「機能」戦から早く抜けたい。

本記事は明後日に迎える、内容を知らされないワーママ交流会に参加するとある女性のストーリー。


林 真子。
先日、35歳になった。
建設業の営業事務をやっている。
新卒正社員で入社したこの会社で働きながら、同僚と結婚して、2人の子どもを出産後、復職した。


ワーママ交流会。
文字通り、ワーママ達が交流する会。

1か月前、ひじりさんの公式LINEから交流会の案内が流れてきた。
「オフラインのイベント、珍しいですね!」と返すと、「真子さんに絶対合うので来てください!」と言ってもらえた。あのひじりさんがそう言ってくれたので嬉しくて思い切って参加申し込みをした。

そんな誘われ方だったのでこの会の中身はほぼ知らない。
情報は日にちと、憧れのひじりさんからの「絶対合う」の一言だけだった。



だけど、予測は十分にできる。


何やらアクティブでバリバリした女性たちが集まる。ジャケットをパリっと着て、大企業の女性なんかもいそうだ。

名刺交換を笑顔でハツラツと、一見どこかの営業マンの交流会のように気持ちよく振る舞う時間に、私は浅い呼吸をしながら何とかしがみついていく。


ペースが速い。交流会の時間は2時間。
これ、本当に私に合っているのかな。


参加前に主催者たちのコミュニティA_Viison++で朝に交流会の参加者が登壇して自己紹介などをしていたものはいくつか聴いてから参加した。

だから、主催者の雰囲気は掴めていたし、数人の事前情報も得た。


緊張しながら1時間前には新宿に着き、スタバで時間を潰し、会場入り。
発信の自分も意識しつつ背筋を伸ばして扉を開ける。


そう。今日のミッションは「全員にインパクトを残すこと」


だって、安くない参加費だった。
ひじりさんに直前に案内されたサイトを見ると交流会は2部制だった。


一つが、交流会+ランチ。9,900円。

もう一つが、交流会のみ。5,500円。


もちろん交流会のみの参加にした。


予想できる。

交流会で名刺交換と当たり障りのない会話を済ませた私は、知り合いもいない為、ランチ会などの肩の凝る女子会はもううんざりだ。


そそくさ帰る。

交流会だけで元はとりたい。
値段は5,500円。


仕事も休んだし、朝の家事も夫に頼んできた。

きっと大丈夫。できるはず。


全員と名刺交換、SNSでもしっかり繋がって、交流会の帰りの電車ではコピペに見えないように名前と一文をしっかり変えてDMを送り始める。

家に帰ってきた夫に「ありがとうね!これ、お土産!」なんて疲れた笑顔をひと絞りする。

「交流会」なんていう元が取れるかも分からないものに行かせてくれた夫へ申し訳ない気持ちを抱えつつ、今日は私が一人で子どもたちを早々と寝かしつければ家事を頼んだ代わりにはなるかな。

寝た子どもたちの横で交流会で繋がった人たちにDMを返す。
翌日は会社に早めに出社し、いつもより周りに気を配りながら働いて休日をもらった自分を挽回。

これでいい。


________


扉を開けた。


主催者の一人、朝の音声配信ライブをやっていた声の方。
まみこさん

会場に入ってすぐに話しかけて来てくれ、笑顔でこう言われた。



「よく企画内容が見えない交流会に来てくださいましたね!好き、を買ってくれて感謝いたします」


好きを買う・・・?


理解が追いつかなくて何も言えないでいると、まみこさんが優しくこう言った。


「”好き”に引っかかっていそうですね。この交流会はどんな風に元を取れるか、料金の回収ができるか、そういった”機能”に魅力を感じる人より”好き”をパワーとして動ける仲間を集めたかったんです。真子さんはひじりさんに誘われて、ひじりさんを”好き”だったから来たのでしょう?」


確かにそうだ。

内容も知らない。有料イベントに仕事を休んで私は来た。

理由は憧れの大好きなひじりさんに誘ってもらったから。


あんなにビジネスで活躍しているひじりさんが==を回収しよう、とかは言ってこなかった。


言われたことは「真子さんに合う」。
それだけだった。


私は「機能」を計算したのではなく「好き」で動いたのか。


まみこさんがニッコリ笑って続けた。

「真子さん、何か気付いたようですね。この会は、好きだからカンパしてくださったメンズの方々もたくさんいます。参加できないし、見返りなんてほぼないのに、です。カンパチケット、売れているんですよ。好かれているんです、この会」


何だか気持ちがふわふわしていた。
帰りのDMは誰にも送れずにいた。


何もしないで電車に乗るのは学生以来かもしれない。


関わりは薄いがSNSで繋がっていたしゅがーさんの公式LINEを開くと、今日の主催者のあげ妻さんのライブアーカイブ音声があった。


ふわふわした気持ちでそのままぼんやり聴いてみると何やら沈んだ声のあげ妻さんがこうつぶやいていた。


「機能で見られたくない。パートナーにやりたいことを話した時、君がやりたいならやってみなよ、と言われたい。そこにいくら回収できるだの、どうやって元取るの、だの言われたくない。」



機能で見られたくない、か・・・。


思えば私はここ数年、「機能」的に生きてきた。

・仕事では時短社員として機能的に働き、機能的であるから上司や同僚から認められている。
・家事は最短で一定ラインを担保する。機能的にこなすことで家が保たれ、働くことも許可されているように思う。
・どれだけ気分が沈んでいても自分で機嫌を取るようにしている。夫に当たると「低機能」だと思われる。



そうか。私は生きていること=機能の提供、だと思っていた。


けれど、交流会の主催者は「好き」を売ってきた。

そして私は「好き」を買ったんだ。
好きって価値なのか。


そう言えば、私のこと、好きだから認めてくれる人っているのかな。



会社で仕事ができなくても認めてくれるかな。
家でサボっていても夫は助けてくれるかな。
不機嫌だったとしても「当たっていいんだよ」って言ってくれるかな。


機能の世界からもし抜けられたら、
私が私で良いと、思えるのかな。どうなっちゃうんだろう。ちょっと怖い。



いい妻、いい社員、いいママ。この世界戦から抜けたらどんな景色があるんだろう。



機能で判断されない世界。


ちょっと体感できた気がした。



交流会。

不思議な会だった。



機能はほぼなくて、キラキラした感じもなくて、
だけど人生で大事なことがひとつ、分かった気がした。


いつか自分が商品を出した時、真子さんのことが好きだから、と言って買ってもらいたい。商品のプレゼンなんかしなくても買ってもらいたい。


今日の交流会も、私のことを好きでいてくれる人がいたら誘ってみれば良かった。


ひじりさんみたく「あなたに合うから一緒に行こ!」
この一言だけ。

何をやるか、
何で合うのか、

そんなプレゼンが一切いらないくらい私も誰かに好きでいてもらいたい。



まだそれには時間がかかりそうだけど、
生で「好き」を売ることを見れて本当に良かった。


機能戦から私は絶対に卒業してみせる。


1年、2年、、分からないけど、
その世界の方がきっと生きやすい。


それは主催のひじりさん、まみこさん、ゴリアスさんあげ妻さんを見ていてもそう感じた。


好きで主催する4人。


私は絶対に今の世界から抜きん出る。繋がった方々の連絡先は大切に温めて、いつか「好き」で飛び出す時に連絡してみよう。


同じタイミングで機能戦から飛び出す人とまた繋がれるかもしれない。


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ワーママ交流会は5/24(水)の開催。
当日のご参加とカンパ(※サイトでは”アーカイブご視聴プラン”)チケットはまだ間に合います。

「好き」の戦い方、見に来ませんか?
こちらからどうぞ👇





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