確実に貧乏になる４２のコツ　その４　ポイント大好き

「ポイントを貯めるのはお得だよねぇ。だからついつい買い物しちゃう。
　ポイント１０倍の日はすぐに役に立つかどうかわからないけど乾電池とか予備の歯ブラシとかいつか使う物をついつい買っちゃうんだよね。
　どうせいつかは使うしポイントが１０倍も貯まって他の買い物に使えるんだからお得に決まってるよね」

　そうだよね。ポイント１０倍はもちろん、４倍とか３倍でも凄くお得だよね。ついつい買い物しちゃうのも凄く分かる。
　こんなにもポイントばらまいてお店は経営が成り立つか不安だけど「くれる」って言うんだったら「もらう」しかないよね。お得だよねぇ。

◇◇◇

・この悪いお手本からあなたが学ぶ事。

　特に日本人は世界的に見ても「貯金」を重視するためか「貯める」事に関してはやたらと好きな傾向が強いです。
　いわゆる「タンス預金」の総額では「何十兆」ものお金になるそうです。ひえー何十兆かー。
　そんな日本人にとってはポイントが貯まる、というのは非常に受け入れやすいものです。
　少なくとも「値引き」している所よりも「ポイントカード」の方が多いはずです。

　そのポイントなんですけどロジカル、要は「論理的に」考えないと、かえって無駄遣いする結果にもなりかねません。
　そもそもポイントは店にもよりますけど、大抵『２００円で１ポイント』という所が多いかと思います。
　多くの店では１ポイント＝１円として使えるそうですが、そうだとしますと実質『０.５％オフ』でしかありません。
　これを聞いて全身の力が抜けてヘナヘナになった方も多いかと思います……そうです『０.５％オフ』です。もう１度言います『０.５％オフ』です。

「悪いお手本」に出てきた例みたいに「ポイント１０倍！」だとしても割引率に置き換えると「５％オフ」です。
　まぁこれくらいお得なら買ってもいいかなとは思うんですが「ポイント１０倍」に比べれば「５％オフ」という言葉にはお得感で言ったら薄れるかと思います。
　ましてやお得だから今必要じゃない物まで買う。なんていう割引額では無いはずです。

　何で「ポイント１０倍」と言って「５％オフ」と言わないのか？　それはお店側は少しでも客に「お得感」を出すためにそう言ってるんですよ。
　昔から「補助券」という形で現在のポイント制度に通じる物はあったんですが、スマホの普及とアプリの登場で一気に広まったと言えます。
　後はPayPayみたいなネット決済でもポイントが貯まる仕組みが出来たことが大きいと思います。

　なので「ポイント」はまだ「新しいもの」というイメージがあるので「ポイント１０倍」は「５％オフ」と同じような物なんですが「ポイント」の方が新鮮に聞こえるんですよね。
　ちょうどコロナ下において「アラート」っていう聞きなれない横文字を使って、新しさを出したのと根っこの部分は同じです。
　なので、賢くないと「悪いお手本」みたいに「ポイント１０倍だから文句なくお得だよね」ってなってしまいます。実際には「５％オフ」なのに。

　別の事例では「ジ・ハイドロゲン・モノ・オキサイド」和名だと「一酸化二水素」が原因で死ぬ人間は世界に大勢いる。と書くと、何かおどろおどろしい化学物質に聞こえてきますが
　「一酸化二水素」の分子式は「Ｈ２Ｏ」なので、要するに「ただの水」です。ただの水も言い方次第では何かとても恐ろしい化学物質に聞こえるのと同様に「ポイント１０倍！」って書くと凄いように聞こえますが、
　実際には「５％オフ」と同等の割引。となると「お得と言えばお得だけど大したことのない額」に聞こえるはずです。

　むしろ店舗側はポイントの導入で一層「負担のかからない割引」が出来るようになったので、助かってると思うんですよ。
　例えば「ポイント４倍」が凄くお得なキャンペーンに聞こえるんですよね。実際には「２％オフ」なのに。
「２％オフ」って言うと「ショボい」って思うのに、それが「ポイント４倍」って言うだけでお得感が出る。ふしぎだとは思いませんか？　実際にはふしぎも謎も何一つないのですが。

　これが出来るからお店側がポイントを導入するメリットは今の所、非常に高いと思います。
　それをぶっ壊す今回のお話は、お店側からしたらあまり広まってほしくない内容になってるはずです。もしかしたら苦情が来るかも。

　なのでポイントに関しては普段の食料品や日用品の買い物をするスーパーならともかく、悪いお手本のようにポイントが入るからと特に目的なく無駄な物を買うなど「問題外」です。
　せいぜいがポイント１０倍＝５％オフなので、５％オフなら買ってもいいかな？　って思えるものでなければ買わない方が良いでしょう。
　ポイントが付くからと「ポイントを得るために」何でもかんでも買うのは賢い買い方ではありません。それはただの「浪費」です。

「ポイント〇倍」キャンペーンを仕掛けてくる店舗側はそんな「無駄遣い」してくれるのを狙ってやっているので、くれぐれも引っかからないように。
「マイルが貯まる」っていうのと全く同じで「もう少しでマイルが貯まるから飛行機に乗ろう」っていう
　本来は「おまけ」だったマイルが「主役」になってしまう珍事も起こるわけでして。
　……こう書くと人類って全然進歩してねぇな。何が万物の長だ笑わせやがる、同じところをずっとグルグルと回ってるだけじゃねえか。

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