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社会人が予備試験に「受かる」ための方法論

<自己紹介>
みなさん、こんにちは!AGNESと申します。
私のプロフィールは、以下のとおりです。

・  40代
・  既婚、子ども2人
・  仕事をしながら予備試験(2022年)、司法試験(2023年)に合格
・  仕事は会社勤めのサラリーマン(管理職)→法務関連、近年は海外コンプライアンスに注力
・  試験勉強の期間中、家事・育児も(それなりに)していた
・  受験指導校で社会人向け予備試験受験指導の経験あり

<このNoteの特徴>

 このNoteは、自分の経験を踏まえて、社会人の方が仕事を継続しながら、また、可能な限り、家事や育児を含む仕事以外の諸活動と両立しながら、最終的に相応の確度をもって予備試験合格という結果を得られる方法を示すことができれば、という想いで書きました。

 私の方法論は、以下のような特徴があります。

①試験合格のために合理的な方法を徹底的に追及

  • 極端なまでに、やることをスリム化(基本書や判例百選には手を出さない)

  • 「情報の一元化」と、一元化した情報を「繰り返し回す」ことを最重要視(➡論文のための論証暗記ツールは1つにまとめる。具体的には趣旨規範ハンドブックや論ナビなど。こういった論証暗記ツールに、日頃、答練を受講した際に加除修正を加え、常にアップデートしておく。そして随時これを覚える(=繰り返し回す)。試験直前までアップデートし、かつ、回し続け、試験当日は論証暗記ツールだけを試験会場へ持っていく。この論証暗記ツールをアップデートし、繰り返し回すことが日頃の勉強のメイン。「論文が書けない」という人は、こういったインプットができていないことが少なくない。)

  • 全てを〝どうすれば効率的に学習が進むか”という基準で考える。〝興味”を基準に勉強しない(例:①選択科目は、コスパの観点から国際私法を選択する。②既に自分用のテキストを持っているのに、「受験生に定評がある」「新書なので読んでみたい」等の理由で同一科目の同じような位置づけの基本書等を買わない。)

  • 「得意な科目」「苦手な科目」「好きな科目「嫌いな科目」等の概念は不要(※)で、全ての科目において“穴をなくす”という意識を持つことが重要。出題範囲という一定の枠(→試験対策上重要なAランクとB+の知識という意味)の中で、その枠内で薄くなっている箇所(=穴)を塗りつぶしていくイメージ。全てを均等に塗りつぶすことのみ意識していればよい。※ある科目が得意だと思っていても、出題によっては全く書けないこともあり(その逆も然り)、どの科目が得意か苦手か等という議論自体に意味がない。

  • 勉強用のテキスト等の「態様」に拘る。例えば、分厚い択一過去問集は手で押さえていないと、自然とふぁさ~っと(笑)閉じてしまい、択一過去問集を開きながら、別のテキストを見るといった所作がやりにくい(本が閉じていくのはストレスフル!)。→書籍は背表紙を裁断し、スキャンしてPDFにすればiPadなどのタブレット端末で快適に閲覧&書き込みできる。カフェや通勤電車などにおけるスキマ時間での勉強を想定すれば、なおさら、このような効率化への投資は惜しむべきでない

②試験合格に向けたスケジュール感

  • 当然ながら、予備試験は「受かる」か「受からない」かの二択。合格しなければ全く意味はない

  • 「受からない」場合、それまで勉強に費やした時間や労力など様々なコストは、サンクコストとなって降りかかる(試験には受からなかったけど、その過程の勉強内容が役立ったということは基本的には「ない」と思ってよい)

  • したがって、勉強を開始するのであれば、実際に「受かる」ためのスケジュールを立て、それを淡々と実行していくことあるのみ

  • 自分が考えるに、有職社会人が予備試験に最終合格する現実的なスケジュールは、「最初に択一試験に受かった年から起算して4年以内」

  • このスケジュール感を理解できていないと、例えば、勉強を開始して2年、3年経って受からない場合、そのような状態に焦りを感じて、変な方向に行ってしまう(むやみに色々なテキストに手を伸ばす、予備校を変える、選択科目を変える、試験から撤退する等)リスクがある。

  • 他方、このスケジュール感を理解できていれば、想定内の出来事として受け入れることができ、変な方向に行くこともなく、メンタルも保つことができる

  • 「最初に択一試験に受かった年から起算して4年以内」というスケジュール感なので、とにかく早く択一試験に受かることが重要!

  • さらに重要なことは、「最初に択一試験に受かった年から起算して4年以内」というスケジュール感は、当然ながら、いったん択一試験に受かれば、翌年以降も択一試験に受かり続けることを前提としているので、この「択一試験に受かる」状態を維持すること(論文試験で落ちた場合に、翌年の択一試験に確実に受かること)!➡択一試験の勉強は、前年に択一試験に受かっていたとしても、全力で取り組む(=択一試験のための勉強量、勉強の開始時期は前年と遜色ないものにしておく)

以下が本Noteの目次になります。
<目次>
1 全体的な戦略~初めて択一合格した年から4年以内に最終合格~
2 予備校の入門講座を受講中の方へ
3 <論文・択一共通>効率化を極めた日頃の勉強におけるスタンス:
 ①素材は予備校テキストのみ、基本書や判例百選に手を出さない
 ②試験当日、受験会場で見返すものを作ることが普段の勉強と思え!
 ③勉強すべきタイミングで最大限の勉強量を投下(試験直前期はめちゃくちゃ勉強する/試験後は1秒も勉強しない)
4 論文対策として具体的にやること
5 択一対策として具体的にやること
6 選択科目について~コスパ重視から国際私法一択~
7 スケジューリングは「命」
8 学習効率化について:iPad保存、勉強管理アプリ「Studyplus」での記録
9 会社出社時でも勉強はできる!~ポイントは、「ランチの場所」と「ランチ後の場所」の候補を予め決めておくこと!~
10 勉強以外の生活面~ポイントは筋トレをサボらないこと!~


それでは、以下、目次に沿って詳しく説明していきます!

1 全体的な戦略~初めて択一合格した年から4年以内に最終合格~

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