渡邉りょうという漢


大阪デビュー

2023年7月28日、ヤンマースタジアム長居。
セレッソ大阪対パリ・サンジェルマンの親善試合。
セレッソサポでもない、海外サッカーにも興味がない男が、どうしても観たい試合になった。

つい1週間前まで、同じ色のユニフォームを着て、ゴール裏から名前を叫び続けていた選手が、そのピッチに立つからだ。

渡邉りょう。
藤枝MYFCからセレッソ大阪へ電撃移籍をしたばかりだが、シルバーに染め上げた髪、そして鋭い眼光でボールを追いかける姿は、オオカミをモチーフとしたエンブレムのこのクラブに相応しいのかもしれない。


1年前の衝撃

昨年6月、藤枝サポの仲間とアウェイ遠征した帰りの車内に衝撃が走った。

『沼津の渡邉が移籍するって』

え、渡邉選手って言えば沼津の絶対的エースじゃん?このタイミングで?どこに行くの?ざわつく車内。
「藤枝に合いそうだし欲しいけど、来るわけないよ。もっと上のレベルでやれるでしょ」というのが、サポ仲間との総意。

そして数週間経った7月13日の正午、クラブからのリリースで再び衝撃が走る。

移籍リリース

本当に藤枝へ来ちゃったよ!


りょうに惚れる

7月13日に移籍発表し、翌日の練習からチームに合流。そしてその週末のアウェイ・テゲバジャーロ宮崎戦には、さっそく帯同し、1点ビハインドの後半10分に藤枝デビュー。
その4分後には持ち前の身体を張ったプレーから同点ゴールに繋げる!
(ちなみに宮崎の先制点は、後にチームメイトとなる徳永裕大選手)

そこからは、ワントップとしてレギュラーポジションを獲得。前線からの守備を惜しまず、懸命にボールを追いかける。
好機と見ればゴール前に顔を出し、虎視眈眈とゴールを狙い続ける。
その姿に同性ながら惚れ、虜になった。


J2昇格

りょうの加入により、藤枝の攻撃は活性化され、横山暁之や久保藤次郎、榎本啓吾といった中盤の選手の得点も増え、【超攻撃的エンターテイメントサッカー】はJ3リーグを席巻した。
終わってみれば、優勝こそ逃したものの2位となり、念願のJ2昇格を達成した。

長野の歓喜

その頃からの不安。

りょう、引き抜かれるんじゃない?

この夏に加入して半年間、得点こそ3点だったが、攻守にわたる活躍に上位のクラブから誘いはあるかもしれない。あるだろう。あって当然。という不安に駆られる。
しかし、昇格から数日経って【契約更新】の一報に胸を撫で下ろす。

また、りょうと戦える。


J2での躍進

晴れてJ2初陣となった藤枝MYFC。
しかし開幕前の予想ではダントツの降格候補。守護神・内山圭がJ1鳥栖へ移籍し、大きな補強もできないままだったので無理もない。

ところが、開幕2連勝をはじめとした快進撃。その原動力となったのは、J2日本人最多の13得点を記録したりょうの活躍は言うまでもありません。

そして再び訪れる移籍への不安。


藤から桜へ

7月23日未明に衝撃が...

ついに来たか…

J1セレッソ大阪が【獲得が決定的】、【交渉は順調】、【近日中に発表】との報せ。
前日の試合でもフル出場して、もう少し一緒に闘えると思っていたので、正直なところはショックが大きかった。
けど移籍先はJ1で5位のセレッソ大阪。
断る理由も無いし、快く送り出そうとすぐに切り替えることもできました。


ありがとう

藤枝でともに闘った時間は、たった1年間だけだったけど、ともに喜び、ともに悲しみ、ともに叫んだ時間はとても濃密だったし、忘れられない時間となりました。ありがとうございました。

同じ県内の同じカテゴリーに、いわゆる『禁断の移籍』と言われながらも、貴重な戦力を送っていただき、ともにりょうを応援してくれた、アスルクラロ沼津サポーターの皆様、ありがとうございました。

ちょっと前まで無名だったりょうを、期待を持って迎えてくれた、セレッソ大阪サポーターの皆様、ありがとうございます。これからいっぱい期待してあげてください。

そして、これからも一緒に【渡邉りょう】という漢を応援して行きましょう。

がんばれ!りょう!
世界へ飛び出せ!

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