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綺麗事抜きの公営競技指南 オートレース編その2

 さて、実践編という事で、今度はレースの流れと本格的に予想を立てる方法について説明させていただきます。

 データが大事なのはどの公営競技も同じであり、また、数字をちゃんと読み解く力がなければいけません。当然数字の他にも見るべきところが沢山あります。

 オートレースにはいろいろと数字に表れない不確定要素も多く、そのあたりも競馬に近いとも言えます。

レースはまず試走から

 前のレースが終了した直後、オートレースは試走と言って次のレースの出走選手がコースを三周します。この試走を見ずにオートレースを予想するのは無謀です。競馬のパドックより百倍重要と言っても過言ではありません。

 特に最後の1周は建前上全力で走る事になっていて、この最後の一周のタイムが試走タイムとして公表されます。

 この試走タイムが3.35とか3.42という風に不思議な表記をされます。これは即ち100メートルあたりの秒数で、オートにおけるタイムは全てこの単位で表記されます。

 本番だと標準の6周回に換算した場合、0.01秒につき10メートルの差が付きます。しかし、単純に試走タイムの数字だけで計算をするのは間違いです。

 というのも、試走はあくまで試走であり、本番とは違うものです。コースの状態を見る為に試走を使う選手も居れば、他の選手に手の内を見せない為、あるいは単に怠けて手を抜く選手も居ます。

 つまり、各選手の試走への心構えを知る事が大切なのです。しかし、これは長い修行を要し、私も不十分です。

 また、1番車から順に出て来るので、1番車がどうしようもないヘボの場合、試走でも渋滞が発生して後続が思うようなタイムが出せない場合があります。

 また、タイムが露骨に遅い場合は主催者の判断や選手当人の申し出で再試走が行われることがあります。

 この試走タイムについては出走表の読み方で改めて説明します。

出走表を読む

 出走表にやはり多くのデータを見ることができます。今回は私が普段使用しているオッズパークの出走表を例に、データを読み解く方法を開設させていただきます。

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予想印
 オッズパークでは予想印が競馬と同様に提供されます。しかし、晴と雨で予想が分かれているのがポイントです。

 競馬でも重馬場かどうかで予想は大きく変わってきますが、オートはこれがより顕著です。雨で異常に強い選手というのが居るのです。しかし、この辺については後々にまた改めて解説します。


選手名

 選手は約400人。近年は女子レーサーも増えていますが、オートレースは今のところ男女同権で女でも強い選手は強く、侮れません。


年齢

 オートレースは選手寿命が最も長いスポーツの一つで、下は未成年から上は後期高齢者まで色々です。60代の選手は珍しくなく、70代さえ普通に走っているのです。

期別
 養成所の卒業期を指します。一番の若手は34期ですが、年齢同様あまり予想に役立つことはありません。

優勝回数
 今年優勝した回数、優勝戦に駒を進めた(優出)回数、通算優勝回数と表記されています。

 実力を見るには優出回数を見るのが良いでしょう。通算優勝回数に関しては爺さん選手の過去の栄光も多分に含まれるため、全く参考にはなりません。


車名

 競走車は選手の持ち物ですが、それぞれに競走馬のように固有の名前が付けられています。何台も持っていて開催ごとに使い分ける選手も居れば、一台に注力する選手も居ます。

 競走車は型は全て同じですが個体差があり、また整備によってもコンディションが変わってきます。新車に乗り換えた場合は要チェックです。


車級
 普通の競走車のエンジンは600CCの1級車ですが、新人選手は"鳴らし"の意味で500CCの2級車を使用します。

 当然2級車はパワーが落ちるわけですが、全速力でコーナーを周れる分、逃げると強い場合があります。単純に2級車だから消しというのは間違いです。


LG

 ロッカーグラウンドの略で、選手の本拠地を指します。オートレース場は最近船橋が廃止になりましたが、伊勢崎、川口、浜松、山陽、飯塚と5場があり、記念以外はほとんどの斡旋がLGから来る仕組みになっています。

 各場のコースは全く同じ設計ですが、気象はそうではない為、やはり地元の選手の方が若干地の利があります。


ハンデ
 前回説明した通りのハンデです


試走T

 試走タイムですが、これが思いのほか当てにならないのは先ほど説明しました


試走偏差

 注目すべきはこの試走偏差です。試走タイムと本番のタイムに平均でどのくらい差が出るかを表す数字です。

 この偏差が大きい選手ほど試走で全力で走るという建前を遵守しているとも言えますが、強い選手の場合、追込力の不足でこの数字が低くなる場合もあります。


ランク
 S級A級B級とあり、半年ごとに競走成績に基づいてランキングされます。前ランクよりランクが高くなっているなら好調と見ることができます。

 しかし、級の低い選手より常に後ろか外側に置かれるというルールが問題になります。どんなに不調でも原則としてS級はA級より不利な位置に置かれ、その逆もまた真です。

 選手の好不調を読み解くことが的中への鍵となります。

良十走
 良コース(濡れていない)で過去10Rにおける平均タイムを示します。

 平均試走タイム、平均競走タイムはそのままですが、最高競走タイムが曲者です。

 最高競走タイムと平均競走タイムの差が大きい場合、ムラのある選手と推定できます。また、展開上たまたまハイペースの競走が続いたりその逆という事もあり、鵜呑みに出来ない数字です。

近10走成績/近90日成績
 最近の成績を着順、2連対率、3連対率、スタートタイムで表記しています。

 見方は競馬と同じですが、スタートタイムは全く信用してはいけません。前回説明した通り、オートレースのスタートはバックスタンドに出るまでを指します。選手特長一覧表の方がまだ信頼がおけます。

近180日成績
 これも天気によって分かれています。つまり、雨の時は各種の数字はほとんどアテになりません。

近走成績
 これである程度選手の調子を推定することができます。ただし、数字だけで見えないものが沢山あります。

レースを読む

タイムを読む
 手抜きがあるとしても、やはり予想の基本は試走タイムからということになります。ここでどの選手が有利にあるのかを読み解く方法を説明します。

 まず試走タイムがあります。この試走タイムが一番速いからそいつを本命にというのは間違いとすでに説明しました。

 そして、0.01秒違うと10メートルの差とも説明しました。従って、これにハンデを加味します。10メートルごとに試走タイムに0.01秒足すのです。

 そして、試走偏差という物があります。これが平均試走タイムと平均競走タイムの差です。これはそのまま足します。

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 つまり、以上の式で算出した数字を参考にします。これだけ随分と精度は上がります。初心者の内はこの数字を基に予想するだけでもいいでしょう。

 ただし、予想はそれだけでは不十分です。


選手の調子を読む
 タイムはあくまで結果でしかありません。遅いタイムでも勝てるレースがある一方、それを上回っても負けるレースもあります。

 これを見極めるには選手の過去のレース映像をつぶさに観察することです。公式でもポータルサイトでも過去のレース映像は観る事が出来ます。

 この公式のネットスタジアムというサイトが一番便利です

 スタートは切れているか?追えているか?逃げられているか?勝ち負けよりもそういう所に着目してレースを見て選手の調子を見極めないといけません。


コースコンディションを読む

 オートレースは競馬以上にコースコンディションで展開が変わってきます。まず注目は天気です。雨だと全く予想は別物になってしまいます。

 コンディションには良、湿、斑とあります。湿と斑でも話は変わってきます。俗に「湿は度胸で乗り、斑は腕で乗る」という格言があります。つまり、斑なら重ハンで雨成績の良い選手が得と言えます。

 また、走路温度にも注目です。タイヤは路面温度が高いほど滑りやすくなります。滑りやすいコースでは追い込みが利きません。つまり冬は後ろが有利で夏は前が有利という事になります。勿論、一日の間にも路面温度は変化していくので気を付けないといけません。

 また、競馬同様、その日その日でインコースが効いたりアウトコースが効いたりも変わってきます。このどのコースが効くかという問題と選手の得意コースとの兼ね合いも重要です。


展開を読む
 これらの要素を加味して展開を予想します。ペースはどうなるのか?そのうえでそれぞれの選手はどう動き、どういう結末を迎えるのか?それが最後は予想になるのです。

車券を買おう

 車券は公式サイトでも買えなくはないですが、非常に面倒くさい手続きを要しますので、やはりポータルサイトから買うのが現実的です。

 競輪と同じJKAが統括している関係上、片方が買えるサイトではまずもう片方も買えます。私はオッズパークを愛用しています。

 賭け式は競馬競輪と同様です。買い方としては競馬に近く、競馬ファンには親しみやすいと思います。

 ただし、単勝複勝は全く売り上げがなく、ギャンブルとして成立していませんので買ってはいけません。

 そして気を付けたいのは、他の公営競技は控除率が25%ですが、オートレースは30%であるという点です。つまり、オートレースの配当は少し安いのです。

 これはオートレースがあまりにマイナーで売り上げ難に苦しんだことに端を発します。2012年についに控除率が引き上げられてしまったのです。

 売り上げは10%も下がりましたが、それでも胴元の取り分は増えました。これは私個人の力ではどうしようもない事です

 しかし、皆様がこのnoteでオートレースに興味を持ち、売れれば25%に戻る日が来るはずです。そのためにこんな文章を書いているのです。

ご支援願います

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