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チャーシューメロンパン島

テレビでチャーシューメロンパンの食べ歩き番組が放送されていた。
グルメ番組を見る時間を割くくらいなら1秒でも早く自分の足で美味しいごはんやさんに行って自分のおなかを満足させたい。そもそもテレビが信用できない。そんなグルメ番組アンチ過激派の私であったが、チャーシューメロンパンという響きが、いかにも電気グルーヴの歌詞にありそうな単語で良かったので微笑んでしまった。

現代日本人というものは遅かれ早かれ、いずれ電気グルーヴという存在を知る。

初めてちゃんと聴いた曲は「Cafe de 鬼(顔と科学)」だった。
2016年11月17日、当曲のMV公開日だ。このMVはもともと2004年に制作されたものだった。12年の歳月を経て。11月17日は、電気グルーヴのピエール瀧が最も「鬼」という単語をレコーディングさせられた日として鬼日(きび)と設定されたため、その日にリリースされた。

彼らの存在を認知した時は、「いいのか…?そんなことまでしちゃって…」という感情と、「やっちゃえやっちゃえ!」という感情がせめぎ合った。

何の脈絡もないかのようなキテレツな単語が羅列された歌詞は、組み合わせによって新しいユーモアを授かって私たちの頭の中で生き生きと輝き始める。

ここで電気グルーヴの好きな歌詞ランキングをしてみよう。
とはいえ、電気グルーヴの歌詞は前述したような「単語羅列タイプ」のほかに、「センチメンタルタイプ」もある。後者は、読むば読むほどその置かれている状況が染み込んできてしめやかに心寂しくなるようなものだ。というわけでわざわざ部門分けをしてみた。ニュアンスはランキングを見ていくうちに分かるので、まずは見てみてほしい。

【電気グルーヴ歌詞選手権 単語羅列部門】

第3位
ビデオで見せてね蛇for you
オールスター家族対抗蛇合戦
  ──オールスター家族対抗蛇合戦

第2位
ガリ曲署勤務でガリガリ盛りのガリガリ君
  ──ガリガリ君

第1位
ヴェネチアグラスの火炎瓶
  ──人間大統領

まとめ:もれなく声に出すと気持ちのいい言葉だらけである。ヴェネチアグラスの火炎瓶が作られるに至って、相当嫌なことがあったのだろうと思う。


【電気グルーヴ歌詞選手権 センチメンタル部門】

第3位
手に汗握るデッドヒート
免許なんかなくてもフルスピード
  ──Hi-score

第2位
ジャンボタニシがよ
手袋編んだだよ
気立てのいい娘だよ
  ──ジャンボタニシ

第1位
買ってもらったアニメの主題歌のカセットテープ
唄っているのはTVとは違う全然知らないヤツ
  ──なんとも言えないわびしい気持ちになったことはあるかい?

まとめ:親にCDや漫画のおつかいを頼むと若干違うものを買って帰ってくるのはよくある話だ。それは料理に砂糖と塩を間違えて入れてしまったくらいの大きなミスだが、その重大さを分かってもらえず、買い直しもしてもらえないのである。
第3位はゲームセンターのイヤな大人の話。会社を休んでまでゲーセン行く人間でもゲームでなら無免許運転ができる。この世の真理である。

みんなも聞いてみよう、電気グルーヴ!

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