GP9th振り返り-初GPで握った5cのお話-

みなさん初めまして。かっぱーと申します。カードゲームやアナログゲームが大好きな学生ゲーマーです。

早速ですが、先日静岡ツインメッセで開かれたGP9thに参加してきました。復帰してちゃんとデッキを作りはじめてから初めてのGPで、かつ私の地元ということもあり、デュエマのGPに初参加してきました。

結果というと5-3で予選は全8戦戦えたものの予選落ち。詳細な戦績は以下の通りです。

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予選ランキングは346位となりました。残念な結果ではありましたが、勝ち越すことが出来て、少し自信にもなりました。

今回紹介するのは私が握った5cデッキについてと、その使い心地に関するお話です。どこが良かった、どこがダメだったかも触れていくので良くも悪くも参考にしていただければと思います。カード1枚ずつに対しての解説も行っていくのでめちゃめちゃ長くなるとは思いますがお付き合いください。

デッキ概略​

はじめに今回使用したレシピがこちらです。

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次元とGRどちらも採用したデドダム獅子王軸の5cデッキです。

このデッキを見てみなさんは何を感じるでしょうか。私であれば色々なデッキのキメラ見たいでコンセプトが無いのではないか?、カードの種類が多すぎないか?(リスト書くの大変でした)とかを思います。実際に私個人としても他の方の掲載しているリストと比べてすごく汚いリストだと思います。

ではこのデッキの勝率が悪かったかというと前述の通り5-3と勝ち越し、初のGPで予選最終戦まで生き残ることができました。また、雛型で出場した非公認大会ではバッシュギヌス、チェンジザドンジャングル、青魔道具に勝って3-1と中々の勝率を納めており、友人との調整においても、赤白サンマックスに対して微不利、アナダムドに対して五分以上と速攻からコントロールまで幅広い相手に一定以上の戦績を残すことが出来ました。

では、どうして新旧色々な環境デッキがいるGPという場でそこそこ戦えたのか、それについて自分なりの考察を紹介したいと思います。

採用カード解説

それでは各カードの採用理由等に触れていきます。

・裏切りの魔狼月下城×1
多色デッキにおける最強のハンデス札です。このデッキでは当然のごとく余った2マナで3ハンデスを決めて相手の動きを遅延させることが出来ます。
また、このデッキの雛形を作ったときに環境にあった速攻デッキである赤白サンマックスなどは強い動きをするのに手札を消費するデッキであったので、2コストで打っても相手の動きを遅らせるのに弱くは無いかなというのと、イグゾースト、ウォズレックの存在もあり採用しています。

・改造治療院×1
GP直前に搭載したカードです。参考にしたのはハンデスダムドで特にこのデッキではツインパクトも多いことから採用しました。
裏切りと同じく相手の行動を阻害しながら、呪文面で使用したツインパクトを回収、そのまま再使用や展開という動きを出来るのが強みです。リバホと比べて軽いため、回収→展開の動きが同一ターンに行いやすく、対処の速さが求められる場面でも使いやすいです。

・天災デドダム×4
このデッキにおける最強の基盤カードであり、手札が減らないブーストでもあります。このデッキの一つの理想ムーブとして、3コスブースト→獅子王から大型獣を展開する3→5→9の動きがあり、その動きを最も安定させてくれるカードです。
また、このデッキではドンジャングルによるマナからの展開、イグゾースト、ウォズレックによる墓地からの呪文の使用が出来るためデドダムの効果を余すことなく使えます。
その他、ドキンダム・アポカリプスで付いた封印外しを3色分担当できたり、ダムドになって除去を飛ばしたりと非常に器用です。

・ジャックアルカディアス×2
雛形を作った当時に環境にいた青魔道具を見て入れた枠です。元々は3枚入れていましたが青魔道具の減少を考えて2枚に減らしました。
デッキに入っている最軽量の除去札であり、メメントを除去できる点も含めて弱くは無かったのですが、当日はあまり刺さっている感じではありませんでした。

・獅子王の遺跡×4
多色武装4で3ブースト出来て、山札を掘れる枚数の多いデドダムとの相性が良いカードです。
獅子王の遺跡の強い点は、トリガーであることです。マナさえ溜まってしまえばパワーカードを投げつけて解決できるこのデッキでは、このカードがあるだけで速攻から中速に対しての耐性が上がります。また、5色を揃えなくても多色4枚揃えるだけで良いので、デッキ内の色の最低枚数に多少自由ができます。これらはフェアリーミラクルには無い強みで、環境が速くなっている現在では獅子王採用型や併用型が強く感じます。

・イグゾースト×1
5cデッキにはじめて採用してみた実験枠。サンマックスを意識して採用していた枠で、デドダムと組み合わせることによって、プーンギ、パックン下でも、3→5→9の動きが出来るのが偉いです。
また、武装無しで使った裏切りの再使用やアイドワイズシャッターで3面止めなど、色々な相手に対して器用な動きが出来ます。
コマンドを持っていることからダムドにもなれるので、攻防兼ね揃えた非常に便利なカードです。

・リバイヴホール×1
このデッキ唯一の超次元呪文で、採用した次元も全てこれから出すことの出来るものです。想定としては生姜からダムドを展開しながらの2面除去や、ガンヴィートによる安定した確定除去や、醤油からの相手の行動の遅延などがあります。
非常に便利なカードではあるのですが、当日はこのデッキに刺さる相手と当たらなかったのか少し採用する旨味は薄かったように感じます。このデッキでは、プチョヘンザが採用されていないのも大きいかもしれません。

・スゴ腕プロジューサ×1
新弾で高コストマナドライブサイクルが出たことによってお試しで採用してみた枠ですが強いです。
赤単ブランドとの戦いでは盾から出て来てボロックを焼いたり、鮫が出て来て動きを止めたり、多色マナが増えたりと速攻に対して受け札として活躍してくれました。また、ドロマーハンデス相手に事故ったときはアグロプランでは後続を呼んでくれるアタッカーとしても活躍してくれました。
特にマナが貯まりやすいデッキなので、相手からすれば除去をしたら何が起こるか分からない恐怖と戦うことになります。これはシータミッツァイルが流行ったことにより生まれた心理的なハードルであると思います。実際のレシピを見てみれば、テンポが重要な赤単ブランド以外のデッキでは、エナジー以外の何が出ても大きく全体の優劣が変わることは少ないことは分かります。しかし、シータミッツァイルのあの動きを知っている分、あまり見かけるタイプでないこのデッキを相手にしたときに、ここを機転に動いて何か始まるのではないかという疑念が生まれ、1本先取であるGPの特徴と噛み合ったカードだったのかなと感じています。
それはそれとして、エナジーが出たら戦況は変わります。やつはバグです。

・ドンドン水撒くナウ×3
獅子王などでバンバンカードがマナに置かれるので、マナを伸ばしながらマナ回収、バウンスが出来る便利なカードです。このデッキではサイゾウミストを回収、相手をバウンスしてリーサルまでの要求値を伸ばすことなどが主な仕事です。
ひたすら便利なカードなので4積んでもいいかなと思ってましたが、とりあえず1枠プロジューサに譲りました。

・不動×1
シータミッツァイルを止める手段として採用した1枚です。言ってしまえばチェンジザドンジャングルのドンジャングル不動のパッケージを採用した形です。ドンジャングルに対する除去札がほぼ完全水だけであるシータミッツァイルに対して、盤面を磐石にするために採用しました。

・達閃/パシフィックスパーク×2
こちらもシータミッツァイル対策です。ついでにクリーチャーループ相手にもそこそこ強く出られるんじゃないかなと思ってます。
シータミッツァイル相手にはもちろん活躍してくれましたが、メタリカサザン相手にも強く、このデッキが苦手とする横並びを未然に防いでくれるカードです。殴れる、ラストバーストで1t分稼いでくれるなど、展開防止以外の能力も地味に優秀で、こいつが殴れることが勝敗に直結した場面もありました。

・ウォズレック/審問×2
2t目に撃てるピーピングハンデスとしても、使い終わった裏切りや3コスブーストを使い回してもまあ強いです。
予選でも審問で赤単ブランドのチクタックを落としたり、ウォズレックで墓地からお清めシャラップを使い黒緑ツインパクトの墓地を消すなど器用に動いてくれました。
初手のマナ置きとしても優秀で、青のコマンドであるのでダムドにもなれる何かと利便性の高いカードです。このカードの存在のために改造治療院が採用されています。

・メヂカラコバルトカイザー/アイドワイズシャッター×2
多色デッキにおいて最強クラスの防御札だと思っています。呪文面は盾から捲れれば最大4回分の攻撃を防いでくれて、クリーチャー面は大量展開からの即死を減らしてくれます。ただ完全水→ミッツァイルの流れで一気に殺されることはあるので、安全圏は不動が場にいるか、重複有りで達閃・ドンジャングル・メヂカラのうちから3体が同時にいることが必要になります。とはいえバックラスターで焼かれず、ドンジャングルから出てくるパワーラインは有能です。
また、呪文に反応する2ドローも強いです。手札さえあれば解決できる場面の多いデッキなので相手に選択を迫ることも出来ますね。

・サイゾウミスト×2
特筆することも無いですが、防御的シノビ兼山札回復のカードです。パワー7000、Wブレイカーを持っているので、たまに打点として素出しすることもあります。防御を考えるなら3枚目も考えられますが、殴らないと勝てないデッキなので2枚。序盤はマナに置いて色にして、後からシャワーや白米で回収することが多いですね。

・ステゴロカイザー/お清めシャラップ×2
デドダムが初手に無いときの補助カード兼墓地利用デッキ対策。ダムドを見ての墓地ソや青白スコーラーが多いかと考えて直前に2枚に増やしました。9割は下面利用でたまにダムド乗っけて2面除去などします。
結局墓地ソとは当たりませんでしたが、黒入りの相手に当てて墓地利用を防いだり、デッキ回復したり器用に動いてくれました。

・天下五剣カイザー×1
このデッキの最大打点であり、蒼龍から出て来て青魔道具やダムドなどの追加ターンを取ってくるような相手にも延命出来る点を考えて採用しました。Tブレイカー持ちSAなので打点補強としても強く、ブロックもしにくいので純粋にアタッカーとしても優秀です。

・蒼龍の大地×2
このデッキにおける最強のトリガーで、無限の可能性を見せてくれます。5c蒼龍なんてデッキタイプもあるくらいなので、その強さは折り紙付きです。受動的に使っても能動的に使っても強く、もう1枚くらい増やしても良かったなと感じています。実質的に全てのクリーチャーの採用数を+2してくれているようなものなので、1枚積みが多いこのデッキでもかなり安定した勝負が出来るようになり予選中も各試合で大活躍しました。

・灰瞳×1
防御札兼ドローソースでもあります。仕切り直しとして優秀ですが、過剰打点を並べてのワンショットやループが多い今の環境では他に優先したいカードがあるので1枚にしました。今回の予選では蒼龍から出て来て緊急時の延命用としてというよりも、一度盤面をとったあとに仕切り直しとして出して、優勢を返されにくくしながら打点を並べるという点で重宝しました。何だかんだ1枚あると安心感が違います。

・ドンジャングルS7×2
このカードを採用した理由は、直前のCSで結果を残した構築に採用されており、そのあとにあった非公認大会にこのカードを入れて参加したところ、かなり使いやすく活躍してくれたので今回のデッキの切り札のひとつとして採用しました。ミッツァイルなどの横に並べてくるデッキに対して強く、チェンジザドンジャングルでの採用のされ方を見習って、このカードから射出するカードを選びました。
5cに搭載する上での唯一の欠点としては緑の単色であることですが、それを考えても非常に強いカードをだと思います。
最速であればチェンジザドンジャングルと同じく5t目に出せる点、蒼龍の大地から使えばチェンジザのようなハンデスをしにくくなるクリーチャーを除去してからニコルを投げつけられる点で5cでも変わらず活躍してくれます。

・黒豆/白米×1
下面が便利すぎて1枚採用したカードです。逆に非常に便利なのですが山札は1枚しか掘れないので、1枚になりました。デドダムを補助するスタートカードであり、このデッキ最軽量のマナ回収で、イグゾーストやウォズレックからも撃てる万能なカードです。
滅多に使いませんがクリーチャー面も緩いロックをかけることが出来、詰めとして最後に並べることもあります。

・ニコルボーラス×2
もはや5cデッキと言えばのカードであり、最強のハンデスクリーチャーといっても過言ではない実績があります。マナとしても優秀で蒼龍手打ちのための貴重な赤マナを出してくれます。
今回も手打ちやドンジャングルから出て来て雑に活躍してくれました。AOEが無いときにちびちびとタップキルをしながら盤面を取っていくニコルボーラスは可愛かったです。

・デッドダムド×1
万能除去として1枚積みました。デッキの見た目からは分からないと思いますが、実はこまめに殴るデッキなので、除去を飛ばしながら出てくる打点補強として優秀です。一般的な除去はほぼ効かず、色んなクリーチャーに乗っかって2点飛ばせるので本当に便利です。

・ドキンダムアポカリプス×1
直前に1投したカードです。元々はダムドを意識してVANを積んでいたのですが、このカードと入れ換えました。前述のVANやテック団、プチョヘンザを積んでいないこのデッキでは唯一のAOEです。予選ではメタリカサザン相手に3コスブースト→獅子王から最速降臨しサザン含めて封印したり、ミッツァイルの2点から獅子王蒼龍が捲れて盤面をリセットしたりと大活躍でした。
ダムド以外に対して封印の通りが良く、自分にはデドダムをはじめコマンドが何枚か積まれているので封印を外しやすく、環境とデッキとうまく噛み合った1枚でした。

これでメインは終わりです。
続いてGRクリーチャーに行きます。GRクリーチャーはウォズレックで相手の銀河やカマセを奪った場合に使うだけだった雛形からの経緯もあり、全体的に殴らなくても強いカードを選びました。

・パスオクタン×1
盤面を守るための1枚。ドンジャングルや達閃を守ってもらうために積みました。

・バツトラの父×1
雛形のときのままとりあえず1枚積んでみましたが、ポクタマやマーチスでいいかなという結論になりそうです。

・ポクタマたま×1
一応墓地対策に1枚積んでおきましたが、基本的にはお清めで事足りそうだという印象です。ランダムかつそこまで使う機会が無いので積むなら2枚、積まないなら0枚がいいかもしれません。

・マーチス×1
GR圧縮要員。ミッツァイルではないので、それ以上の価値はあまりありません。便利だとは思います。

・オコラッタ×2
GRから出てくる除去札として採用。主に速攻対策で入れました。今回は1回も捲れませんでした。

・シェイクシャーク×2
相手1体を確実に止められるGRクリーチャー。速攻対策として採用し、無事に赤単ブランド相手に捲れて活躍してくれました。一応2000あるので、相討ち覚悟の殴り返しもそこそこ出来そう。

・マリゴルド×2
強い。がこのデッキにおいて出して強いのはプロジューサとデドダムくらい。1回捲れたが、そのときはまさかの5マナでマナドライブ発動せず。あまりにも事故っていたのでそのまま殴りかかって勝ちました。

・エナジー×2
バグ。どういう経緯で捲れても強いので採用しました。プロジューサで殴りかかったときの除去で捲れて、その後の保険として働いてくれました。手札が少し切れやすいので積んで損は無かったです。

GRは以上です。
続いて次元ですが今回リバイヴホール自体をあまり使わなかったため採用理由だけ簡単に書きます。

・ガガパックン×1
ホワグリとか積んでいた頃の名残ですがサプライズホール拾って出せるので1投。 

・シンカイヤヌス×1
同じくサプライズホールから拾って出せるので採用。

・シルバーヴォルグ×1
ブロッカー枠で採用。パワーもそこそこ高いので何かと便利。

・ツッパリキシ
パンプ枠兼3色持ちコマンド。相討ちを取られにくくなり時々役に立つ。

・勝利のプリンプリン×1
勝利セットを積んでるので採用。一応1体止められるが、今の環境ではあまり強くないかも。

・勝利のリュウセイカイザー×1
遅延枠兼3色持ちコマンド。一応ハリケーンクロウラーの動きを阻害できるので優秀。ターン数が延びれば延びるほどこちらは強くなるので、特に急いでいなければまずはこのカードから出すことが多い。

・勝利のガイアールカイザー×1
強襲打点兼3色持ちコマンド。最後の詰めでの打点追加や、ダムドを乗せての2面除去が多い。アナダムドの真似をして2枚積んでもいいかと思う。

・ブラックガンヴィート×1
確定除去枠。このデッキにはガロウズホールが入っていないので2面は取れない。コントロール相手なら強いが、除去に関しては生姜+ダムドに軍配。

構築・運用について

一応これで今回使用した全カードを紹介しました。

一応色々なカードの噛み合いなどを考えて組んでいたデッキではあるので、相応に回るようにはなっています。とはいえ、シータミッツァイルのように理不尽を押し付けられる展開力があるわけではなく、アナシャコのように耐え続ける耐久力があるわけでもありません。加えて、私自身のCS出場記録は1回でしかも1-4でボロ負けという結果ですので特別プレイングが上手かったり、勝負慣れしていたりというわけでもないです。
多分レシピそのものとしては5c蒼龍の方が綺麗で整っていて強いと思います。(実際に自分より上位の5c勢には5c蒼龍を握っていた人が数人いました。)

ではこのデッキの強みは何かというと、"何か分からないデッキ"であるということです。

GPという超大型大会では、みんながその日のために考えて調整してきた、その人に取って間違いなく最強の一番信頼しているデッキを相手にすることになります。そんなデッキを相手にするわけですから、ミスは許されませんし、自分の経験を頼りに最適解を選び続ける必要があるわけです。

ではそんなGPの場でこのデッキを相手にしたときのことを考えてみましょう。
相手は初手にウォズレックをマナに置きました。これはロマノフかアナダムドであろうか、アナダムドであればウォズレックを埋めるということは2コスブーストを握っていて……など色々考えて有効なカードを手札に残して、それら相手には要らないカードをマナに置いていくでしょう。
次のターン相手のマナには水撒くナウが置かれます。これは盾を厚くしたダムドだろうな、するとハンデスダムドかもしれない。だとしたら……と考えてまた自分のプレイをします。
また次のターン、ステゴロカイザーがマナに置かれて案の定デドダムが召喚されました。やっぱり予想通りだ。アナダムド相手であればこのルートで勝てるだろう……などと考えているところでマナにニコルボーラスが置かれて、墓地にはジャックアルカディアスが置かれています。そこでアナダムドとは何かが違うことに気がつく訳です。
次のターンには獅子王を撃ってきて8マナまで伸ばされ、その後アナダムドのために用意した札は刺さらず、そのまま盤面をとられて負けてしまった。

自分の環境に対する勉強と、その対面への練習の結果引き起こされるミスという、ある意味でGPだからこそ起こりやすいミスを誘えるのがこのデッキの強みです。

アナダムドのように見えて、盾は分厚く、マナは伸びてミクセルで飛んでいかずに処理される。
5c蒼龍のように見えて、さほど墳墓は刺さらず、細かくクリーチャーが並びビートを仕掛けてくる。
チェンジザドンジャングルのように見えて、プーンギのような呪文メタをすり抜ける手段が多く、マナを伸ばされ展開される。
そんな、定番の勝ち筋のある強いデッキではなく、小回りの効く構築だからこその強みを感じました。

相手にデッキを誤認させることで、殴るタイミングを間違えさせたり、本来刺さるはずのメタカードをマナにおかせたりと、相手のミスを誘い、それを加味して十分に勝てる盤面制圧力をぶつけるというデッキになりました。

これは全ての色が入る5cデッキだからこそ出来ることだと考えており、ある意味5cかつ環境外デッキの強みだと思います。


ではこれを踏まえた上でこのデッキの主な要素について触れていきます。

・マナブースト
今回はデドダム獅子王軸を採用しました。フェアプロさんの5cジョルマゲドンの動画でかなり器用に動いていたために選択、実際に大会等で回してみて強かったので採用しました。
デドダム採用の強みとしては掘れる枚数が他のブースト以上であること、呪文メタへの強いこと、実質ハンド消費0であること、盤面にダムドになれるクリーチャーが残ることなどがあげられます。また、ミラクル型では各10枚ずつ程度は入れなければならないところをこのデッキでは闇の配分にさえ気を付ければかなり自由な色配分に出来ます。加えて低コスト帯のカードを多く採用しており、最大が9コストなのでミラクル獅子王型にしなくても最速で5t目にはデッキの全カードを使用できるようになります。
また獅子王、水撒くとトリガーブーストは多めに採用しました。これらがあると無いとではビートへの耐性が違います。

・ハンデス
相手の選択肢を削り、ミスを誘うための手段として採用しました。最近の速攻デッキは手札がカツカツのものが多いため、1、2枚落とすだけでもいくらか時間は稼げます。その上でニコルや裏切りをぶつけて手札を捨てさせて、展開への対処を遅くする、非公開情報を減らし殴りやすくすることを狙いました。
また、以前に使っていた5cでは盤面が完成するまでどれだけサイゾウやトリガーで粘ったところで押し返せずに負けるという状況が度々あり、それを踏まえてこのデッキは隙を見てこまめに殴る構築にしました。有効札が分かりにくいというのもあり、数枚の手札増加で優劣がひっくり返ることは少ないです。そのためハンデス後に数枚盾を割って、相手にリーサルを意識させ、少ない手札での盤面の処理にリソースを割かせることでゲーム全体の優勢を保てるように進めていくことも戦法の1つとなっています。これらの理由から他の5cと比べて細かいハンデスカードが多めに積まれている構築になりました。

・盤面除去
マッハファイターや蒼龍での戦闘破壊、ダムドやニコルによる除去、アポカリプスによる封印が主になります。小型はドンジャングルで抑えられますし、横展開は達閃で抑えられるので、AOEは破壊よりも協力な封印だけにしました。

・封印
ダムド以外の環境への通りやすさ、相手にとっての非公開情報域が増えることを狙いました。盤面への回答が封印に埋まっていた場合、相手は手を出すことが出来ませんし、実際にはそうでなくとも、もしものときのことを考えて、勝負を焦るようになります。そうなれば盾やシノビなどで受けつつしっかりと盤面を取ることが簡単になります。
また、場合によっては山札切れでの勝利も狙えます。

・墓地利用、墓地メタ
イグゾーストとウォズレックがこのデッキの全ての軽量呪文のバリューを1段階上げています。後から使えることを考えて出し惜しみをしなくなるし、これらから使う呪文はコスト増加系メタを受け付けないのでプーンギ、パックン下でも、3→5→9の動きを狙うことが出来ます。
また、墓地ソースや相手のイグゾースト・ウェイブのこともありお清めシャラップは2投。戻すときは回収有りのデッキなら全て、無しのデッキなら後の展開的に不要なものだけを戻します。

・ロック
今回採用したロックはドンジャングル、達閃、メヂカラの3枚です。盾である程度は受けられるので、強めの召喚ロック効果は採用せず、過剰な横並びからの即死に対する耐性を意識してこれらを採用しました。いずれも単体では強いロック性能があるわけでは無いので、2体以上もしくは不動と組み合わせることを前提としています。ドンジャングルや伸びたマナから展開しやすいので並べることは比較的容易です。

不採用カード解説

それでは最後に採用されなかったカード達を紹介します。

・ハヤブサマル
かなり悩んだ枠。速攻に強くジャックアルカディアスとの相性も良よいので噛み合いは良いのだが、達閃や不動に枠を譲った形に。

・ベルヘルデスカル
ハヤブサマル、ダムドとの相性が良いため雛型では採用していたが、ハヤブサマルが抜けたために一緒に不採用に。とはいえ単体でも器用なトリガー持ちコマンドのため普通に採用圏内。

・デッドブラッキオ
5cの確定除去としてかなり上位にくる枠。緑単色であることと5色を揃えなくてはならないためにデッキとの噛み合いが悪くなり不採用。

・プチョヘンザ
デブラとの相性がいいカード。優秀なAOE兼ロックカードだがこちらの盤面も飛ばされてしまうために、プチョが除去されて再展開なんてこともしばしば。デブラが抜けたので一緒に不採用。

・ヴィルヘルム
色も能力も強いけどダムドを採用したために枠被りで不採用。蒼龍から出すにしても過剰打点や追加ターンに対して確実に延命出来る天下五剣で良いかなという気持ち。

・カナシミドミノ
GR対策で積もうとしたカード。バックラスターで除去されないのが強み。ドンジャングルからも出せて強いですが、結局cipは使われるのと、完全水で仲良く飛ばされて死ぬこともあったので達閃と入れ替え。

・ドラゴ大王
上記の理由でドラゴンが不採用になりまくったので、自分への被害も大きくなり不採用。

・デルフィン、モアイ
オコラッタ等が止められないのでロックが崩されやすく不採用。それぞれドンジャングル、蒼龍と相性はいいですが、単色が多めの文明であることもであることも向かい風に。

・シャッフ、ディール/ラッキーナンバー 
雛型の段階ではシャッフを採用していましたが、直前になりミッツァイルが流行、ワンショットキルが止められないので不採用。代わりのロマノフ対策にラッキーナンバーを入れようと考えましたが、シャッフのように何ターンも止め続けるのは難しかったので、割り切ってお清めシャラップを増量。

・単騎ラフルル
ワンショットキルでは無いのと、枠が無いので不採用に。ミッツァイルで単騎ラフルル流行ってるしみんな自然と盾は薄めなのではという淡い期待もあったりなかったり。

・ダンテ、ミクセル/チャフ
GR止めのためのダンテと、ダンテチャフという強力なパッケージは魅力的でしたが、チェンジ元がニコルと醤油くらいで安定しないので不採用。ダンテを使わないのでそのままチャフも不採用。

・時の秘術師ミラクルスター
ハンデス対策での採用を考えていて、実際に雛型には採用されていたが結局マナさえ伸びてしまえばある程度はトップから解決出来るのと、イグゾーストやウォズレックで呪文が下に行ってしまうため噛み合いが悪く不採用。

・墳墓
環境への刺さりはいいが、ある程度はプレイングでケアされるため不採用。使い回す旨味が少ないのも欠点。

・波壊Go!
速攻が禁断を使いはじめたため徐々に枚数を減らして最終的に不採用。

・爆砕Go!
このデッキにおいて赤緑という色があまり強くないので、蒼龍、天下五剣に枠を譲って不採用。サンマックスには多少刺さるけど、青魔道具には少し遅めなのでジャックアルカディアスより優先順位が下がったのも大きい。

・ダイスベガス/ガロウズホール
置きドローソースとして強いが青単色かつ青の強い呪文があまり採用されてないので不採用。ベガスないならガロウズホールよりも優先順位が高いカードは多いので一緒に不採用。

・ホワイトグリーンホール
マナ回収は白米と水撒くがあるし、単騎ラフルルで盾の価値が少し低かったので不採用。
プリンの効果はイグゾーストで代用出来るのも向かい風。

・ロマネスク、トップオブロマネスク
赤白の採用枚数の低さとドラゴンであることの価値の低さから不採用。コマンド無いのがキツい。

その他質問が有りましたら適宜追加していきます。

こんな感じで作ったデッキをGPで握ってきました。
体感では大抵の環境デッキと戦えますが、GRジョラゴンにはビックリするほど不利でした。

理不尽を押し付けられる強いデッキを作ることの出来ないプレイヤーでも、相手のデッキに本来の動きをさせない、読み違いを起こさせることである程度の勝率を出すことが出来ると思います。1本先取の大会においては相手のデッキレシピが割れていること、自分のデッキレシピが割れていないことを利用して本来不利な試合をひっくり返すことも出来ます。

良くも悪くも自分が作った中で過去最高の初見殺しデッキになってくれたと思っています。好きなデッキで大型大会で何試合も勝てたのはとても楽しかったです。

ここまで長々とお付き合い頂きありがとうございました。この記事があなたのデッキメイクの何かの参考になれば幸いです。

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