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ジャックダニエルとドラえもんを見ると思い出す人

初めて会ったのは12年前の2月のことでした。
知り合いのお店の常連さんが連れて行ってくれたキッチンバー。
当時新卒2年目の、学生気分が抜けないわたしにとっては、大人の隠れ家のような雰囲気にドキドキしたことを覚えています。

そのお店のオーナーが恒ちゃんでした。
私と8つ違い。20代の頃から飲食業界で経験を積み、自分のお店を持ち切り盛りしている、かっこいい人。わたしの憧れであり、勝手にお兄ちゃんのように慕っていました。

振り返ればこの12年。たくさんの思い出が浮かびます。
常連さんたちと、深夜の焼肉、串カツ、タイ料理。
ちょこんとくっついて、いろんな大人の世界を覗くのは刺激的でした。
常識を疑うこと、自分の信念を貫くこと、何度でも挑戦していいこと。
いろんな生き方を学んだような気がします。

当時。仕事で行き詰っている私に、解決策をくれるわけじゃないけれど、考えるきっかけをくれたりした。頑張る人を決して見捨てない、応援上手。
恒ちゃんの言葉にどれほど勇気づけてもらっただろう。

フラれた日、泣きじゃくるわたしを朝まで慰めてくれたこと。お誕生日に、フラッと、ケーキ持ってお祝いに来てくれたこと。しょんぼりしてると、「お前なら大丈夫」っていつも言ってくれて。へとへとになった日は、飲みながらカウンターで寝ちゃったり。(きっと迷惑だっただろうなw、ごめんね。)優しさの塊のような人でした。

恒ちゃんのお店のドア開けて帰るときはいっつも、小さな勇気が湧いてた。

今年の5月、お誕生日お祝いに行くね!って言って

「ありがとうね〜。」

それが最期のLINEになってしまった。

早すぎるよ。もっとたくさん話したかったよ。正直頭が真っ白で、嘘だ、嘘だ、嘘だって思ってる。きっと恒ちゃんと出会った人はみんなそう思ってるよ。

大丈夫、応援してる、頑張れよ!

そう言って励ましてくれた、明るい声が今もずっと心に残ってるよ。

ありがとうね。
一緒にたくさん飲んだし、恒ちゃんが作るごはんを食べて
明日へのエネルギーをチャージしてた。

この寂しさが癒えるまで、ジャックダニエル飲みながら、献杯するね。
そっちの世界で、一緒に乾杯する日を楽しみにして。

ねぇ恒ちゃん。まだまだやりたいことあったの、わたし、知ってるよ。店だけじゃない、お店のまわりのこと、周りに人たちを巻き込みながら、チャレンジし続ける背中を見せ続けてくれたよね。

恒ちゃんの分までちゃんとわたし、頑張るからさ、ちゃんと見守っててよね。

いつまでも、ずっとずっと
大好きな恒ちゃん。

ありがとう。

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