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のんびり地学基礎 #19 火砕岩の種類

火山が噴火したときに、
マグマのしぶきが
飛び散って、
降り積もり、
固まったものが
火山砕屑岩かざんさいせつがん火砕岩
でした。

今回も分類します!
まずは、火山砕屑物の
飛び散る粒子の大きさから。

①、火山灰かざんばい


直径2㎜以下の火山砕屑物かざんさいせつぶつ
火山灰
といいます。

そして、
火山灰が降り積もって
固まった岩石を
凝灰岩ぎょうかいがんといいます。

②、火山礫かざんれき


2㎜以上~64㎜までのものを
火山礫かざんれきといいます。

火山礫と火山灰がミックスされて
降り積もります。
火山礫を多く含んだ岩石を
ラピリストーン
火山灰の割合が多い岩石を
火山礫凝灰岩かざんれきぎょうかいがん、と呼びます。

③、火山岩塊かざんがんかい


64㎜以上のものを火山岩塊といいます。
いわゆる火山弾とも言われるものです。

火山岩塊が火山灰より多い岩石を
火山角礫岩かざんかくれきがん
火山灰の方が多い岩石を
凝灰角礫岩ぎょうかいかくれきがんといいます。


ところで、

角礫かくれきとは、、、?

河原の小石を見て分かるように、
一般的なれきとは、
浸食・運搬されるうちに
角がとれて丸い形になったものです。

しかし、
噴火により飛び散ったれき
浸食、運搬作用を受けていないので
できたてのままの、
角ばった形をしています。

普通の礫と区別するために
角礫かくれきと呼ばれます。


次は、火山砕屑物を、
色や成分、
成因で分けてみます。

④、軽石


マグマが飛び散るときに
一気にガスが抜けることで
たくさんの穴が開き、
もろくて軽い軽石ができます。
結晶がほぼなく、
火山ガラスの一種です。
流紋岩りゅうもんがん質や安山岩あんざんがん質の
マグマからでき、
色は白っぽくなります。


⑤、スコリア


マグマが
地下深くから上昇するときに
水分などが一気に気化すると、
多くの穴が開き、
軽石よりは重さのある
スコリアができます。
玄武岩げんぶがん質のマグマからできるので
黒っぽい色をしています。
鉄分が多いと赤っぽくなります。
スコリアも、ほぼガラス質です。


⑥、火山弾


火山岩塊のうちで
特徴的な形や内部構造をしたものを
火山弾と呼びます。
飛散しながら形を変え、
リボン状や紡錘状、パン皮状など、
いろんな形になります。


火山砕屑岩かざんさいせつがんからわかること


9万年前に起こった
阿蘇山の大規模噴火では、
火山灰が、1600㎞離れた
北海道の東部まで到達し、
ところにより
15㎝も積もっています。

火山の噴火は
ほんの一瞬のことです。
一瞬なだけに、火山砕屑物は
特徴的な地質を作りだし、
いつ、どこで、どんな範囲の
どんなマグマによる
どんな特徴のある噴火だったのか
を教えてくれます。

薄く広範囲に積もるうえに
特徴的で見分けやすいため、
離れた地層同士を比較して
地層の年代を特定するのに
とても便利です。

このような、年代特定の
鍵となってくれる地層のことを
鍵層かぎそうといいます。

教科書には載ってないけど

教科書には載ってないけど
〇さんが伝えたかった熱い話です。

凝灰岩には
溶結凝灰岩ようけつぎょうかいがんというものと、
溶結していない普通の
凝灰岩ぎょうかいがんがあります。

溶結とは、噴火の時、
噴出物がいっぺんに
どさーっと降り積もると、
まだアツアツのため
バラバラの粒子同士は
溶けてくっつき
軽石は重みで押しつぶされて
焼き付き、
かちんかちんに固くなることです。

水の中に溜まったものや、
パラパラと降ってきたものは
すぐに冷めてしまうので、
溶結することはありません。

海底火山も溶結しないでしょう。

溶結凝灰岩があるということは
大量の火砕流を流し、
カルデラをつくるような
大規模な噴火が
地上で起こったことを
示します。

溶結しているか、していないかも
どんな様相の噴火だったかを知る
重要な手がかりとなるんですね。

阿蘇山大観峰 巨大カルデラを一望できます

次回は、
堆積岩はまだまだ続くよ
「生物岩」です。

謝辞~星屑の子供たちへ~

栃木県の大谷石地下採石場跡の、あの大谷石は火山の砕屑物でできた凝灰岩だったのですね。正式には「軽石火山礫凝灰岩」というそうです。多くのアーティストのPVやCM撮影が行われている有名な場所です。私はそんなことを考えていましたが、〇さんの、地質屋さんだからこそのお話はとても熱量があり、勉強になりました。


栃木県宇都宮市 大谷資料館

Geo Radio「のんびり地学基礎#19「火砕岩の種類」


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