俳句【帰り花】反省会

お酒飲んでいい気分になったのでこのまえの句にダメだし!

1 帰り花路面をすべる猫に散る

動きがある。横から下へ。でも帰り花は咲くもので衒いすぎ。低木を想定してるにしても「すべる猫」は低く、路面よりは垣根のほうがいい。「帰り花咲く垣根わけゆく猫か」微妙、、、「返り花垣根の底に睡る猫」返り花である意味ある?「紫陽花や垣根の底に睡る猫」のほうが自然じゃないか。

2 しゃがんで摘んだ帰り花のかんざし

575を崩した。1と同じで帰り花を低木と考えたもの。摘んだ枝をかんざしにという帰り花にある遊女のイメージ。帰り花である理由もある。けど俳句っぽくない。むしろ最後を字余りにしたほうが17音にこだわるよりいいか。「皺寄せつしゃがんで摘みし帰り花の簪」服の動きをつくりたい。

3 あかつきや闇を切りとる帰り花

あかつきより暗い時間のほうが闇が映える気がする。「真夜中の闇を切りとる帰り花」「深き夕闇を切りとる帰り花」

4 帰り花あなたが揺らぐ肌のなか

まだマシだと思った句。「花」と「なか」で韻を踏んでる。性行為とも身ごもりともとれる。が、「揺らぐ」という動詞と「肌」がミスマッチ。「帰り花あなた蠢く肌のなか」だと異物感が際だつ。「肌」を「胎」とするとストレートすぎる。なら「蠢く」もやりすぎで「動く」でいい。「帰り花あなたが動く肌のなか」けどこれも微妙か。「帰り花あなたが游ぐ肌のなか」とか「帰り花あなたが揺(あよ)く肌のなか」とかのほうがいいかもしれない。

5 柑橘系の帰り花ってあるの?

帰り花への理解の足らなさをそのまま句にした。蜜柑は冬の季語。その時期に花がなることはないのではないだろうか。愚作。

6 坂くだる足に夜勤の帰り花

駄洒落。こんな言葉遊びは特に子規派からすればゴミクズではないか。

7 帰り花の浮く廃油や 虹濁る

また散らす。ただここでは雨後を示唆する虹が添えられているのと季語の美と廃油の汚を「虹濁る」に重ねている。ただやはり帰り花である必然性が薄い。歳時記に高速道路の分離帯や工場付近などにも植えられる夾竹桃のほうが夏の季語で雨の強さもでるしいい気がする。「夾竹桃浮きし廃油や虹濁る」

8 朽木見る帰り花など気にもせず

ひねくれた句。人間性が露呈してる浅ましさ。

9「サッカーやめた」きみの繃帯帰り花

感動ポルノのおしつけ。季語が死んでる。

10 帰り花むしりとる夢窓に朝

夢と朝のつなぎかたが短絡。飛躍がない。「帰り花を啄ばむ鳥のささ鳴きよ」飛躍がないからといって鳥を出せばいいわけか?「帰り花見せびらかして稚児走る」とか元気のいい句を詠めないのかわたしは。

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