ヒナタナオの「それでも。」が日向奈央だった

ヒナタナオの「それでも。」が最高だったので感想を書いていこうと思う。個人的な感想だったり解釈を書いていこうと思う。あくまで個人の感想です。読みづらいと思いますがよろしくお願いします。

アーティスト名

カタカナで「ヒナタナオ」というアーティスト名になっている。これはVRアイドル「えのぐ」の日向奈央ではなく、一人のアーティストなんだということを感じる。カタカナかっこいいよね。

イラスト

今回Youtubeのギターを背負ったイラストとEggsの方のリュックをを背負ったジャケットのイラストで二枚のイラストがありますよね。個人的には「Youtubeのイラストのように落ち込むときもこの曲を聴いてジャケットのイラストのように上を向いてほしい」みたいに解釈しました。この辺ホント難しい。
それぞれのイラストすごくひなおらしさが詰まってますよね。ギター、リュック、イヤホン、パーカー。好きです。
個人的にはリュックの大きさと形が好きです。

曲全体を通して感じた事

普通の女の子だったけど輝く場所に憧れてアイドルになった日向奈央。
そんな日向奈央の中の「輝く場所に憧れる普通の女の子」の面と「VRアイドルえのぐの日向奈央」の両方の面を一人のアーティストヒナタナオが歌い上げた曲という印象を受けました。

そして、歌詞からは日向奈央がどういう人間なのかがすごい伝わってくる。特に1番や落ちサビの歌詞はすごい深い部分まで書かれている。最後まで聞き終えると、まるで日向奈央をマネージャーの丸茂さんくらいの距離でずっと見てきたように感じるほどに。
曲はエレキギターとドラムの音が印象的なロック調で。ひなおといったらロックみたいなとこないですか?音楽詳しくないのでロックの定義とか知らないですが。

ロックなんだけどゴリゴリの激しい感じじゃなくて爽やかな音。ゆったりめなテンポはこの曲の歌詞のひなおの思いをぼやけさせることなく伝えてくれてます。

1番Aメロ~Aダッシュメロ

何気なくイヤホンを手にしてる
そんな日々 でもいつからか私も
向こう側に行きたくなってしまった
憧れてしまった

特別な才能なんて持ってない
”大丈夫”そう心に言い聞かせ
できることを精一杯頑張るただ
それしかできない

Aダッシュメロの「特別な才能なんて持ってない」の歌詞がこの曲の核な気がする。「特別な才能なんてもってない。それでも。」みたいな。
僕は「特別な才能なんて持ってない」と言われて少し納得してしまうくらいに日向奈央という女の子の中身はすごい普通の女の子だと思ってた。それでも輝こうとがむしゃらに頑張るのがひなおがすごい好きなんだけど、Aメロ~Aダッシュメロはそんなひなおの姿まんまだなぁと思う。
特別な才能がなくて、もしかしたら「向いてない」と言われたこともあるかもしれない。それでも諦められないほど向こう側への憧れが強いことを感じる。『行きたくなって「しまった」』『憧れて「しまった」』の「しまった」の歌詞から、その憧れをどうしようもなく諦められない感じがします。
「それしかできない」の切ない歌い方で胸が苦しくなります。
日向奈央に「大丈夫、ひなおはもう向こう側にいるよ。輝いてるよ。」と言いたい。

1番Bメロ

今もずっと夢に見ている
輝く場所を

「向こう側」への憧れの気持ちをさらに強調するような歌詞。「今もずっと」がいいなって思います。
「見ている」の急に音が高くなるところきれいに歌ってますよね。
Bメロ終わり、サビに向かうところのギター好きです。

1番サビ

いつだって叫び続ける
私の確かな気持ち
諦めない へこたれない
これが私なんだ
上を向いて歩こう
ワガママに笑って

何か決意のようなものを感じる。
最初聞いたときは「これが私なんだ」は「諦めない へこたれない」にかかってて自分に言い聞かせて自信を持とうとする「これが私なんだ」だと思って聞いてました。何回か聞いた後では、「特別な才能なんて持ってない」にかかってて、「特別な才能がない、それが私なんだ」というような感じに思う。自分の才能の部分はもうどうしようもないと諦めてるような。「それでも」夢は諦めないというような。あとは歌詞全体で表現されているひなお自身の思いについて「これが私なんだ」と言ってるようにも。力強いドラムの音はその思いの強さを表してるようで。

「ワガママに笑って」の歌詞はとても印象的でした。「ワガママ」というのは悪いイメージの強い言葉だと思うから。「自分勝手」「周りの言うことを聞かない」みたいな意味だと思ってます。個人的な「ワガママに笑って」の解釈は「才能が無いことで周りに何を言われてもそんなの関係ない。私は諦めないよ」って感じがしました。
あとは「ワガママ」から「強欲に上を求め続ける姿勢」を感じるし、その強欲さを「ワガママ」と言うことで響きのかわいさがあるし、「ワガママ」って子供によく使う言葉だから、もうすぐ18歳というひなおの若さなんかを感じたり。
また、「ワガママに笑って」の優しい歌い方からはなんとなくその顔を想像できるような感じもします。

2番

果てしなく広がるこの世界に
気がつくとドキドキでいっぱいで
覗いてみると知らなかった物たち
敷き詰められていた

走る足が導かれるように
目指した場所へ

いつだって求め続ける
私の大好きな音
聴いてみて 口ずさんで
贈りたい物語
飽きずにこの先も

2番まとめていきます。
1番と歌詞の雰囲気が大分変ります。1番はシリアスというか、ひなおが普段見せない自分の内側の思い、普通の女の子だった日向奈央がアイドルになる中で感じた思いだと思います。
2番では普段から僕らに見せているアイドルの「日向奈央」の姿を感じます。
Aメロの歌詞では、これまでたくさんの「知らなかった物たち」に挑戦してきて、その度にドキドキしながら、そのドキドキを楽しみながら成長してきたひなおの姿が浮かびます。
サビの「私の大好きな音 聴いてみて 口ずさんで 贈りたい物語」も。歌うのが好きで、いろんな曲を好きになって、その度歌えるようになりたいって練習して、届けてくれて。「求め続ける」というのにストイックさや歌へのこだわりを感じたり。「物語」という表現も面白い。
「飽きずに」の歌詞も1番の「ワガママ」と同じように、聞くたびに少し引っかかって自分の中に余韻を残してくれる。
また、熱中してないものには飽きるという言葉は使わないから、歌へ熱い思いを持ってることもわかるのかな?「この先も」とつくことでポジティブな雰囲気が出る。ちょっとモヤモヤしたのでweblioで「飽きる」を調べた。

あ・きる [2] 【飽きる・厭▼きる】
( 動カ上一 )
〔四段動詞「あく」の上一段化。近世江戸語以降の形〕
① 同じ物事が何度も続いて、いやになる。いやになって、続ける気がなくなる。 「パン食に-・きる」 「仕事にすぐ-・きて長続きしない」
② 満ち足りて、これ以上はいらなくなる。 《飽》 「好きな物を-・きるほど食べたい」
③ 動詞の連用形の下に付いて、いやになるほど十分に…する意を表す。 「見-・きる」 「そんなせりふは聞き-・きた」

②の意味がすごいしっくりきました。好きなもの(歌)を求め続けるけど満ち足りることなくどん欲に求め続けるよということなのかなぁ。

Cメロ

いつもの私じゃ
言えずにいた気持ちも
今だったなら素直になれる
不安だけど言うよ あぁ

2番からCメロまでの間奏が非常にかっこいいし、かつ2番からCメロへの雰囲気の変化をより印象付けてくれてるような。

歌詞で気になるのは「いつもの私」ってどの私?ということ。
「いつもの私」というのはずっと女子高生としての日向奈央のことだと思ってた。普段は言えないけど、ステージに立てば、「向こう側」に立てば言えるよってことだと思ってた。だけど深読みしようとしてワンチャン「VRアイドル日向奈央」の可能性ないか?って。「アイドルとしてステージに立ってるときはなかなか言葉にできなかったけど、一人のアーティストとして歌詞にすることで思いを伝えることができる」みたいな意味の可能性ないか?って。というのも、もともと僕はひなおは自分のホントの心の底の部分、自分の芯になってる部分をあまり見せない印象を持っていた。特に自分の弱いところは絶対に。でもこの曲ではそれが出ているので、ひなお自身の成長だけでなく、「えのぐ」で歌ってる時と、自分で詞を書いて歌うのでは心情的に変化があるのではないかと。考えすぎかもしれないけど。

落ちサビ~ラスサビ

悔しくて落ち込んじゃう日は
涙も溢れちゃうけど
頑張って 踏ん張って
全て乗り越えていく
夢見た未来まで

いつだって叫び続ける
私の確かな気持ち
諦めない へこたれない
これが私なんだ
上を向いて歩こう
わがままに笑って

必ず叶うから

落ちサビほんっと最高です。正直ずるい。泣くじゃん。
歌詞の話から。
ひなおの涙と言ったらやっぱり悔しさの涙で、その度にその悔しさを乗り越えて大きくなってきたんだなって思う。また、僕はこの歌詞を聞くと3rd LIVE in 東京でのパフォーマンスに満足いかなくて悔しくて泣いてたエピソードが毎回浮かぶんですよね。ひなおは涙を見せないけど、ひなおの涙は、ひなおの涙の理由は周りを感動させるし応援したいと思う。最後の歌詞の「必ず叶うから」は聞いてる僕たちに「みんなも大丈夫だよ」と語るようでもあり、歌ってる自分自身に言い聞かせるようでもあり、諦めないで踏ん張り続けてきた今までの自分へのメッセージのようであり。

歌の話。
「悔しくて落ち込んじゃう日は涙も溢れちゃうけど」のとこの歌い方が今にも泣くと思わせるような声。ギリギリで耐えてる感じの。それにつられてウルウルくる。それでいて声はきれいで何この子。
そしてそこから「頑張って踏ん張って」と少しずつ力強くなってってからのラスサビの盛り上がりにつながってる。最高かよ。

曲の話。
いままでエレキギターの印象が強い曲だったのにここはアコギの音でそのギャップはさらにこの落ちサビを印象付けてるように感じる。

最後に

Eggsの楽曲解説ではこう書かれている

気持ちが落ち込んだとき
何かを諦めそうになったとき
この曲が少しでも前を向くキッカケになれば嬉しいです

前を向くきっかけになる曲というと、励ますような歌詞の曲が思い浮かぶ。しかしこの曲は気持ちが落ち込んだり、諦めそうになってもそれでもと諦めずに頑張ってきたひなおの姿に勇気を貰える曲になっている。
曲も歌詞もアイドルの日向奈央というより一人のアーティスト「ヒナタナオ」の印象を受ける曲だけど、自身が頑張る姿で周りをプラスの気持ちにするのはすごくアイドルらしいとも思う。
普通の女の子であり、VRアイドルであり、一人のアーティストである日向奈央。そのどの面も「これが私なんだ」。というような日向奈央だけの曲になってると思う。
すごく「日向奈央」を感じるので、日向奈央を知らない人にもたくさん聞いてほしいと思う。

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