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スクラムとは?

システム開発関連で活用されることが多い”アジャイル”や”スクラム”ですが、実はどのような仕事であっても「スクラム」のフレームワークは有効です。実際に、アメリカやヨーロッパなど海外の多くの企業では、すでに一般的に活用されています。

アジャイルの手法のひとつである「スクラム」は、プロジェクトを数週間程度の短期間ごとに区切り、その期間内に計画、実施、テストの一連の仕事を行います。一部分の仕事を完成させるという作業を繰り返しながら、段階的にプロジェクトを完成させるフレームワークです。

そのスクラムについて、認定スクラムトレーナーであるJoe Justice(ジョージャスティス)に聞きました。

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【スクラムを構成する11の要素「3-5-3」】
3つの役割
・プロダクトオーナー
・スクラムマスター
・開発チーム

5つのイベント
・スプリント
・スプリント計画
・デイリースクラム
・スプリントレビュー
・スプリントレトロスペクティブ(振り返り)

3つのアウトプット(作成物)
・プロダクトバックログ
・スプリントバックログ
・インクリメント

正しいスクラムを実践することによる投資効果を得たいのであれば、スクラムを構成する11の要素(3-5-3)をしっかり把握することです。スクラムを構成する3-5-3とは、スクラムにおける3つの役割(プロダクトーオーナー、スクラムマスター、開発チーム)、5つのイベント(スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブ、スプリント)、3つのアウトプット(作成物)(プロダクトバックログ、スプリントバックログ、インクリメント)のことです。(※インクリメント:顧客に対して納品可能な状態のプロダクト)

3つの役割の重要性

プロダクトオーナー:チームにプロダクトオーナーがいない場合、達成したいことを明確に伝え、優先順位付けし、チームが実際に構築できるプロダクトに関係者をワクワクさせる別の方法が必要になるでしょう。

スクラムマスター:スクラムマスターがいない場合、チームは作業を可視化し、継続的な改善が推進できていることを他の方法で確認する必要があります。

開発チーム:開発チームがいなければ、チームは高品質で実用的なプロダクトを構築できません。

5つのイベント

スプリントプランニング:スプリントプランニングがなければ、それを実行する明確な他の短期計画が存在する必要があります。

デイリースクラム:デイリースクラムがなければ、チームは高いコミュニケーションを確保するための別の方法が必要になります(チーム全員が、最優先の目標、それを構築するための計画、成功するための条件を同じように理解する必要があります。)または、そのミッションが過小評価された時に、チームの士気が低下する可能性があります。チームはやり方を修正し、継続的な改善で解決策を加速させます。またチームの士気を高め、阻害要因を可視化し、パフォーマンスの低いチームメンバーに対処する別の方法も必要です。

プロダクトバックログリファインメント:プロダクトバックログリファインメント(またはグルーミング、ストーリーエラボレーションと呼ばれることもあります)は、スクラムのイベントではありませんが、スクラムガイドでは、バックログのトップが作業できる状態になっていることが必要です。これがなければチームは、他の方法が必要になります。作業の明確化と優先順位付け、そしてバックログのトップを理解して、すぐに実行可能でできる状態にします。

スプリントレビュー:スプリントレビューはフィードバックをもたらし、うまくいけば関係者はワクワクし、次に何をすべきかという優先順位が明確になり改善され、インクリメントが増えるかもしれません。チームがこれらのアウトプットを達成する別の方法を持っている場合、彼らはスプリントレビューを超越するかもしれません。

スプリントレトロスペクティブ:組織がパフォーマンスに関心を持っているのであれば、作業が実際にどのように行われているのか、何がそれを妨げているのかを理解できるよう共有します。継続的に改善を行い、納期を短縮し、幸福度を高め、品質を向上させる方法が必要になるでしょう。スプリントレトロスペクティブは、上記のすべてを達成することができる、一定の反復間隔での短期間のコミットメントです。

スプリント:高いパフォーマンスを発揮するチームに関する米海軍の2018年レポートでは、タイムボックスを早期にリリースして、反復的に結果を改善するために短期フィードバックループが必要であると記載されています。スクラムのスプリントは、これとプロのスポーツイベントのようなリズムを作り出し、筋力づくりの予想されるサイクルで、チームに力を発揮させ、回復させます。リズムのない激しい運動は不整脈であり、選手は運動の流れを予測できないため、慢性的な疲労によって体力が落ちてしまいます。リズムを導入するだけで、激しい運動がアスリートの筋力・能力開発に変わり、それは仕事の知識や生産性にも繋がっていると思います。

5つのイベントがビジネスの成果に繋がることがわかったと思うので、スクラムの3つのアウトプット(作成物)が、スクラムチームごとに厳格にチェックされる価値がある理由を探ってみたいと思います。

3つのアウトプット(作成物)の価値

プロダクトバックログ:社会化された長期計画がないと、投資家は会社やチームとやり取りできず、プロダクトオーナーは顧客や関係者に、近々何ができるのかを説明して、彼らをワクワクさせることができず、チームは積極的に能力を構築したりニーズを明確にしたりできません。プロダクトバックログは、プロダクトのロードマップの最も単純な形で、ミッションと目標を順序立てしてリスト化し、グループが投資に対応するための基本的なものです。

スプリントバックログ:明確な真北、またはコンパスを備えた短期計画は、チームを調整して、不要なものを構築することを避け、無駄のない開発を可能にします。スプリントゴールのあるスプリントバックログは、スプリントの長さが安定したミッションを作成し、チームが団結して一貫した価値のあるものを一緒に提供できるようにします。

インクリメント:インクリメントにより、チームは実際のコンセプトをすばやく実験し、実際のユーザーと関係者からフィードバックをより明確に受け取りることができます。それによりプロセスの早い段階で投資を募り、早期に出荷することで、初期の資本の優位性を得ることができるかもしれません。

これにより、スクラムの11のパートのうち2つだけを行うチーム(通常は、プロダクトバックログとデイリースクラム)は、スクラムが有名な「半分の時間で倍の仕事を可能にする」ということが難しくなる理由が、この記事で明らかになると願っています。私はプロセスに拘っている訳ではありませんが、上記の11の要素の価値を生み出す方法は、どれも速いチームと速いプロダクトを構築する可能性が高いです。

それでも、スクラムの11の要素は自己強化的に書かれており、それぞれのアウトプットは、別のインプットからなり、堅牢でバイラルなシステムになっています。
これらの理由により、スクラムチームがスクラムガイドに準拠していない場合、つまり上記のインプットとアウトプットで3-5-3を実行していない場合、速度を上げるためには単に3-5-3を機能させることです。3-5-3の価値がまだ別の方法で達成されている場合、「離」(独自の新しいものを生み出し確立させる段階)の状態のスクラムと呼ばれる3-5-3を超えることを推奨しています。
3-5-3をブートストラップと考えてください。3-5-3は、各要素のインプットとアウトプットに注意を払って実施すれば、高い成功率でパフォーマンスの高いチームを生み出す最小の組織になります。もちろん、改善が行われなかったり、スプリント計画の結果として明確な短期計画がなかったり、スクラムマスターが作業を可視化していなかったりするとパフォーマンスのない3-5-3チームとなってしまいます。
このようなゾンビスクラムチームは、3-5-3のインプットとアウトプットを確認することで、救出することが可能です。

Joe Justice(ジョー ジャスティス)
数多くの大手グローバル企業でスクラムを指導し、倍の仕事を半分の時間で達成させるエグゼクティブとして、世界20か国以上で活動しています。製造業をはじめとする幅広い分野でスクラムの実践、指導をしています。日本では、トヨタ自動車やKDDI、NEC、日立、キャノン等の各社にてスクラムの実践指導経験を豊富に持っています。

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