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のんびり地学基礎 #24 火成岩③[SiO₄四面体]


今日こそはSiO₂エスアイオーツーを攻略するぞ!

すると目の前に
今回のテーマである
SiO₄四面体エスアイオーフォーしめんたいが現れた!!
ううっ、(T_T)
SiO₄四面体って誰ですか?

まずSiO₂とは?

SiO₂とは、
元素記号 Siのケイ素
元素記号 Oの酸素でできた
二酸化ケイ素という物質です。

二酸化ケイ素は無色です。

ケイ素は手が4本あって
酸素は手が2本あるので、
ケイ素1つに酸素2つは
仲良く全ての手が繋がれた
とても頑丈で安定した形です。

ところが、
Siは、自分の4本の手は
2人の酸素の両手じゃ嫌で、
4人の酸素の片手だけと
つなぎたいと言うのです!
俺はテトラポットになる!と。
なんてこった。

SiO₄四面体エスアイオーフォーしめんたい( ケイ酸塩 )の正体

SiO₄四面体の模型

↑これこれ、見てください。
ケイ素が4人の酸素に囲まれて、
テトラポットのようになっています。
結構、居心地がよさそうです。
これが
SiO₄四面体《エスアイオーフォーしめんたい》( ケイ酸塩 )の正体です!

そして、
SiO₄四面体が骨組みに
なっている鉱物を
ケイ酸塩鉱物といいます。

ちょっと待って!
ケイ素が1つに酸素が4つ?
これじゃ、酸素たちの手が
片方ずつ余っていますよ。
どうしましょう?

ケイ酸塩さんえん鉱物の種類

1,かんらん石(SiO₄四面体独立型)

片手がぶらぶらして
困っている酸素の前に
優しい他の元素が現れます。
私でよければ手をおつなぎ
いたしましょう!と。
それは、
鉄やマグネシウムです。

鉄は青黒い色を出します。
マグネシウムは色を出しません。

酸素と鉄、
酸素とマグネシウムが
手をつなぎます。
その成分の比率が
ちょうどよくできたものが
黄緑色の美しい
かんらん石です。

かんらん石の組成

SiO₄四面体同士は
バラバラだけど、
鉄、マグネシウムが
酸素の手をとって
間をつないでいます。


2,輝石きせき(SiO₄四面体が単鎖状)

SiO₄四面体が、
お隣のSiO₄四面体の酸素と
手をつないでくれる
場合があります。
SiO₄四面体が隣、隣に
ずらーっと手を繋いで
一列に並んでいきます。

輝石は、SiO₄四面体が
一列の結晶構造を持つ
ケイ酸塩鉱物です。
ヒスイも輝石の仲間です。

輝石の組成。横一列につながっている。


SiO₄四面体が一列につながると
部分的にSiO₂の箇所ができています。

余った酸素の手をつないだ
元素たちが
どんな色を出すかによって
鉱物の色が決まります。

3,角閃石かくせんせき(SiO₄四面体が複鎖状)

SiO₄四面体の列が
隣の列と手をつなぐと
2列になって
梯子のような構造になります。

細長い形で縦に割れやすい
角閃石というケイ酸塩鉱物です。

角閃石の組成。二重の鎖状に連なる。

だいぶSiO₂部分が増えて
頑丈になってきましたよ!

梯子の真ん中に隙間ができるので
そこにいろんな元素が入ります。

入る元素によって、
いろんな組成になるので、
バラエティに富んだ
複雑な鉱物ができます。

4,黒雲母くろうんも(SiO₄四面体が網目状)

もっともっともっと
SiO₄四面体同士が
手をつないでくれると、
SiO₄四面体が
一枚のシートのように
ずらーっと
平面につながってくれます。
黒雲母というケイ酸塩鉱物です。

黒雲母の組成。シート状になっている。

シートが幾重にも重なって
層のようになっているので、
黒雲母は石の層を
ペラペラはがして
遊べるのだそうです。
楽しそうですね。

ここまで見てきた、
かんらん石輝石
角閃石黒雲母は、
SiO₄と手をつないでくれた
他の元素の色が入ります。
これらを有色鉱物といいます。

5,石英せきえい(SiO₄四面体が立体的な網状)

縦も横も全部、
SiO₄四面体だけでくっついた
ケイ酸塩鉱物石英といいます。

立体的に組みあがり、
がっちり手をつないでいる状態です。

石英(水晶)、長石の組成。

すると、あれれ、
ケイ素と酸素の比率が
ちょうど1対2になりました。

全てSiO₄四面体だけで
手をつないだら
それはもう、SiO₂そのもの!
というわけです。

非常に頑丈で、安定的です。

色を出す元素は入れませんので
色がない無色鉱物となります。

6,長石ちょうせき(SiO₄四面体が立体的な網状)


長石と呼ばれる
ケイ酸塩鉱物も、
SiO₄四面体が
立体的に組みあがっている
無色鉱物のグループです。

しかし、ケイ素の代わりに
アルミニウム
入ってくる時があります。

アルミニウムは手が3本なので、
また酸素の手が余ります。
そこへ助けにやってくるのが
カリウム、カルシウム、ナトリウムたち。
彼らは色を出さない元素です。

カリウム、ナトリウムを主に含む
カリ長石のグループと、
カルシウム、ナトリウム、を主に含む
斜長石《しゃしょうせき》のグループがあります。

SiO₄四面体の結束力で分かること


SiO₄四面体の
つながり具合によって、
割れやすい面などの性質、
他の元素が入る余地があれば
色への影響、また
マグマに粘り気を与える
鉱物かどうかが分かります。

とどのつまり岩石の全てを
支配しているのは、SiO₄四面体!?
を操る、SiO₂なんじゃないか?
と思う今日この頃です。うーむ、、、
やっぱり侮れません(>_<)

次回は、火成岩の最終回!
マグマの結晶化を詳しくみます。
「火成岩④」です。


謝辞~星屑の子供たちへ~

地球の岩石にはなぜ、SiO₂が多いのか?それは、地球誕生前に遡ります。太陽の引力で周回している、たくさんの星屑のかけらたち。それらは、質量の大きさによって、太陽からの距離、だいたい同じところを回るようになります。地球ができる距離を周っていた塵が、ケイ酸塩鉱物を多く含むものでした。それらが次第にぶつかり合うことで地球ができました。だから地球の岩石にはSiO₂が多いのですね。

Geo Radio「のんびり地学基礎#24「火成岩③」

何を話されているかさっぱりわからんとです↓
がっつり地学07「超塩基性岩」


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