わかり合うとか、できないと思っていた。あの頃の言葉を思い出して。

画像1 いつの頃からか、足元は闇に満たされていた。振り返ると遠くで僕を知っていたであろう人たちが、声をあげて笑っていた。僕は歩く。誰かに示されたわけじゃないけど、あの山の向こうの光の世界へ向かって。辿り着いて何があるのか僕は知らない。辿り着くまでこの先幾年、誰一人として出会えないかもしれない。辿り着けたとき、歩き続けてきたそれだけが真実だと知るかもしれない。だってそうだろ。光を見たのはこの世界で僕だけなのだから。歩き始めたのは僕だけなのだから。

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