知ってかぶって気後れ

知ったか映画研究家」というテーブルゲームがあって、その実演イベントへ遊びに行ってきた。
ゲームは簡単に言うと、カードとサイコロで架空の映画タイトルを決め、知ったかぶりで感想を話したりするというもの。つまりひたすらボケる。突っ込みのいない漫才とか仕切り不在の大喜利、そんな感じ。
テーブルゲーム自体はじめてで、しかもまわりは知らない人ばかりという完全アウェイの中どうなるんかなとドキドキしてたんだけど、いざはじまってみるとこれがとても楽しくて、興味深い時間だった。

自分含むグループの人たちがほぼ初心者ばかりだったので、今回はトークスタイルではなく、紙に映画の内容を書き込んでいく形はゲームは進められた。タイトルから連想される世界観は?主人公を演じる俳優は?どんなストーリーなのか?などなど、まさしく大喜利スタイルでいろんなお題が投げられは解答していく。
で、そのうち気づいた。「これってプロットの作成じゃん」って。みんなであーだこーだ言いながら、できるだけ辻褄を合わせて、どんどんしっかりとしたあらすじが出来上がっていく。

面白いなと思ったのが、みんな初対面だったせいかあまり壊すような真似はしない。きっと真面目な人たちが集まったんだろう。プロットラインから大きく外れないように組み立てていく。テーブルには心地よい緊張感があって、ちゃんとした企画会議みたいですげー楽しかった。
それとこのゲームは勝った負けたじゃなくコミュニケーションツールとしての面が大きいので、自分自分じゃなくほかの人のアイデアもちゃんと聞いて、いいと思ったものは背中を押したり、歩調を合わせてゴールに向かって遊ぶのがいいなと思った。遊び代は多いけど、ボケまくったってあんまいいことないなっていう。

一通り作成が終わると、各グループの映画の発表。うちのしっかり真面目にエンタメな感じ、ほかのグループは結構おふざけ感もあったりで、人とお題が違うとこうも変わるんだなーと笑いながら聞いてた。
イベント終わりに、同じグループだったおれよりずっと年上の男性の方が「売れるものを作ろうと思ったんです」という言葉がなんか、カッコよかったっす。

みんなきっとおれみたいに年がら年中コントのことなんか考えてないわけで。でも映画が好きだったり、テーブルゲームが好きだったり、人生も考え方もまったく違う人たちがひょんなことで集まって一緒にお話を作るのはとてもフレッシュな体験だった。
お話ってどっかから沸いてくるんじゃなくて、やっぱ人から出てくるものなんだよね。

知らない世界がまだまだあったなー!って一日でした。