先生にはとにかく”プロの研究者”としての実力を鍛えていただきました。具体的には、”逆算の思考力” です。論文を書いたところから逆算し、今何をしなければならないか計画を立て、必要なリソースを考えることを叩きこまれました。この思考力は企業のマネジメントにも通じると思っていますし、逆に言うとこの経験があったからこそ、科学者出身でありながら現在はマネジメントを中心に取り組めているのだと思います。実際、大学の研究室は中小・零細企業の運営とよく似ています。
とは言え、その後も1年ほどは芽が出ず、ようやく成果が見え始めたのは「これでだめなら引退しよう」と思ったラストチャンスの時でした。そこから徐々に自身の第一著者論文が一定の権威ある論文誌に載るようになり、また国内だけでなく海外でも発表の機会に恵まれるようになりました。そうなると海外でも名前が売れ、海外の大学から共同研究の打診も受けるようになります。
”プロの研究者”として色々なことがうまく回り始めたのは、その頃からでしたね。
その後企業に就職されますがどういった背景だったのでしょうか?
自分の中で一つの研究をやりきったと思った時に、「別の研究テーマで一から始める」か、「まったく新しいことにチャレンジするか」の2つの選択肢がありました。前者の道に進むことを考えた時、私にとってそれは一度登った山と似たような山を登ることに近く、発展性が小さいように感じました。
私は仕事をする上で「常に自分に新陳代謝が起こっているか」「自分が成長できる環境であるか」を重視しています。ですので、新しい挑戦をする場所として、大学に残るよりも企業に身を置いてみたいと考え、その道を進むことに決めました。

実際に企業に入ってどのように感じましたか?
企業には研究職として入社し、多少の営業も経験しながら、徐々にマネジメントも任せていただくようになったのですが、そこで思い知ったのは、”組織づくりの重要性” です。
前職のFRONTEOでは研究所副所長として、人材の採用・育成から、組織再編、複数の機能が同じ方向を向いて連動する仕組みの構築まで、組織づくりに一から取り組んだのですが、「戦う精鋭部隊とはこういうことか」と感動したのを覚えています。
と言うのも、組織づくりがうまくいくと、組織が自走し、私が何も言わなくても若手から私より年配のメンバーまでが「こういうのが収益に繋がるからやりましょう」「アイデアがあります」「この仕事にこういう理由で挑戦させてください」「結果をご報告したい」「上の階に行って他の事業部と共同研究してきます」と主体的に動き出すからです。時には、抜群の安定感で様々な仕事をこなす部下の年配マネージャーから、「富安さんにビジョンを示していただきたい」と、私自身に次の成長を与えてくれることもあります。結果として、自分一人では到底辿り着けない境地に至ることができました。この経験を通し、まず取り組むべきは自分のことではなく、組織づくりだということを知りました。
なぜAIMに入社したのでしょうか?
前職で組織づくりを経験し、実業での成果もある程度残すことができたのですが、また新しいことにチャレンジしたいと考えるようになりました。
私にとって次のチャレンジは「経営の立場から企業に関わること」だと考えていましたので、役員やCxOというポジションでの転職を検討していました。
そのような状況の中でAIMのことを知ったのですが、知れば知るほど「この企業が開発しているもの(ソフトウェア医療機器)を自分が受けてみたい」と強く感じ、とても惹かれました。もちろん、まだまだベンチャー企業ですので、課題も多いとは思っていましたし、入社前から企業としての課題感もセキララに聞かせていただきましたが、逆に「自分がこの会社を成功に導きたい」という強いモチベーションを感じていました。
今後の技術的な展望について教えてください
これまでもやってきましたが「ユーザーが本当に必要としているAIにしていけるか」をさらに追求していきたいと思います。今までの手法に加え、今後は「ユーザー体験から逆算する」という発想も取り入れていきたいと考えています。
”新しい研究による成果”でなくともユーザー体験が高められるケースは往々にしてあります。有名な例がiPhoneですよね。ご存知の通りiPhoneは技術的に革新的だったというよりは、ユーザーに提供できる価値を企画したという点で革新的でした。
私は、組織のクリエイティビティを鍛えることで、会社の新しい活力を生み出せたら嬉しいなと思っています。
また、企業の価値を高めるには輝く魅力と競争力を磨き続ける必要があります。そのためには、色々な技術の選択肢を準備しておかなければなりません。それは新しい技術なのかもしれないですし、既存の技術の組み合わせなのかもしれません。技術体系と事業計画を全体的に見渡し、事業環境に何があっても大丈夫なよう、また社内外の方々が成長性を感じられるよう、常に選択肢を作り備えておく。それが私の役目だと思っています。

これからAIMを受ける方へのメッセージをお願いします
AIMは、挑戦を恐れず、新しい価値を創造し続ける文化を持つ企業です。私自身、アカデミアから企業へ、さらに経営に携わる立場へとキャリアを広げてきた中で、この会社には他にはない可能性があると感じています。それは、課題を解決するための強い意志、そして互いに実務で協働し、成長できる環境があるからです。
もし皆さんが「自分を成長させたい」「自分の力で未来を切り開きたい」と考えているならば、AIMはその意欲を存分に発揮できる場所です。私たちは、皆さんが持つ独自の視点や経験、そして情熱を歓迎します。一緒に新しい医療の未来を創り上げていきましょう。お会いできる日を楽しみにしています!
編集後記
AIMの社員の多くが、当社の誇れる点の一つとして「人材の優秀さや多様性」を挙げてくれるのですが、富安とのインタビューを通じて、改めて当社の人材の多様性を感じることができました。
そのような環境だからこそAIMバリュー「個人の力を、組織の力へ。」の発揮が非常に重要なのだと思います。
優秀な多様性ある人材が集まる組織として飛躍していくため、さらに努力していきたいと思います。
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