『スマブラSP』なぜ俺たちはサムスに勝てないのか

なぐり書きです。ご了承ください。

この本文を書くにあったって、youtubeに挙げられている塚本信也様の動画
https://www.youtube.com/watch?v=Fkkdwoq1ihg&t=2882s など
を大いに参考にさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。この動画で題材となっているゲームはストリートファイターⅤですが、スマブラSPにも通づるところも多くありました。
もし、本文に興味がある方もそうでない方もぜひ視聴して見てください。


『読み合いとシステム』

動画中で、システムと読み合いの関係性について深く語っています。これをスマブラに置き換えた上で考えています。

「スマブラにおけるシステム的に強い行動」とは、
まずはガーキャン行動。このゲームはガードを解除するのに11fかかります。つまり、相手の攻撃をガードしてからガードを解除して弱を出そうとしたら、弱の発生フレームを2fだとすると、11 + 2 = 13で13fかかります。
しかし、ガード解除にかかる11fを無視して、動ける行動があります。それがいわゆるガーキャン行動と呼ばれるもので、次に上げていきます。
①掴み
②ジャンプとジャンプから出る空中攻撃
③上B
④上スマ
一部はキャンセルするのに追加でフレームがかかる技もありますが、これらは相手の攻撃をガードすれば反撃を取れます。システム的に恵まれている行動と言えます。
他にはめくり攻撃や、相手の後ろ側に回避する行動、歩き、ダッシュガード、引きジャンプから空前、一部の飛び道具といった行動などです。
これらの行動をまとめると、全体として低リスクでありながらリターンがある行動か、リスクがない行動となります。

「スマブラにおける読み合いの行動」とは
先に挙げるとステップ、前ダッシュ、前ジャンプから一部の空中攻撃、ダッシュつかみ、一部のDAなど。
それだけでなく、着地狩り、着地狩られる展開、崖狩り、崖を上がる展開、復帰、復帰阻止などですが、その中にはキャラによってシステム的にどの行動をすると強いと分類できる場合があるので、一概には言えないところはあります。
簡単にまとめると、全体としてハイリスクではあるが、かなりのリターンが見られる行動であると言えます。

以上をまとめると、
「システム的に強い行動」はリスクが低くリターンが取れる行動、
「読み合いの行動」はリスクが高いがさらにリターンが取れる行動
となります。


『システムと読み合い』


プレイヤーの多くはシステムを重視する人と、読み合いを重視する人に二分化できます。そして、これらの人たちは対立する場合が往々にしてありますが、それはここでは省略します。
ただ、スマブラのトッププレイヤーほど両方を重視した上で、さらに自分の中で読み合いか、システムへの理解に強みを置いている人が多い印象を受けます。

ここで一番重要なことは、システムは教えてもらえるしトレモで自主練ができるが、読み合いは自分で身に付けなければいけないということです。

トッププレイヤーがコツを教えるだの、教わる前に数をこなせなどで話題になっていました。しかし、上達にはシステムと読み合いの2つが必要であり、システム面ならトッププレイヤーよりわかりやすい解説動画を上げている人が大勢います。
一方その上でトッププレイヤーは読み合いを理解していますが、それは人に教えられるようなものではなかなかありません。なぜなら、読み合いに必要な要素は
『相手キャラへの理解、自分キャラの技への理解、相手の1ストック目や(BO3なら)1試合目の癖、崖上がりの癖、着地の癖、こちらの行動に対する相手の行動、自分と相手の心理的状況、etc..』
と、多種多様です。何より一番大事なことですが、『全てが正解であり、不正解がありません』。

そして、システムと読み合いは表裏一体、同時に理解して実戦することは難しいです。何よりシステムで正しいとされることは読み合いの中では選択肢の一つとして考えられ、重視されないことが多々あります。言い換えると、読み合いにおける選択肢の一部は、システムを重視する人から見たらあり得ない、考えられない行動になっているということです。

だからシステムでしか勝っていない人間がブッパで負けると怒ります。イライラします。それは(システムから考えたら)あり得ない行動だし、こっちがガードすれば横スマで勝ってた、運ゲーに負けた、くだらないなどと揶揄されます。結果どちらも釈然とせずに終わることもあります。

ただ、読み合いで勝とうとしている人はそうは考えません。もしこのブッパをガードされたら自分は負けてもいい。相手の癖や、逆に相手が今まで一回も回避上がりしていないから、ここにかける、と自分の読みを信じて打ちます。その一撃には魂が込もっています。

システムと読み合いのどちらも正しいのです。
読み合いは不真面目に見られがちです。読み合いは不確定な情報、精神や癖、運といった物に頼っていると見られ、システムから見たらあり得ない行動をします。

しかし、スマブラSPは対戦ゲームです。対戦には人がいます。CPUや壁と戦う訳ではありません。オンラインでも、オフラインでも人と戦います。読み合いは避けては通れないのです。そして、読み合いには解説動画がほとんど存在しません。


『なぜ俺たちはサムスに勝てないのか』

本題です。なぜ、俺たちはサムスに勝てないのか。それは俺たちが動画を見てシステムを勉強して今まで強くなってきたからです。つまり、システムは理解しているが、読み合いが下手だからです。

ここからは実践的な話ですので、トレモなどを使い自分で再現しながら見るとより理解が深まると思います。

サムスの読み合いになる状況とは何か。一番分かりやすいのがサムスがNBを溜めている状況です。相手がサムスだとしてNBを溜めているところに、あなたがダッシュして近づきました。ここでシステム的に強い行動とはなんでしょうか。
ダッシュガードと相手のNBを避けるジャンプです。
どちらも溜めているサムスがそのままNBを打った場合も打たずに溜めていた場合もダメージをもらうことはないように思えます。言ってしまえば、リスクを減らした行動に見えます。

ここで、読み合い的に強い行動とはなんでしょうか、とはなりません。先ほども言ったように読み合いに不正解はないからです。
サムス側は相手のダッシュガードを読んだらNBをガードでキャンセルして掴みができます。相手のジャンプを読んだらガーキャン空前で迎撃します。
もし、サムス側が読みを外した場合、多くの場合は相手からの反撃をもらいます。しかし、読み合いに勝てばリターンを得られます。サムスの行動は全て読み合いの観点では正解です。
まとめると、サムス側はリスクを背負った上でリターンを取っているように見えます。

以上からサムスのNB溜めに対して攻める側はリスクを減らした行動をとり、一方サムス側はリスクを背負ってリターンを取りにいっているように見えます。もしこの状況が10回起これば、リスクを背負っているサムス側が負けるように思えます。しかし、実際はそうはなりません。俺たちはサムスの空前や掴み、あるいはチャージショットに当り続けて負けます。なぜでしょうか。それは俺たちがシステム的に強い行動しかしていないからです。

もう一度、話を戻します。サムスは相手がダッシュガードなら掴み、ジャンプなら空前でリスクを背負いながらリターンをとることができます。言い換えれば、サムスは掴みが届く距離でNBを溜めながらジャンケンをしていることになります。ここからジャンケンの話をするので、もうひとつパターンを増やします。サムスがNBを溜めている最中にそのまま打ってくるというパターンと、攻め側は掴みをかわせるその場回避というパターンです。ジャンケンに置き換えます。

サムス側
グー : 掴み
チョキ : NB
パー : 空前

攻め側
グー : ジャンプ
チョキ : ダッシュガード
パー : その場回避

このようになります。ただ、これにリスクという概念が付随します。皆さんは「グリコ」と呼ばれるジャンケンの遊びを知っていますか。ジャンケンをしてグーで勝ったら3マス、チョキかパーで勝ったら6マス進めるというゲームです。これで普通にジャンケンするのが初心者、チョキとパーで勝った方が得だから、チョキをたくさん出そうとするのが初級者、選択肢を散らすのが中級者、癖を読んだ上で理論的、もしくは感覚的につめて最善の出し方をするのが上級者です。

これがそのまんま、先ほどのサムスと攻め手のジャンケンに置き換えられます。初級者はダッシュガードやジャンプなど自分の癖になっている行動しかしません。しかもそれがリスクの少ない行動に見えているのだから、同じ状況になっても何度も繰り返そうとします。止まらないのです。


そうすると何が起こるか。サムス側は相手の癖に合わせるだけでリターンで勝ちます。一見読み合いに負けているようにも見えますが、そうではありません。サムス側はむしろ相手はジャンプしかしないから空前するだけで勝てる、くらいしか考えていません。言ってしまえば、攻め手はシステム的に強いと自分が信じ続けた、動画を見て学んだ行動しかできないので、一向に止まりません。ワンパターンになる原因はここです。自分が正しいと思っている行動でなぜか負けるから止まらないのです。そして負けると怒ります。イライラします。自分の方が正しいはずなのにどうして負けるのかという気分になります。でも、読み合いから考えれば負けるのは当たり前です。

では、どうして読み合いができないのか。それは読み合いを解説している動画がない、もしくは難しすぎるからです。前述したように読み合いに必要な要素は多すぎます。しかも不安定な情報である、相手と自分の癖や心理的状況が関与します。

そして、読み合いができていないから自分がサムスを使ってもシステム的に強いと考える行動をしがちで、結果的に読まれて勝てません。


話が長くなったので、まとめます。
俺たちがサムスに勝てないのは今まで、システムの面でしか強くなろうとしてこなかったからです。読み合いを理解できていないからです。そしてシステムが正しいように思えて、システム的に強い行動をして負けることに対して、イラついてしまうからです。


『俺たちがサムスに勝てるようになるために』

ここからが俺たちが知りたかったこと。サムスに勝てるようになるために。
結論から書くと読み合いに強くなることです。
先ほどの状況は読み合いとして分かりやすいため解説していきます。

ここからは長くなる上に使用キャラで異なるので流し読みした上で自分のキャラに当てはめて考えてください。

まず、使用キャラが相手の空前に対して反撃をとる手段を持っているかを考えます。ガードから取れるならダッシュガードは相手のジャンプ読み空前に対してリターンが取れます。

次に相手の掴みに対してその場回避から反撃を取れるか考えます。その上でどうやったら最大反確を取れるかトレモなどを使って確認します。実戦でそれを決められるように練習します。

相手のNBをジャンプで避けた場合反撃を取れるか考えます。反撃が取れないとなった場合はどこに着地するかを考えます。その上で相手のDAや掴みなどに対して読み合いを仕掛けます。

ざっとこんな感じです。これが動画を見たり、誰かに教えてもらうだけで実戦できるようになるわけがありません。自分で考える必要があります。


では、その読み合いを仕掛ける距離がどこなのか。ここが自分たち初級者と上級者の違いです。上級者は上述した読み合いを理解してます。その上で反応が速いです。ですから、上述した読み合いになる距離が近い上に、相手の掴みを見てからその場回避を合わせるといったこともやってのけます。
上級者は意識配分ができている、つまり相手の取りうる選択肢を全て網羅しているから反応が速いとも言えます。

俺たち初級者にできることは、まず読み合いを理解することです。そして、読み合いを仕掛ける距離を理解し考えて設定して、実戦することです。


『読み合いを理解する』

読み合いは一朝一夕で身につく物でも、誰かに教えてもらえる物でもありません。

スマブラSPは対戦ゲームです。勝つためにはどうしても読み合いが必要になります。システムも必要になりますが、システムだけで勝てるゲームではありません。俺たちは人と戦っているのであってCPUと戦っているのではありません。

読み合いを理解して、サムスに勝てるようになりましょう。