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綺麗事抜きの公営競技指南 競輪編その4

 公営競技は無観客開催との相性の良い興行ですが、それでもコロナウイルスの影響は避けられません。

 競輪は本来9車ですが、コロナウイルスの影響を受けて7車での開催に切り替える措置が行われています。宿舎に選手が多く集まると不味いというわけです。

 特にGIII(記念競輪)は9車12Rから7車9Rに、勝ち上がりも従来のトーナメントからポイント制に変更され、賛否両論を呼んでいます。

 これは初心者の皆様には絶好のチャンスです。儲かります。この機会にこそ競輪を始めるべきです。明日から新潟の弥彦競輪場で記念競輪が行われますので、これに際して本格的な車券の買い方を説明させていただきます。


車券は何処で買う?

 お手近の競輪場や場外売り場に行けとは言いにくい情勢です。競馬同様ネットで買うのが一番簡単です。

 中央競馬や競艇は公式が一手に担っていますが、競輪の場合は投票できるサイトが沢山あります。むしろ公式はサービスが悪いので不評です。

 公式オッズパーク楽天KドリームズチャリロトGambooWINTICKETとあります。ポイントが付いてキャッシュバックしてくれたり、いろいろなキャンペーンを打ってそれぞれ競争しています。

 私が利用しているのはオッズパーク。地方競馬(南関と門別を除く)やオートレースも買えるので手間が省けます。そして使える銀行口座の種類が多いので楽です。

 とは言え一長一短なので、あなたの事情に合わせて選んでください。


競輪の賭式

 競馬をやる方ならご存知でしょうが、投票券には賭式というものがあります。以下の通り、単は着順まで当てねばいけませんが、複は着順は考慮しなくてよく、ワイドは1着から3着までのうち2車を当てれば敵中です。

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 そして9車の場合は競馬のようにもあります。1,2,3番車は単枠、45,67,89とそれぞれ4,5,6枠に入る6枠制です。枠単で33通り、枠複で18通りです。

 このことから9車立てでは4,6,8番車には競走得点下位3人が入り、6番車は1番得点の低い選手と決まっています。この弱い選手たちを4,6,8にちなんでヨーロッパと呼びます。従って、4-4,5-5,6-6のゾロ目は高配当になります。

 7車では枠は発売されませんが、6番車が一番得点の低い選手になるのは共通です。緑の勝負服なのでメロンなどと呼ばれることもあります。

 ここで注目すべきは、競輪には単勝複勝がないことです。随分前に廃止されてしまいました。

 大した配当が出ない、ヤクザ絡みの黒い話、理由は色々ありますが、単複派の競馬ファンはこの際諦めて下さい。それでも中央競馬の単勝よりは楽です。


予想の立て方~基本はスジ車券~

 競輪はとにかく何でもライン単位が基本です。従って予想の基本はどのラインが勝つかという所から始まります。

 ライン同士で決着することをスジ、スジ車券などと呼びます。個人差や地域差はありますが、どういう順番で決まったかで以下のように呼ばれます。

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 スジでの決着を想定した場合、ウマが押し切るか番手が差し切るかが基本です。逃げるか捲るか、番手に差す足があるかどうかでこの辺は決まってきます。

 多くの場合一番強いラインのスジが一番人気になります。つまりこれが競輪の基本であり王道というわけです。

 次いでよく出るのがズブズブです。単純に最後にウマが力尽きた時にもこの展開になりますが、ウマが自分の着を度外視して番手の為に駆ける死に駆け、途中で番手がウマを見捨てて捲って出る番手捲り、いろいろ形はありますが頻繁に出る目で、よく1番人気になます。

 もっと露骨に自力-自力-マーク屋と並んでの二段駆けも頻繁に見られます。これはかなり人気をしますが、他のラインも警戒するので案外決まらず、ルール上も制限が加えられているのであまり割の良くない勝負になりがちです。

 番手が不甲斐なく、地区が違う三番手が元気の良い時等に出るのがハコ3。ウマにジカに付ける番手をハコとも呼び、ハコが3着になることからこう呼ばれます。

 客としてはあまり考えたくない展開なので、ハコ3で決まると結構高い配当になります。更に根性なしだとハコ4ハコ5なんて無様を晒して客や選手仲間に馬鹿にされます。

 交わしの交わしや突き抜けはスジとは言いつつも、よほど展開がもつれないと出ません。すんなりラインで決まると想定した場合には無視してもいいレベルです。

 展開がもつれてラインが分断されつつも結局スジの着順で決まる事もあり、これは現地集合などと呼ばれます。


予想の立て方~筋違い~

 違うライン同士で決着するのを筋違いと呼びます。逃げたウマと捲ったウマの自力決着はよく1番人気にもなり、かなりあり得る展開です。

 しかし、競輪はかなり荒れるギャンブルです。9車立ての場合、一番強いライン(本線)のスジでの決着は1日の半分出ればいい方です。特に3着は何が来るか分からないところがあります

 二車単で本命決着なら数倍のオッズですが、平均配当は5000円に及び、100倍(万車券、マンシューと呼ばれる)もかなり頻繁に出ます。三連単なら平均配当3万円、1000倍超えも1日に1本くらいは出ます。


予想の立て方~単騎の選手~

 ラインを組む際に余ってしまう選手というのが出る事がままあります。こういう選手を"単騎"と呼びます。敢えてラインを組まない単騎専門の変わり者もいます。

 単騎の選手は他のラインの後ろに勝手に付け、次々とラインを乗り換えていく切り替えや、捲っていくラインの番手にインからタックルをかまして番手を奪い取る飛び付きで少しでも良い着を取ろうとします。

 単騎の選手はラインの恩恵を受ける事が出来ない代わりに、自分の事だけ考えて動くことができます。展開がもつれた時にこれが有利に働きます。

 また、スジの決着でも3着に入ってくる事が多いのも単騎の特徴です。強い単騎選手は三連単や三連複を買う時には無視できない存在です。

車券の買い方~本命党向け~

 人によって色んなスタンスがあります。以上の予想はあくまで私の考えです。

 競輪は3着はかなりもつれます。本命党は二車単や二車複をメインにした方が良いでしょう。

 まずはこれなら間違いがないだろうという本線に狙いを定めます。ライン同士の力が接近しているレースや、数字の上では強くても地区がバラバラのライン、ウマが強くても番手が弱いラインは危険です。

 そして、ラインのどこを本命にするかです。ウマを◎にする場合、当然番手が〇です。あるいは他のライン(別線)から〇を選ぶ事も考えられますが、こういうレースは本命党向きとは言えません。しかし、△や×は十二分にあり得ます。

 ◎=〇の折り返しに〇-△、〇-×、あるいは◎が差されるの可能性を捨ててもう1点、二車単で本命勝負の場合はオッズを考えても精々3点か4点が限界です。

 番手が◎の場合はウマが〇、居るなら三番手が〇のズブズブ決着もアリでしょう。この場合〇-◎の交わしの交わしはまず出ないのであまり考慮に入れなくてもよいでしょう。

 ウマの死に駆け、二段駆けが想定される場合はウマは消しもあり得ます。


車券の買い方~穴党向け~

 競輪が荒れる時というのは2着3着に意外な選手が入るヒモ荒れ、単純に展開のもつれるレース、スジ決着でも別線のスジなら二車単でも20倍くらいは普通に出ます。

 もつれる展開を予想して読み通りの展開で的中すれば無上の喜びですが、これで儲けている人に会った試しがありません。おすすめしません。

 したがって、穴を狙うなら何通りも大量に買って荒れるのを祈るスタンスになります。

 資金力があるなら三連単で、乏しいなら二車単で勝負する手もあります。二車単20点買いくらいならレースを選べば儲ける見込みは十分あります。

 穴党ならお勧めなのは三連複です。例えば一人を頭に選び、ヒモの選手を5人選んでも10通り、6人でも15通りですが、平均配当は5000円にもなります。

 本命党でも荒れそうなレースを狙う時には三連複は有効です。こいつなら展開もつれても大丈夫という一人を選んで、あとはこいつとこいつが来なければ的中という勝負の仕方です。

 しかし、三連複の場合は資金配分が重要になってきます。これについては次項に譲ります


車券の買い方~資金配分が肝心~

 競輪は中央競馬程売り上げがなく、前日前売りのオッズは全く信用できません。数万円しか売れないのもざらです

 百円ずつの多点買いなら問題になりませんが、本命党は締め切り直前のオッズで資金配分を決めないと痛い目に遭います。

 また、賭け式も大事になってきます。例えば二車単1-2,2-1を買うよりも、二車複1=2を同じ金額買った方が分が良いということがままあります。

 また、二車単1-2で1.5倍とかの銀行レースの場合、三連単で1-2からの3着流しである程度絞って勝負した方が良い場合もあります。

 とにかく、どんな買い方をするにせよ、競輪はオッズとの戦いを重視しなければいけません。


車券の買い方~ポイント狙い~

 日本の公営競技において一番的中率が高い賭け式はワイドです。競輪の場合1番人気は1.0倍の元返しになることもざらです。

 そして、投票サイトは購入金額に応じて独自にポイントを付与し、ポイントを現金や景品と引き換えてくれるサービスを行っています。

 そこで、1.0倍でも確実に来るだろうというワイド車券に大金をぶち込み、ポイントで利ザヤを稼ごうという発想の持ち主が居ます。

 甚だしいと1レースに何百万円もぶち込む人もいるようですが、これはお勧めできません。1回外せば挽回不可能です。破滅します。


本命党は7車を買え!

 さて、本題に移りましょう。競輪は9車と7車があるわけですが、固く収まるのは断然7車です。

 出走が2車減るという事は、それだけ敵が減る事です。同じメンバーの3車ラインでも、9車と7車では重みが全く違ってきます。

 そして、ラインというのは多ければ多いほど荒れます。競輪の競争はラインの数によって二分戦、三分戦、四分戦、細切れ(四分戦も含む場合あり)と呼ばれます。

 例えば9車で2-2-2-2-1の細切れ戦はまず固くは収まりません。5つのライン(一人は単騎)がそれぞれ勝とうとするのでいきおいもつれます。

 例えば以上の展開でに8番車が捲りを打つとしましょう。このラインは7人の選手に妨害されながら捲っていくことになります。

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 これが7車で3-4の2分戦ならどうでしょうか?どっちかが逃げてどっちかが捲る、単純明快です。

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 この場合5番車は楽です。別線の妨害は4車で済み、先頭に出切る為の距離も短くなります。つまり、捲りの強いウマに断然有利なのが7車です。

 従来は7車になるのはA級3班のチャレンジレース、夜9時からネット投票限定で開催されるミッドナイト競輪に限られてきました。

 チャレンジレースはもはやそこらの高校生以下のロートルも混じっているので危険ですが、A級選手のミッドナイト競輪は固いというので初心者に好評です。

記念競輪も7車時代

 コロナウイルスの影響で記念競輪も従来の9車12Rから、9月まで7車9Rで行われる運びになりました。

 先々週行われた徳島は小松島競輪の開設記念は固い決着が連発し、本命党にはボーナスステージの様相でした。

 現状9車で行われるのはGII、GIの特別競輪だけです。逆に先週いわき平競輪でGIIサマーナイトフェスティバルが行われましたが、大変な荒れ方でした。

 要因は7車での開催だけではありません。特別競輪以外は当面三地区斡旋で行われるようになったのです。

 従来はの全国各地の選手を斡旋して開催されていましたが、原則として地元地区と近場の二地区の選手だけでの開催になったのです。

 例えば、小松島記念は四国の他に中国と九州の選手での開催でした。近隣地区の選手はラインを組むことも多い仲です。従って、別線になっても無茶なブロックはできないのです。

 そして同地区の選手が増えるという事は、それだけラインが減るわけです。3-4の二分戦が目に見えて増えています。


ポイント制で稼ごう!

 目玉はトーナメント制による勝ち上がりを撤廃したことです。4日間の開催の前半2日の予選を着順によるポイント制で行い、上位21人が3日目の準決勝に進めるという形です。

 これが得点表です。勿論場合によって変わりますが、準決勝には大体7点が必要になります。これが肝です。

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 初日特選だけは避けましょう。特選に乗った選手はほぼ安泰なので手抜きが予想されます。


二日目の心理~敗者編~

 さて、7点が必要と言いました。すると初日に1点しか取れなかった選手は2日目は1着しかありません。

 初日に人気を裏切った選手なら1着を取りに行くでしょう。しかし、順当に負けた選手はどうするでしょうか?

 仮に死ぬ気で1着を取ったとして、疲れ切った状態で準決勝に進んでも負けるのは目に見えています。

 それなら最善手は適当に手を抜いて中間くらいの着を狙い、負け戦で稼ぐことです。敢えて味方になる事も多い本線を邪魔する意味などありません。

 問題はウマが1点で番手が2点や3点の場合です。この場合はウマは番手だけは残すつもりで逃げることが予想されます。

 番手は捲ってくる本線に紛れ込んでの2着や3着を狙ってきます。そのつもりで予想をしましょう。


二日目の心理~勝者編~

 一方、初日に順当に勝った選手はどうするか?当然勝ちに行きますし、準決勝で同地区の選手が多ければ多いほど助かるので、ライン全員が7点は取らせるというつもりで走るわけです。

 例えば得点がウマ>番手の場合は早めに捲って番手を1着にしようとします。逆なら捲りのタイミングを遅くして安全策を取ります。

 気を付けるべきは特選組です。特選で3着までに入れば、2日目は無事故完走で7点なので事実上走る前から当確です。

 そういう選手が◎のレースは避けた方が良いでしょう。手抜きが過ぎて番手に迷惑をかけて負ける可能性があります。


ボーダーを見極めろ!

 ポイント制は競艇では従来から行われている方式です。そこで、当然競艇の予想理論を持ち込むと有利に戦えます。

 二日目は選手の得点を記録しながら見て下さい。準決勝当確の選手、逆に絶望的な選手を数えるのです。後半になるとこの数字が大変重要になってきます。

 小松島記念の結果を見た限り、8点なら当確で5点なら絶望です。そういうつもりで何点が何人か数えて下さい。

 前半が固く収まると、10点とか11点の必要以上の点数を取る選手が増えます。そうなるとボーダーは上がっていきます。逆に荒れて7点8点の選手が増えるとボーダーは下がっていきます。

 競艇だと中継で独自に計算をして、この選手はもう当確、この選手は何点必要と教えてくれますが、競輪ではまだこの体制が整えられていません。このnoteを読んだ人はチャンスです。

 終盤になると6点でも競争得点上位の何人かは乗れそうだとか、逆に7点でも下位の何人かは漏れそうだというのが見えてきます。

 当落線上の選手の振る舞いがこれで決まります。そうと知らずに準決に乗れない選手に賭けた人の金があなたの物になるのです。


三日目以降~負け戦には手を出すな~

 タイトルの通りです。負け戦は不貞腐れてまともに走らない選手、せめて稼ごうと俄然やる気を出す選手が交錯して荒れます。

 3Rある準決勝は2着なら当確、3着3人は競走得点の一番高い選手が決勝へ進みます。

 予選が固く収まった場合、地元地区の選手が長いラインを組むので買いです。しかし、予選が荒れてしまった場合は混戦になることが予想されます。

 準決勝も荒れた場合は最終日はやらないほうがいいでしょう。そうでなくても決勝ではなりふり構わず来ます。競輪選手は金が欲しい一方、記念優勝という勲章も欲しいのです。

まとめ~今は競輪を始めるチャンス~

 7車記念はとにかく固く収まります。初心者向けと言えます。選手や客に反対意見もありますが、経費削減ができて売り上げも好調なので、9月以降も7車で行われるのではないかと私は睨んでいます。

 とにかく、明日から競輪をやってみましょう。

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